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お二人様のモフみみ錬金術師  作者: すみ 小桜


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73話目~私達は畑ルートで攻略します

 本をリュックから出そうとすると、雨が降ってきました。虹の刻です。

 私達は、レインコートを着て、木の枝が伸びて雨が当たらなさそうな場所を発見したので、その下で雨宿りをしながら本から探します。

 マセキマスクと言う名の、マスクを発見しました!

 といってもマスク自体は普通で、そのマスクに布をセットして――ポケットに布を入れて、使う様です。

 その布には、魔法陣を施す。


 本を読んで知ったんだけど、マスクって売ってるんだ……。

 取りあえず、ユージさんにマスクを買って来てもらう事にして、私は作業にとりかかります。


 連携を使います。

 魔法陣を描いた布を大量に作る為です。杭を作った時と一緒です。でも今回は、サイズが小さいので楽です!


 私は雨がやんだら作業を取り掛かる事にして、この場所で待ちます。

 ユージさんが、買い物に行っている間に雨がやみました。

 まだ乾ききっていないけど、連携の魔法陣を作成しておきます。

 そして、粘土を作る魔法陣を描き、粘土を作成。


 「お待たせ。いやぁ。どこもかしこも混んでいたよ」


 そう言って買って来てくれたマスクを見れば、リアルでもありふれた白いマスクです。私にはちょっと大きいけど……。

 マスクのサイズを確認して、布を大きさを決めます。

 そして、布になる粘土に魔法陣を描けば、後は複写して作るだけです!


 何枚必要になるかわからないので、60枚作る事にしました。片方に粘土をセットして、連携した窯に魔法陣を描いたマスクを置きました。

 五分後、布は出来上がりマスクにセットして、いざ洞窟へ!



 ☆   ☆   ☆



 マスクの効果は絶大です!

 せき込む事もなく、入れました! 但し、辺りは真っ白です。

 兎に角、壁を砕いて、鉱石を外に持って行こうという事になりました。

 軍手をはめて真っ白で見えない中、手探りで鉱石を集めます。

 巾着に一つ分発掘し、洞窟の外に出ました。


 「さて、面倒だけど鑑定しますか」


 私達は迷宮から出るとすでに闇の刻になっていました。

 そこで迷宮のすぐそばにテントを張って、その中に居ます。

 ユージさんがそう言って手にしたのは、カンターで借りたカカヲルーペです。

 今回のイベント専用で、タブレットで申し込めば、ギルドに一個は無料で貸し出してもらえます。


 それで鉱石を覗き込みます。

 このルーペでカカヲ鉱石を見ると、それだけクッキリと見えて、他のはぼやけるそうです。


 「わぁ。面白い……」


 ユージさんがそう言うので、私もルーペを覗き込みました。

 本当に鉱石がクッキリ見えます! で、他のはかすれて見えるのです!

 確かに面白いかも。不思議です。


 この洞窟は、カカヲ鉱石が取れる迷宮で間違いないみたい。

 とれたのは、全部カカヲ鉱石だったから、ほとんどカカヲ鉱石しか採れないかも。

 さて、後は、畑と鉱石をどうやって粉にするかだよね?

 でも畑が見つからないと、鉱石を粉にしても仕方がないから、まずは畑だね!


 「うーん。明日にでもライマルさんにでも聞いてみようか。養鶏場があったんだから畑もあるかも」


 「うん」


 ユージさんの提案で、明日ライマルさんの家へ向かう事にました。

 私達は、今日このままログアウトする事に。

 次の日、ライマルさんの所に行くと、実りの鳥に餌をあげているところです。


 「こんにちは」


 「おぉ! 道にでも迷ったかい?」


 「いえ……」


 次の日の早朝に来たせいか、道にでも迷ったかと思ったようです。


 「畑を持っている方を知りませんか? 少しの間お借りしたいんですが……」


 「うーん。あるけど土地がダメになってな。放置してあるんだけど……」


 「それどこですか?」


 ユージさんが聞くと、家を指差した。


 「家の裏手にあります」


 「是非、貸してください!」


 お願いすると頷いて連れて行ってくれました。

 木の柵があって、何と! 養鶏場と同じぐらいの広さがあります!


 「これだけ広ければ、いろんなのが植えられそう」


 なんかユージさんが、生き生きしはじめました。

 土を触って、うんうんと頷いています。


 「肥料を混ぜてみていいですか?」


 「うーん。構わないが、土はよくならないよ。だから放置してあるし。まあ好きに使っていいから」


 「ありがとうございます!」


 ユージさんが、頭を下げた。私も、ありがとうと頭を下げました。

 じゃっと、ライマルさんは立ち去った。


 「普通は肥料を混ぜれば、よくなりそうなんだけど……。何が原因でなっているかだね……」


 「うーん。何か土を調べる物がないか本を見てみる!」


 そんなのがあるかわからないけど、見てみるとあった! 凄いよこの本!

 でも成分を調べるんじゃなくて、どんな土でも畑に適した土にしてくれるらしい。


 その方法は、畑に魔法陣を描く事!

 そういう訳で、魔法陣の鏡を使う事にしました。

 普通の大きさで描いて、転写します!


 私が魔法陣を描いている内に、畑に円をユージさんが描きます。

 魔法陣を描き終えて、魔法陣の鏡に魔石をセット。

 そして見事、畑に魔法陣を転写できました。これで三時間程経てば、よい土になるそうです。


 で、その間に私達は、鉱石を砕く方法を探さなくてはいけません。

 お父さんにもらった布で砕くと言う方法もあるけど、畑に敷き詰めるだけつくるとなると、やっぱり本から探すしかありません。

 って、意外な方法が見つかりました!

 魔石を作った魔法瓶を活用できそうです!

 なので、魔法瓶にいっぱいになるぐらいのカカヲ鉱石を採る事にしました。


 掘って掘って掘りまくる!

 私が掘って、ユージさんが外に持って行って鑑定する。

 気が付けば、八時間ずっとやっていました。


 ほとんどがカカヲ鉱石。

 カカヲ鉱石が入った袋が100個。その他の鉱石が入った袋が一個。

 カカヲ鉱石は、ごろんと大きいので、10個も一つの巾着に入らないぐらいです!

 さて、魔法瓶の場所に向かいますか!

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