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お二人様のモフみみ錬金術師  作者: すみ 小桜


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63話目~七色精霊のお花畑

 私がこの世界に来て、感動したのはこれで何回目でしょうか?

 今私の目の前には、それはそれは綺麗なお花畑が広がっています!



 地図作製の為私達は、モーグの森の抜け奥に進みました。

 いつも通り板の地図を確認していると、何となくカラフルだったんです。何があるのだろうと思って森を出ると、太陽をサンサンと浴びて可愛くそして綺麗に咲くお花さん達が一面に広がっていました!

 赤や青、白や黄色などなどそのお花さん達は、心を和ませ幸せな気分にしてくれます。


 「あなたがロウの加護を持った錬金術師よね! 待ってたのよかった!」


 声がして振り向けば、目の前に可愛い精霊がいました。触れれる程近くに……。


 「私はね、この花畑の花の精霊のフラーカル。さあ、あなた達の出番よ! この魔法陣が完全に効力を失う前に、完全復活させて!」


 私達が振り向くと直ぐに説明を始め、ビシッとフラーカルちゃんはお花畑を指差しました。それにつられ私達はお花畑に目をやります。

 このどこかに魔法陣があるらしい。


 「うーん。特段青い点はなかったと思うんだけど……」


 ユージさんが板の地図を覗き込んで言いました。

 もしかして、カラフルだったからその中に紛れているのかもしれません。

 私も覗き込んで確認してみるも他より大きく青い点は近くに見当たらない。


 「ないね……」


 「だよね」


 私が呟くと、ユージさんは頷く。

 もうこれは、素直に聞くしかないよね。


 「あの、魔法陣てどこら辺にあるのでしょうか?」


 「何言っているの? 目の前にあるじゃない。このお花畑が魔法陣よ!」


 「え!!」


 私は驚きの声を上げてしまいした!

 だって……もしお花畑全体が魔法陣だとしたらかなり大きいです!


 「それ本当かも……見てこのお花畑丸いよ」


 板の地図でお花畑の全体を見れば、カラフルになっているけど丸くて魔法陣の模様になっているように見えなくもないです。しかも隙間が青い……。これって全体が魔法陣だからって事だよね?


 「お花畑の真ん中に噴水があるの。そこが魔法陣の中心よ!」


 そう言ってフラーカルちゃんは、やってくれるよねとキラキラした瞳で私達を見つめて来ます。

 真ん中がわかっているのなら簡単だけど……。

 魔力、つまりMPが足りるのかなっていう感じです。

 ユージさんを見れば、難しい顔をしています。


 「やっぱりMPが足りないかな?」


 「うーん。数値で見れないから何とも言えないけど、ただ僕もそんなにMPに振ってないからさ。魔石か何かを魔力変換させるアイテムとかないかな?」


 「あ、なるほど!」


 私はユージさんの意見に頷き、リュックから本を取り出し探してみる事にしました。


 「魔石を魔力に変換するアイテム」


 魔石でと限定したけど、これでなかったら何かを魔力に変換するアイテムで探すしかない。

 でも、ありました!


 それはなんと! 杖に付けるオーブです!

 魔石で作ります! 一回ぽっきりみたいだけど魔石の量で魔力の量を調節できます!


 粘土が必要なんだけど、ここら辺の土もらっても大丈夫かな?


 「あのこの土使っていいですか?」


 そう思っていたらユージさんが代わりに聞いてくれました。


 「いいわよ、そこら辺のなら」


 何をするのだろうという感じで、フラーカルちゃんは私達の上を飛び回ります。

 それを気にせずいつも通りです。

 ユージさんが粘土を作るために、土を集め魔石の粉を混ぜます。

 私は、黒板を出して魔法陣を描きます。そこに土を置き粘土の完成です!


 「わぁ! よくわかんないけど、すごい!」


 フラーカルちゃんは、魔法陣に感動してます。

 大した事をしていないのに……。


 今度は、私が窯の魔法陣を描いている間、ユージさんが魔石を適当に手に取って粘土で包んでいきます。出来るだけ球体になるようにお願いしました。

 そうこれがオーブになるのです!


 後は余った粘土で台座を作ります。

 杖の上に置くと、オーブの魔力を杖に流してくれるらしい。


 それらを窯にいれて待つ事5分。

 サーッと光が走ると、オーブが出来上がりました!


 「すごーい! ね、ね、ね。これ何?」


 興奮してフラーカルちゃんは、オーブの上を飛び回ります。

 オーブは、ガラスの様な感じで、スカイブルー色をしてます。手で持つと見た目と違い、凄く軽い。


 「これはオーブと言って、魔法陣に魔力を提供する為の道具だよ」


 ユージさんがそう答えると、フラーカルちゃんは驚いた顔をしました。


 「凄い! あっという間にオーブを作っちゃうなんて!」


 フラーカルちゃんはそう言ってますが、このオーブは魔力を提供するオーブで、フラーカルちゃんが思い描いている物とは違うと思う。


 では早速と私達は、花を踏まない様にしながらお花畑の中央に向かいます。

 噴水があるって言っていたけど、そこには杖を刺せるぐらいの小さな穴しかありません。

 取りあえずそこに杖を立てます。そして台座を乗せると、不思議な事に吸い付いたようになり、ぐらぐらしません。


 「凄いね、これ」


 「うん」


 ユージさんが驚いて言うのに、私も頷いて賛同します。


 後はオーブを乗せるだけ!

 乗せると自動的に、流れ込むらしい。

 ユージさんが杖をセットしたまま支え、私がそっと台座にオーブを乗せる。そうすると、オーブが淡く光りました!

 綺麗です!


 って、オーブが縮んでいきます! 不思議な感じです……。

 そしてとうとう、オーブが消滅してしまいました。

 何だか周りがざわざわしているような気が……。


 ユージさんが、噴水から杖を離した瞬間、驚くような事が起きました! 七色の光がまるで噴水の様に湧き出て、周りのお花畑に降り注ぎます!

 よく見ると七色の光は、七色の蝶となりお花畑を飛び回っています!

 私は、昆虫が苦手なので蝶もあまり得ではないのですが、あまりの神秘的な光景にボー然と惚けていました。


 お花さんに蝶が降り立つと、そこは七色に……。

 そして、お花さんがなんと! 歌い出しました! と言うか歌っているような音色が聞こえて来たのです!


 「す、凄いね……」


 ユージさんも茫然としています。


 「ありがとう。これで七色のお花畑が復活しました!」


 そう言って目の前に来たフラーカルちゃんは、驚く事に七色に光っています!


 「錬金術師さん。手を出して」


 そう言われて私は素直に手を出しました。そうすると、フラーカルちゃんは七色の種をくれたのです!


 「その種には、不思議な力があります。このお花たちから稀に取れるんです。お礼だから受け取って」


 「いいの?」


 フラーカルちゃんは、うんと頷きました。


 「ありがとう!」


 「ありがとう。この景色だけでも十分なのに」


 そう言うユージさんに私も頷きましたが、くれるというので素直に七色の種は頂きます。


 ここは、七色精霊のお花畑と名付けました。

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