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お二人様のモフみみ錬金術師  作者: すみ 小桜


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54話目~宝玉は穴の中?

 ユージさんと私は、掴まった場所に降ろされた。

 男の人達は、宝玉があった場所に連れて行かれ、宝玉の代わりにHPを提供しているはずです。


 「さてダウジングをしよう。出してくれる?」


 私は頷いて、リュックから出しユージさんに手渡す。


 私達の作戦は、彼らが通った道を逆から辿り、ダウジングしながら探すです。逆からなのは、一番近い物に反応するらしいので、他の宝玉に反応しないようにする為。

 板の地図は私が持ち進みます。


 私達を運んだ鳥は、枝に止まったまま、ジッとこちらを伺っています。きっと監視をしているのかも。

 まあ森からは逃げられないんだけどね。


 ユージさんと顔を見合わせ、私達は頷き合う。


 「封印の宝玉を探して!」


 何も反応がない。近くにはないって事ね。


 「進もう」


 そう言うとユージさんは歩き始める。私も地図を確認しながら進む。

 私達は、ダウジングの効果がなくなると、魔石に魔力を注ぎながら進んだ。




 ☆   ☆   ☆




 始めてから一時間ぐらいたった頃、ダウジングに反応がありました!

 ダウジングに導かれるまま進むと、ここだと反応を示す!


 「よかった!」


 そう言って私が探し始めると、ユージさんもダウジングをポケットにしまい探し始める。

 すぐ見つかると思っていたけど宝玉が見つからない……。もう石になっちゃったとか?


 「もしかしてもう石になっちゃたのかな?」


 「うーん。宝玉のような形をした石は見ていないしなってないと思う。それよりこっち! これ見て!」


 反応があった場所から少し離れた場所だった。

 そこには腕なら入りそうなぐらいの穴がぽっかり開いています。


 見当たらないので一応、探す範囲を広げていたのです。

 もしかしてだけど、この穴の中に入って、その穴は反応があった所まで続いていて、宝玉は穴の中に。つまり地面の奥深くの可能性がある?


 「これ自然に出来たものじゃなくて、動物のお家かもしれない。だとしたら落ちていたのを持って行ったのかもね……」


 困り顔でユージさんは言った。


 「どうしよう? その動物さんとお話出来るかな?」


 「どうだろうね。取りあえず精霊に伝えて、中を見てきてもらうとか……」


 「私は行かないよ!」


 「うわぁ」


 「きゃ」


 私達は驚いて振り向いた。呼びに行くまでもなく、精霊が私達の後ろにいたのです!


 「行ってくれないの?」


 ユージさんの言葉に精霊は頷く。


 「それ巣穴には間違いないけど、貯蔵庫でもあるから凄い数の物があると思う……」


 「これ、何の動物の巣穴何ですか?」


 「怪盗モグラよ。光る物が大好きなの。だから素直に言っても返してくれないわよ」


 返してくれないって……。そこを何とか説得してほしいんだけど!


 「困ったね。……じゃ、交換ならしてくれるかな?」


 「そうね。してくれるかもね」


 「ねえ、ソレイユさん。何か光る物作れないかな?」


 うん? 光る物? そっか! 魔法陣で光る物を作ってそれと交換してもらうのね!


 「探してみる!」


 私はリュックから本を出し探してみる。


 光る物で検索すると、色々ありました。その中で簡単そうで光る物を作る事に。


 「えっと、交渉お願いしても……」


 「オレニ ナニカ ヨウカ?」


 穴から頭だけ出したモグラさんがいました!

 モグラさんって明るいの苦手だと思っていた。まあ、ここゲームの世界だからね。なんせ鳥やモグラさんとも話せてるんだし!


 「お願いがあります。宝玉がどうしても必要なので、交換をして欲しいのです」


 「ヤダ!」


 精霊がお願いするもモグラさんに、一言で断られました。

 これ作ればどうにか出来る問題でもなさそうなんだけど、どうしよう……。


 「まいったね」


 ユージさんが、ボソッとそう漏らしました。

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