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お二人様のモフみみ錬金術師  作者: すみ 小桜


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31話目~やってみるもんだね!

 私達は、どうせだからこの洞窟を発掘してみようという事になり、軍手をはめて壁を私は掘っています。

 で、その結果ですが、鉱石が大きい事が判明しました! なんと! 手のひらサイズのもあるのです!

 ユージさん曰く、誰にも手をつけられていないから大きいのがあるのかもだって。

 そしてこれ、歩くより効率がいいかも。大きい鉱石が取れると、経験値が200入る! かれこれ腰ぐらいまでの深さに掘って10個ほど出て来ました。


 「ねえ、そのままずっと掘るの?」


 「うん」


 ユージさんが心配して声を掛けて来た。多分、前みたいな事があったらと思ったんだと思う。そうそうないと思うけどね……。

 私的には、あちこちに穴を開けるよりいいかなって思っている。地面に穴を掘らなければいいらしいし。

 他の人は、こんな風に掘っていけないからね。


 私はユージさんが心配する中、横にずっと掘り進めていく。掻き出した土はユージさんが穴の外に出してくれて、発見した鉱石は一か所に集めている。


 「きゃ!」


 「大丈夫!?」


 私が手を伸ばして万歳をしたより長い横穴になった時だった! 土をガリッとやったはずなのに、前に何もない感じでスカッとなった! 私は前のめりに倒れたのです!

 どうやら向こう側に洞窟があったみたい。


 《トンネル師を取得しました》


 え? トンネル師?


 私は四つん這いになって、空いた穴から外を見てみた。なんとそこは外だった!


 確かに洞窟は緩やかな上りになっていた。それを私達は一時間ほど歩いて、その後この穴を掘ったけど、まさか外に繋がるとは、思いもしなかったです!


 「ねえ、大丈夫?」


 反対側の穴からユージさんが心配そうに叫んできた。


 「大丈夫! 外に繋がっちゃった」


 「え?!」


 ユージさんの驚く声が聞こえる。そして、穴を這って来た。でも二人並んで見れない。


 「ちょっと待って! 広げるから!」


 外に出ればいいんだけど、なんか怖い。掘るのは苦にならないので数分で二人が並べるぐらいに広げました。

 ユージさんは横に並んで、穴から外を覗き込む。


 「森だね」


 「うん。どこかわからないけどね」


 「大発見だよ! 地上に出る方法を探さなくて済むし。地図が見れるようになったらここから進めるんだから! 本当に君って運がいいよね!」


 ユージさんは大興奮して言った。

 確かに地図を見てここから行けるって思っても段差があったり、何かでいけなかったりするかもしれないから繋がってよかったかも。


 「あ、そう言えば、トンネル師っていうスキルゲットしたよ! そんなのもあるんだね」


 「そうだね。まあ、普通はこれだけ掘るの大変だからね……。って、ステータスどうなってる?! 君の装備が伝説の防具ならそれで何かついていると思うんだけど!」


 これまた興奮してユージさんは言った。


 見るとユージさんが言った通り増えていました! なんとLUKです! LUKに3,000とMNDに1,000、それとHPが400増えて+800ってなっている!


 「ユージさん! 凄いよ! LUKに3,000付いたよ!」


 「え?! LUK! やったね! 3,000付いたなら成功率10%以上になったね!」


 「うん! 希望が見えてきたわ!」


 経験値を見れば一万を少し超えていました! これを振ればプラス2,000で、成功率が25%になります! これはいけるかもしれないわ!!


 俄然やる気になった私は、穴から洞窟にもどりました!



 ◇ ◇ ◇



 私達は穴を出た所でもう一度チャレンジする事にして、二時間かけて地図を作る魔法陣を描くところまで終了しました!

 経験値もLUKに2000振り、準備万端です! まあ、今回で成功するとは思ってはいませんが、一回目よりは確率があります!


 「いきます!」


 私は、魔法陣の中に置いた。だけど残念な事に光は上に上らなかった! 失敗しです……。


 「大丈夫?」


 ひっくり返った私をユージさんは抱き起してくれた。


 「大丈夫です。ありがとう」


 「また最初からやり直しか……2時間ぐらいかかるよね?」


 ユージさんに聞かれ私は頷く。


 「僕さ、臼の所で作業してようと思うんだけどいいかな? 時間がもったいないかなって……」


 「うん。そうだね。寂しいけど……。臼持ってこれたらなぁ……」


 「持ってこれない訳じゃないけど、スタミナが持たないかなって……。軽くする方法があればいいんだけど」


 なるほど。そういう考え方もあるのか。何かアイテムを使って……。


 私は本を手に取ってハッと気が付いた!


 「リュックがある!」


 「リュック?」


 「私のリュックって重さを感じないらしいの!」


 私がそう答えると、ユージさんは驚いてリュックを凝視する。


 「これも魔具まぐだったの?! それって、僕でも使えるの?」


 「わからないけど、入れた人しか取り出せないって言っていたから、大丈夫じゃないかな? どちらにしても私には持ち上げられないからユージさんがリュックに入れるしかない」


 「だね。リュック借りてもいい? 僕、一っ走りして確かめて来るよ」


 私は頷いてリュックを手渡した。


 「じゃ、頑張ってね! 行って来ます!」


 「うん! 気を付けてね」


 ユージさんはリュックを手に、くねくねとした洞窟を走って行った。


 さて、頑張りますか! 私は三度目の正直を信じて魔法陣を描き始めた。

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