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お二人様のモフみみ錬金術師  作者: すみ 小桜


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29話目~初めての失敗

 ガリガリガリ。

 ユージさんが臼をひく音が洞窟内に響いてます。


 ユージさんに魔石を粉にしてもらっている間に私は、また窯の魔法陣を描がきです。粘土は余ってもいいので、さっきいっぱい作ってもらいました。


 これを描く前にスタミナを確認してみたんだけど、なんと93%だった!

 スタミナに経験値振ったし装備の補正もあって、前回魔法陣を描いていた時よりかなり増えたからね。これで気にせず描けます!


 そういう訳で、ユージさんは臼を黙々とひき、私は魔法陣を黙々と描くという不思議な光景になっています。


 20分後、魔法陣を描き終わりました。確実にスピーディー且つ上達しています! まあ、何度も同じ模様を描けば上手くもなりますよね。


 さて次は板作りです。B5ぐらいの大きさで形は円。初めは四角にしようと思ったんだけど、これに魔法陣を描く事を考えると円がいいかなって。

 取りあえず出来るだけ、うすーく作りました。それを魔法陣の上に乗せて板の出来上がり!


 ベニヤ板みたいな感じですが硬いです!


 「ふう。これすごく大変なんだけど……。あ、板出来たんだね」


 結構夢中になって臼を引いていたようです。一欠片を粉にするのに10分ぐらいかかるみたいで、まだ二欠片しか出来ていない。これ今使う分しか出来ないのではないでしょうか?


 「あ、丸くしたんだ。へぇ、それからどうするの?」


 「これに魔法陣を描くの」


 「え? これに? へえ……。あぁ、僕も本が読めたら描くのに……」


 ため息交じりにそう言った。多分、臼をひくのが飽きたのかもしれないです。単調ですもんね。


 「一欠けら分で一時間使用出来るみたいだから、休み休みでもいいよ」


 「そうなんだ。一時間か……。でも持って歩けないから出来るだけ必要だよね? とりあえず頑張るよ」


 そう言ってまた、がりがりとひき始めた


 さて、練習で地面に模様だけ石で描いてみる。板には地図を描く為にもらったペンで描くつもりなので、ほぼ一発勝負です!


 そうして一時間。とうとう板にチャレンジです。何せ消しゴムみたいに消す物がないので、神経使いそう。


 凄く時間を掛けて板に書き終えた。後はこれを魔石でなぞって……。

 板に描いた魔法陣の中には、さっきみたいに端に一つ小さな魔法陣が描かれている。これは、コンパスの魔法陣らしい。


 板の魔法陣を魔石でなぞり終わり、後はこれ専用の魔法陣を描くだけです。何故か描いた魔法陣を専用の魔法陣に入れないと使えるようにならないようです。

 と、取りあえず頑張ります! ユージさんも魔石を粉にするのを頑張ってますし!


 四十分後やっと下書きを描き終えました。途中で集中力が切れて大変でした。魔石でなぞり魔法陣の完成!

 さてと、板を置きますか。


 私はいつも通り板を置いた。いつもは光が登っていくのに今回は違った。魔法陣の中が光る感じで、それもぼんっという効果音付きだった!

 何か衝撃が来て私はひっくり返った!


 「ソレイユさん!」


 驚いたユージさんが駆け寄って来てくれた。


 「大丈夫?」


 「うん。って、何? 何が起きたの?」


 私は体を起こし見ると、魔法陣は消滅していて、板は粘土に戻っていた……。


 「え? なんで? なんで粘土になっちゃったの?」


 「多分、失敗したんじゃないかな?」


 「失敗?!」


 今まで一度も失敗しなかったから魔法陣は描かれていれば成功すると思っていた!


 「これって発明品だよね?」


 「発明品?」


 ユージさんは頷く。


 「だから失敗したんじゃないかな? 確か発明家になれば成功率が100%らしいよ」


 「え? これって発明品だったの?」


 「気づいてなかったの? 魔石を使って発動させるんだよね? 前も話したけど、MPや魔石を使って効果を発揮させるのが発明品だよ」


 言われてみればそうです。魔石を粉にしたのは、発動させるのに使います!


 私は慌てて本を確認してみた。発明品とは書いていなかったけど創造力が最低1000必要で、LUK200で成功率1%UPと書いてありました!


 1%って! ほとんど変わらないじゃない! って、元の成功率はいくつなんだろう?


 私は大きなため息をついた。


 「何て書いてあったの?」


 「発明品とは書いてなかったけど、創造力が最低1000必要で、LUK200で成功率1%UPだって……」


 私は粘土になり果てた板を見て、また大きなため息をついた……。もし成功率が10%だとして、単純計算10回作れば成功する。でもこれが5%なら倍の20回……。やってられない。

 板にする為の魔法陣を描き、板に魔法陣を描く。そして、発明品を作る為の魔法陣を描かなければならない。これを成功するまでです!

 一気にやる気がうせました……。


 私は、地面にうつ伏せに寝っ転がった。魔石を一生懸命粉にしてくれたユージさんには悪いけど、無理ですこれは!


 「もしかしてだるい? スタミナは? HPは大丈夫?」


 寝転がったのでダルくなったのかと心配して声を掛けてくれた。ありがとう。ユージさん。多分大丈夫。

 私は、そう思いつつも一応確認してみた。ってHPが100減ってます!


 「もしかして失敗するとHP減るの?」


 「減ってたの?」


 私は頷いた。


 「100減っていた……」


 「100! 結構痛いね……。多分だけど、失敗すると防御とか関係なしに減るんだと思う。これLUK上げてから挑戦した方がいいかもね」


 私は一応頷いてはみたけど、もう気力失せているのですがどうしましょうか?

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