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お二人様のモフみみ錬金術師  作者: すみ 小桜


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21話目~探索隊の二人

 現れた二人は私達を見て目を丸くしている。

 原因は私のようです。


 「ガキ?」


 「なんでこんな所に……」


 一番最初に着いた大柄の男の人が呟くと次に着いた女の人も不思議そうに呟いた。


 男の人は、黒髪に黒い丸っぽいケモミミ、黒のつなぎを着ている。靴も黒。スニーカーのような感じ。前からだと尻尾は見えません。


 印象は、大きいし黒いので怖そう! です。


 女の人は、ナイスバディなお姉さんです!

 彼女も茶色いつなぎを着ていますが、胸元が大きく開いています! 大きすぎてボタンがとまらないのかも?


 私が求めるお色気ムンムンがここに! ちょっと胸が多き過ぎますが……。


 髪が茶色で左耳も茶色、右が黒と色が違います! ここからだと尻尾は見えません。


 「ガン見しやがって……。おい、ミケ。見た目はガキでも中身はエロオヤジかもしれないぞ!」


 黒い男がそう言った言葉に、私はハッとする。


 嫌だわ。私ったらついジッと見てしまった。


 「あらこの子プレイヤー? NPCじゃないの?」


 「それもそうか。ガキのプレイヤーなんて見た事ないもんな。俺は探索隊のラキガ。お前その子をどうする気だ?」


 「どうする気って……。僕は探究者になる手伝いをしているだけです」


 ユージさんの説明に二人は顔を見合わせ頷きあう。

 どうも二人は、ユージさんを不審者扱いしている様子。見た目子供の私と居るのが原因のようだけど……。

 確かに今、私は横になっていて、その傍にユージさんがいる場面です。見方によっては襲っているように見えてもおかしくないのかもしれない?!


 「あの、ユージさんが言っている事は本当です!」


 「ユージ? 聞かない名だな」


 私が言ったのにも関わらず、鋭い目つきでユージさんを睨む。


 どうしたら誤解が解けるのでしょうか?


 「僕はどこのギルドにも所属してないんで。今まで村で農夫していました」


 ため息交じりでユージさんは言った。


 「……私は、その名前最近聞いたような気がするわ」


 ミケさんは、首を傾げながら考えている様子。


 「取りあえずカード見せな」


 ラキガさんがそう言って手を出してきた。その手にユージさんはカードを渡す。カードを見たラキガさんは頷く。


 「ずっとこの島にいたのは確かなようだな。で、さっきの悲鳴はなんだ? 二回聞こえたが?」


 そういう事でしたか!

 悲鳴が聞こえ来てみれば、私が横になりユージさんが傍にいた。襲われて悲鳴を上げたと思ったのね!


 「違うの! 蛇に驚いて!」


 私は今更だけど上半身を起こし、ナイフに串刺しになっている蛇を指差した。二人はその蛇を見つめる。


 「なぜ、この子は倒れていたのかしら?」


 いつの間にか傍に来ていたミケさんに私は抱きかかえられた。


 「まず先に言っておきますが、彼女はプレイヤーです。採掘に夢中になり過ぎてスタミナが10%になったと言うので横になっていたんです」


 「プレイヤーですって!」


 ミケさんは、まじまじと私の顔を覗き込む。


 ち、近いです。ミケさん……。


 ラキガさんは、私が掘った穴とユージさんが掘った穴を見て、腕を組み大きなため息をついた。


 「あれだけ休みなく掘ればスタミナもなくなるだろう。それに地面を掘るのはマナー違反だ!」


 ラキガさんは、ユージさんが掘った穴を指さした。

 地面って掘ってはいけなかったのね。初めて知りました。


 「これは、蛇を焼くのに掘っただけで終わったら埋めます! 兎に角ソレイユさんを休ませてもらえませんか?」


 二人はユージさんの言葉にまた顔を見合わせ頷いた。


 「わかったわ。はい。横になりましょうね」


 ミケさんは、私を横にしたけど、彼女の膝枕付きです! そして、私の頭を優しくなでます。間違いなく10歳の子供扱いです!


 「………」


 ユージさんもこれには困惑気味です。


 「ミケ、お前なぁ。さっき言ったろ。そいつは絶対エロオヤジだって! ガン見してたろ!」


 いや女の子なんですけど?


 「別にいいんじゃない? 私の好みの顔だし」


 ミケさんが好む顔って……。一体私はどういう顔なのでしょうか?


 「もしかして、僕達を監視するつもりですか?」


 「あぁ。そうやって地面に穴を掘る奴らが続出しているからな!」


 「もしかしてそれで見回り?」


 「そうよ。先日、魔石が発見されたの知ってる? その話を聞きつけて島に出戻って来た奴らが、地下で発見されたからって地面に穴を掘る奴らが絶えないのよ」


 それって私達が発見したやつでは?! そんな事になっていたの!


 「別にいいけどさ」


 ユージさんは溜息をしつつ、蛇の調理に取り掛かる。

 棒いや、串? に蛇をぶっ刺しまして、穴の上に置きます。穴の中には赤い石を置いて、それを触るとほのかに光りだしました。


 あれは一体何を? もしかしてあれで焼いている?!


 「あの石はね。魔力を注ぐと熱を発するのよ」


 ミケさんは、私が知りたがっているとわかったのか教えてくれるのはいいのですが、何故か体中をスーとなぞりながらの説明で……子供相手に何をやっているのですかぁ!


 「あぁ……」


 尻尾も触られて変な声が……。


 「あら、ごめんね」


 「やめて下さいよ!」


 ぐいっと引っ張られて私はユージさんの胸の中。彼はキッとミケさんを睨んでました。

 なんか本気で怒っているっぽいです。


 「あらぁ。こわ~い」


 クスッとしながらワザとらしくミケさんは言った。

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