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Day 7 日曜日

 ダンスパーティーは、午後からだ。普通ダンスパーティーは夜ってイメージがあるけれど、そこは学校公認。5時には終わるようにするため、午後2時スタートだ。午前中は、ちょっとしたお祭り気分だ。しかし私は、そんな浮かれた話をしている場合ではない。なんて言ったって、踊る相手が許婚だっていうんだから。それにしても、高校に入って半年間片思いを続けてきた相手がまさか許婚だったなんて。ある意味これはこれであり!? と思ったりもする。

あっという間に午後になった。事前に登録を済ませたパートナー同士に続いて、当日に誘い合わせたメンバーも体育館内に造られたダンスホールに入場する。シュウくんは、スーツを着ていたためか、とても大人っぽく見える。とても幸せなひと時だったが、やはり意識してしまう。顔が熱くなっているのが自分でもわかった。

シュウくんが

「大丈夫、じゃないとは思うけど、お互い、平常心が大切だよ。」

と声をかけてくれた。あ、やっぱりシュウくんも同じこと言われたんだ。

「シュウくんこそ、大丈夫?私でいいの?」

これ、今聞かれても困るだろうな、という質問を、ついしてしまった。シュウくんは、

「リゼちゃん『で』、じゃなくて、リゼちゃん『が』いい。」

と返事をくれた。どこまで本気かわからないので、夕食の時に聞くことにしよう。


 気が付けばあっという間にダンスパーティーは終わった。さんざん悩んだり、考え込んだりしたが、最後の最後で、それを上回る話が降ってきたせいで、ダンスパーティーの重みはどこへやら、といった感じだった。


 一度家へに帰ってから、近くの高級ホテルのレストランへ移動だ。シュウくんパパが予約してくれたのだという。部屋で着替えていたら、マリから電話がかかってきた。

「今日は、ずいぶん熱かったね、お2人さん、いつの間に、あんなに仲良くなったのさ。」

「あはは、今日はごめん、ちょっと忙しいから、あとで部室に行ったときにゆっくりその話はするよ。」

と言って電話を切った。後でマリにはすべて説明しよう。きっと、ものすごく驚くだろうな。 


 パパの運転で、高級ホテルに向かった。入り口には、黒塗りの高級車が何台も止まっていた。これに比べると、うちのミニバンはちゃちい、って当たり前か。

 ホテルのレストランへ向かうと、すでにシュウくんとシュウくんのご家族がいた。シュウくんのお父さんは、見たからに偉そうな、威厳のある人だ。とても、「シュウくんパパ」って感じではない。そしてここで、どんな話をするのかは、まだ予想できなかった。


続く


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