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Day 4.1 木曜日の放課後

その日の放課後……


 今日は、これ以上学校にいてもいいことが無いと思い、早めに家に帰った。校内は携帯禁止なので、校門を出たところで、スマホの電源を入れた。自転車から降りて家に入る。とりあえず今日は疲れたから自分の部屋で一休み、と思ったのもつかの間だった。スマホの画面をONにすると、SNSの緑色のアイコンの右上の数字が、なんと50件を超えていた。ふだん、まずこんなことはない。何だこりゃ!?

 中身を見たが、散々なものだった。中には、「私のシュウさまを取るなんて」なんてものまであった。いやいや、シュウくんはシュウくんであって、誰のものでもないから。妬み恨みの嵐だった。SNSの力はすごい、恐るべしインターネット。困った私は、マリに電話して状況を説明した。すると、マリはさも当然というかのごとく、

「そりゃそうなるでしょ、まあ、下手に変身してもこれ以上炎上するし、無視すればしたで、『既読無視』って言われるだろうから、思い切って、シュウくんに連絡して、2人で対応した方がいいと思う。1人で勝手なことをしても、シュウくんも困るだろうし。」

と、冷静なアドバイスをくれた。こういう時、マリはいいアドバイスをくれる。サンキュー、マリ。

 すごく緊張したけど、思い切ってシュウくんに電話をしてみることにした。小学校の卒業式の時、友達同士で携帯番号の交換をしたから、シュウくんは入ってるはず。電話帳を探す。スマホになってから、電話帳の登録は苗字と名前を別々に入力する欄があるため、ほとんどの人は本名で登録されている。しかし、『瀬野川修太』を探しても、出てこない。しかし、探しているうちに、当たり前のことに気が付いた。交換した当時、スマホを使っていたわけがない、当時使っていたのはガラケーだ。ってことは、「シュウくん」で調べれば、もしかして……。予想は的中、見つかった。電話をかけてみた。繋がった。鼓動が聞こえるが、深呼吸をしてから、今SNSで起きていることを説明した。すると、シュウくんは

「大丈夫、僕が何とかする、リゼちゃんは気にしないで。なんか、迷惑かけちゃったかな。ごめんね。」

「いや、そんなことない、うれしい。シュウくん、ありがとう。」

電話を切ったころには、目から涙がこぼれ落ちていた。これが、うれし涙、なのかな?


続く


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