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生産だって冒険だよね  作者: ネルシュ
大変!何でも作成団
56/236

5-5 大金

 ……錬金系の追加効果付き装備を忘れてたー!!!

 勿体ないなぁ。+2でまとめれば、1割くらいは成功率が上がっただろうに。

 ……くよくよしても仕方ない。飯食って風呂に入ったら再ダイブするか。




 ん?レベルが8か。かなり上がってるな。何でだ?

 経験値に関するログを確認すると、薬類の99個納品(初回)とかで結構な経験値が入っていた。70とか80にもあるから、(初回)が付くのは10個単位かな?生産でも結構経験値が稼げるな。……あ、これじゃあ初心者系薬剤の効果が激減じゃないか。orz

 レベル10になるまでには普通の回復薬とかのレシピを見つけないと効率が激減だぞ。


 おっ。かなりスキルがあがってる♪

 作っては“鑑定”をしていたから、とうとう【鑑定】が1上がって31になった。

 【水魔術】と【魔力増加】【魔力操作】、【詠唱短縮】に【生産者の指】も1上がった。これは作りまくったから当然かな。【料理】に【ダッシュ】も2上昇。思いの外、【ダッシュ】の伸びが良い。

 【薬剤】は3も上がった。今まで“錬金“でしか作ってなかった薬系を作ったからだろう。

 同様に、なんと、【錬金】が5もUP!1回しか作ってなかった物をかなり作りまくったからな。まだまだ100回作ったレシピはないから、経験値は獲得できる。ま、スキルレベルはそうそうあがらないだろうけど。

 スキルがあがったおかげで、装備を錬金セットに変えてもMPは5近くも上昇。成功率も4割近い。


 ひゃっはー。“簡易錬金”祭ふたたび!


 ……思わず、果実を干し果実に、キノコを干しキノコに、毒キノコを毒抜きキノコにしてしまいました。まる。

 毒抜きキノコも乾燥させれば、干しキノコになるかな?

 それにしても、乾燥とか毒抜きとか、レシピって言うには変だよなぁ。まあゲームだからで終わるんだけど。


 気がつけば、外が明るくなってきている。こっちでは6刻時こくじ、現実では23時だ。

 MPもないし、たまにはポム薬剤店に行ってから寝ますか。

 あそこなら営業してるし、俺の分の売上金ももらえる。もらった売上金の半分くらいで、使えそうな素材や珍しい素材を買い集めれば、今後の役に立つだろう。

 そうと決まれば。



「こんにちわー」

「いやぁ~良いところに来てくださいました」

「さよぅならぁ」


 にこやかに俺を出迎えたポポロさんがあまりに胡散臭く、その場できびすを返した。……が、捕まった。

 がっしりと掴まれた肩は振り払いにくい。


「えーっと」

「まあまあ。お願いがあるんですよ」


 振り返るときに、俺の首がギギギギっと、錆び付いた音を立てる。嫌な予感しかしないな。


「実は、これから生産ギルド設立に関する会議がありまして。皆様が是非ともギースト殿にお会いしたいと。

 祝福の冒険者ですから無理だと断っていたんですが、せっかくお越しくださったのですから、参加していただくわけにはいきませんか?」


 逃げたい。本当に逃げたい。

 俺が行く必要はないでしょうに。


「顔見せだけでもかまいません。どうも話し合いが長引いておりまして、建物はほぼできて、設備も揃いつつあるのに、組織がまだまだ動き始められないんですよ。

 このままじゃ、来巡らいしゅうどころか、今連こんげつ中に運営開始にできないんじゃないかと心配なんです」


 えーと。今が4がつにち。2巡目しゅうめ火曜灯かようびだ。おー。気がつけば、3がつじゃなくなってんだな。すっかり春か。

 で、設立の話があったのは……確か、先週の月曜か。一週間で24にち。ほぼ3しゅう前か。結構時間経過が早いな。3倍速に1にちが7時間だもんな。

 うーん。設立は、俺が切っ掛けって言えば切っ掛けだし、ポム店長には本当に世話になった。え?利益はそれ以上に渡してるけど、その分苦労もお願いしちゃってるし。

 他の職人さんもどんな人か気になるのは確かだし。

 もしかしたら、レシピや手解きなんかお願いできるかも……。


「それほど時間がかからないなら」

「誰もが仕事があるので2じかんほどですよ。

 押し付け合いは」


 後半が聞こえなかった。……不安だなぁ。


「場所は生産ギルドの2階会議室です。ギルドの入り口に誰かいるはずですが。良ければ案内しますよ?」

「ああ、場所はわかるから良いですよ」


 それじゃ。

 と断って外に行こうとしたけど、ポポロさんは俺の肩を放してくれない。

 代わりに、懐から重そうな音がする袋を取り出した。


「ここのところ売上げがスゴくてですね。

 手配した初心者回復薬などを引いても、100万Gを超えました」

「……端数はいりませんよ」

「そう言われると思って、ここには100万Gしかありません。残りは、生産ギルドの運営費に寄付しますか?」

「そうしてもらえると。今後の収入も同じようにしてもらって良いですよ」

「……そのうち、貴方の銅像か肖像画が飾られますよ?」


 冗談はよしこちゃん。

 ……目が、目が笑っていませんよ。


「このままの調子では、ギルド設立までにまだ200万Gくらいは利益が得られます。セックからの購入分も随時振り替えてますから、売上げは上がりこそすれ、下がりはしません。

 作る方も慣れてきましたから数も作れます。

 それに、この間の(大)のレシピのおかげで、同業者も引き込めました。協力的な店には随時教えてますから、どんどん増えますよ、利益。下手したら、倍率ドン。さらに、倍です。

 ギースト殿がその半分でも寄付したら、冗談抜きで肖像画が飾られるレベルです」


 なんでそのネタ知ってるのってのは突っ込んじゃ負けかね。

 えーっと……設立に2,000万Gだっけ?で、今俺は30万G+今回の端数(笑……えない)。これに、100万G以上、下手したら数百万が追加か。

 設立資金の1割を1個人が提供か。……それは肖像画レベルだね。他人なら。

 俺はなんとしても拒否したい。でも、そんな大金持ってたくないし。

 仕方なし。今の100万Gはもらっておこうか。とりあえず手持ちの金が欲しい冒険者ギルドで素材を買いまくれば現金を持たずに済むし。


「じゃあ、その100万Gは頂戴します。

 後のことは、後で相談でお願いします」

「わかりました。後でじっくりと相談させてください」


 お金を受け取ると、さらに引き留められる前に生産ギルド予定地へと逃げ出す。

 ……金は出すけど口は出さない。良いスポンサーだと思うんだけどな。

 他の出資者と同じじゃなくて良いから、善意の匿名者として処理してくれないかな。

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― 新着の感想 ―
VRMMOの物作り系のお話が好きなので、楽しく読ませていただいています。 読んでいて少し気になるのは、主人公が大金を受け取りたくない理由がよく分からないところですかね。 錬金で使う素材を買ったり、将来…
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