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生産だって冒険だよね  作者: ネルシュ
大変!何でも作成団
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5-1 帰宅

大変遅くなりました。

拙作をお待ちくださった方々には心からの感謝を。

 昨日は接続時間の警告がでるまで堪能した。って言っても、ただ作り続けていただけだけど、振り返ってみるととても楽しかった。

 今まではNPCとばかり絡んでたけど、プレーヤーの知り合いも増え、色んな冒険譚も聞けた。追加効果付きの装備も素材もたくさん手に入れた、はず。取引をトルークさんにまかせっきりで確認してないや。

 素材も見たことある物ばかりだけれど、小山になるくらいはある。これで“簡易錬金”し放題だ。

 何よりも、成果など気にせず、ただ作り続けた時間が、大変だったけど楽しかった。没頭するってあの状態だな。

 さて、祭りの後を片付けに行きますか。



『フィールドボス:ハイウルフリーダーが討伐されました。

 そのため、臨時メンテナンスを6月14日(火)11:00~18:00に行います。

 なお、今回から、メンテナンス中は訓練場を利用可能です。

 詳しくは公式HPをご覧ください。』


 ダイブした時に運営からのメッセージが。あ、ジーンたちかな?さすが!

 それにしても、アナウンスはそれだけか。ゲームというにはやっぱり不親切に感じるよな。

 ま、それは良いや。あとでジーンたちに戦いの様子を聞いてみよう。


 テントから出ると、広場は閑散としていた。残っているテントも少なく、そもそも人が激減している。つーか、今16刻時こくじ。これから夜に向かっていくんだから、電気のない世界じゃもう帰宅しないとまずい時刻だ。

 イベントが終わって、普通の陽炎迷宮になった洞窟の入り口には、話に聞いていた通りに衛兵が立っている。数名の冒険者が並んでいることを考えると、連続では入れないようになってるんだろう。

 トルークさんは……っといたいた。近くの素材置場(……たぶん、俺の)で何やら作業中だ。


「おはようございます」

「おう、やっと来たか。目ぼしい物はすでに運び終わったぞ。

 ……でも、この量じゃいくらなんでも一回じゃ無理だろう」


 パッと見、大袋にして50、他に残ったのを合わせると70袋くらいになりそうだな。どうしたものか。

 そうだ!


「持てるだけ持って帰りますよ。残りのは衛兵隊に寄贈……ってのはどうですか?」

「……そりゃありがたいが、良いのか?それなりの額になるぞ。

 交代要員に持って帰らせれば良いからこっちはかまわんが」

「あまり時間もないですし、何度も往復するのは正直面倒で。

 お手伝いをしていただいたお礼にもなりませんが、ご活用ください」

「……そう畏まるな。いつもどおりにしてほしいぞ」


 トルークさんのボヤキを笑ってごまかす。お礼は丁寧にしたいんだよね。親しき仲にも礼儀あり。


「それにしても大儲けだったな。街中の薬剤店も大忙しだったそうだ。困ったことに、こちらでは目玉が飛び出すほどの金額を付ける者もいたらしいな。

 お主らが大量に売り出してくれたおかげで、高騰は避けられたようだが」


 取り締まるのは面倒だから助かったと笑う。

 イベント初期のころは迷宮攻略を諦めて金儲けに走ったプレーヤーや結構いたみたいだ。最初は10倍とかすごい値段をつけてたから。価格競争が起こってそこそこの値段で落ち着いたけど。

 え?更なる下落の原因は俺ですか?そうですか。

 でもさ、材料費なんてわずかなもんだし、1.5倍~2倍の値がついて、半値で素材が手に入ったんだから、利益は3~4倍で売ったのと変わらんし。俺が売り始めたころは売値が2~3倍の値だったから、実質4~6倍でかなり高く感じてたんだよね。

 自分じゃ、他のプレーヤーのためにももうちょっと安くても良いかなって思ったんだけど。


「さあさ、あまり遅くなるとあれだ。持てるだけ持って、新居へと帰るがいい。

 使わねば勿体なかろう」


 そりゃそうですね。出勤まで後4刻ちょっとだから、早く帰って整理しますか。

 トルークさんと雑談をしながら、テントや簡易薬剤作成キットを仕舞い、残っていた素材のうち、使えるレシピがあるものを優先して持っていく。

 正直、どれを持ってっても同じくらい家で山になってるらしいから、日持ちしないもの――食材と植物系――をまずは選んだんだけどね。人様にあげるのに、足の速い物をあげるわけにゃいかんでしょ。

 アークへ着いたら馬車屋へお礼の挨拶くらいするか。落ち着いたら冒険者ギルドに顔を出して。魔法ギルドと図書館も楽しみだし、生産ギルドの建物も早く見たい。

 あ、そうそう。ジーン達におめでとうのメッセージも送らないと。

 うーん。やりたいことが多いな。今日も残業しなくて済むようにしないと。




 自宅よ!私は帰ってきた!

 ひさびさの帰宅に、テンションがあがりました。実際は一日ぶりどころか一灯いちにちぶりくらいの短さだけど、濃かったからなぁ。それに、大切な我が家ってのが改めて嬉しい。あー現実でも家が欲しくなりそうだ。

 作業所近くの庭はさまざまな素材が山になっていた。

 中に入れば一面に武器防具。調べてみると、追加効果付きの装備は鍛冶、石工、木工、皮革、薬剤、裁縫、細工、錬金、料理、農業の生産系?が+2で揃った。……農業や料理も生産だよね?

 魔法も火、風、水、土の4属性に回復、身体、付与と基本的なのは+2で集まった。他のスキル――ダッシュや解錠、気配察知など――は+1と+2が入り乱れてるけど、それなりにある。もちろん、生産も魔法も+1はゴロゴロしてる。

 素材はそれぞれ小山くらいはあるから、これで“簡易錬金”し放題だ。


 日が暮れる前にと馬車屋に行ったら、逆にお礼を言われた。遊ばせていた人員で予想外の収入が得られたんだからそりゃそうか。おかげで南の農業都市セックまでの辻馬車は早々に再開できそうとのこと。

 ……具体的には臨時メンテナンス後かね。

 後は時間まで鑑定しつつ初心者魔力薬でもつくるか。

この章も、最後まで連日投稿します。

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