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生産だって冒険だよね  作者: ネルシュ
探検ぼくのまち
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1-2 キャラ作成

『転生の間へようこそ。新たなる冒険者よ。

生まれ変わる姿はそれで良いのかね?』


 ローブで影になって顔が見えないが、向かいに立つのは筋骨逞しい青年。

 上半身裸にローブなんて変態にしか見えないが、設定ではこの世界の神のはず。

 そう思うと、神々しくもなくもない。

 顔立ちが西洋系なのはいわゆるファンタジーの王道だからかな。西洋系の割にはあまり濃すぎない顔なので好感が持てる。

 ハリのある声で問われると、視界にメニューが立ち上がり、簡素な服を着た自分の姿が映し出される。

 おー、ピポポポって似非近未来的効果音が欲しくなるほど精巧な立体映像だ。

 顔を動かして己自身を見ても、表示されているのと同じ簡素な服を着た自分自身がいる。

 正確には、VRゲームで使う用に作成した基本アバターだが、俺はほとんど現実通りに作ったので鏡を見るのと大差ない。

 勝手が違うと困るから身長はそのままで、少々筋肉質にしてあるアバターは俺の自信作。


 ま、3時間かけていじくりまくった結果、ほとんど手を入れないのが一番との結論になったんだけどね。

 作った後に、写真取り込み機能があることを知った時は泣いたけど。



 ただ、俺を見た知り合いが興をそがれるとまずいから髪と目の色を変えよう。

 これはスキルとかを設定した後でも変えられるみたいだ。

 せっかくだから目は青く、髪は薄い赤にしようか。

 うん。異世界っぽさが出てきた。

 この違和感があるけど違和感がないって度合いは、さすがだな。

 種族は変えずに無人族。所謂人間だ。魔法特化の妖人族や、性質特化のエルフなどの亜人、物理特化の獣人などと違い特化や固有能力は無いし、細種族――エルフやドワーフ、猫人や狼人など――もない。

 その代わり大抵のことができる。得意は無いが不得もない。ソロプレイにはこれがいいだろう。

 特化型で無双できるほどのプレイヤースキルは俺にないし。

 サブアカウントが作れるなら、獣人とかもやってみたいけどな。


 名前はトリス。錬金術師のトリスメギストスからだ。


【同じ名前があります】


 って駄目か。ギストいや、ギーストはっと……問題なさそうだ。

 じゃあ、俺はギーストだな。略称はギースかな。

 ここまでは簡単に終わった。こっから先は、おぼろげにしか知らないからちょっと時間がかかりそうだ。


『冒険者として世界の調和を助けてくれるギーストに、ささやかながら祝福を授けよう』


 視界のメニューがスキル表になった。分類は4つ。でも選べるのは3つだけ。

 剣術や盾などの武術系から木工などの生産系、魔法系に探知などの補助系とそれぞれに数がある。

 これが、成長に伴い倍以上に増えるってんだから検証組はかなり大変だな。

 武術にも興味はあるけど、無双できるほどのプレーヤースキルがあるとは思えない。ソロだから最終的には何か覚えないとだけど。

 戦闘系で魔法を使うならパーティープレーが基本だろう。ま、便利そうなのは取っても良いかな。でもこれも後回し。

 って、初めから生産以外を選ぶつもりはないけど。モノづくりのまったりプレイが俺の目標だからな。

 だって、物作り、それも武具やポーション作成なんてゲームじゃないと実現できないだろう?

 今取れるスキルは【木工】【薬剤】【石工】【鍛冶】【裁縫】【錬金】【皮革】か。補助に【体力増加】や【採取】【細工】とかもあるな。

 選べるのは3つだけだから……戦う鍛冶師や投擲ポーションなんかも面白いけど、ネタ特化はちょっとなぁ。

 汎用性を考えるとう~ん。

 生産は1つに抑えるとして、他のサポートはどれにするかな。

 ……よし決まった!俺の基本は【錬金】【採取】【鑑定】だ。

 生産スキルは【錬金】だけ。これは最初っから取ると決めていた。

 他は補助スキル。

 自分で材料を取ってきて錬金術を使うまったりプレイが俺の目標だ。

 ま、他に良さげなスキルが思いつかなかったから選んだんだけど。


 スキルを決めると、神がカップを差しだしてくる。普通のカップなのに、なぜか神々しく感じる。


『世界からの祝福を』


 差し出されたカップには透き通った水が入っている。

 飲もうとするとメニューが開いた。


【祝福を受けるとここまでの設定が確定され、ステータス割り振りへと移行します】


 迷わず【はい】を選ぶ。もう30分近くかかってる。これ以上考えても仕方ないし。

HP18

MP20

筋力9

体力9

知力11

敏捷力9

精神力10

器用力10

幸運力9

ボーナスポイント5


 意識を向けると各能力値を上下できる。全部下げると最低ラインがあるのがわかった。

HP10

MP12

筋力5

体力5

知力7

敏捷力5

精神力6

器用力6

幸運力5

ボーナスポイント33


 HPは体力の、MPは精神力の2倍だった。無人族は平均的な数字ってことだから、能力値の差はスキルが原因かな。

 推測で行くと、知力は鑑定と採取、精神力は錬金、器用力は採取か錬金が影響してるな。

 この辺りの検証は手間だけど、絶対キャラ再作成を繰り返して検証する人がでてくるよな。

 ま、攻略だけが楽しみ方じゃないってことだな。俺もそうだけど。


 HPMPは必須だし生産には器用さが必要。これははずせない。後は、何するにしても影響力がありそうな幸運力に突っ込むか。幸運を伸ばせるのってゲームならではだし。

HP20

MP22

筋力9

体力10

知力11

敏捷力9

精神力11

器用力11

幸運力11


『冒険者ギーストよ。そなたの進む先に幸いあらんことを』


 神の掲げた杖から穏やかな光があふれ、視界が白く染まった。

 さて、冒険の始まりだ。

キャラ設定って時間がかかりますよね。

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