4-1 野外料理
4章更新始めました。
5時間の仮眠をしてから、再ダイブ。
明日は月曜日だし、接続は朝4時間、昼4時間、夜4時間で計12時間の予定だ。
昨晩の結果は、スキルが色々上がっているけど、レベルアップはなし。死に戻りで失った経験値が痛い。
それはともかく、大量にある薬草を消費するために、初心者回復薬(中)を作りまくる。(中)なら色々使い道あるし。
作りながらお楽しみの時間。メニューを見て成長を確認するのだ!
おぅ、レシピが一気に増えた。
まだまだ作ってないのが多いな。作りまくれば、【錬金】レベル20まではすぐじゃね?
嬉しいのが、アーツ“まとめ鑑定”を覚えたこと。
袋ごとまとめてとか、範囲指定で鑑定ができるらしい。消費MPは物体数+2なので、従来よりも消費はでかい。ただ、かなりの時間の短縮になるね。
試しに、海の宝箱に入っていた物を鑑定すると、大量の古い真珠と水宝石。使い方はあとで考えるとしても、なんかすごいのが手に入った気がするよ。
それにしても、今の俺だとダンジョンは結構非効率的だよな。採取するにも敵に怯えながらだからなあ。万が一、死に戻ったらと思うとあれだし。レベルアップはいつでもできるから、今しか手に入らなそうな素材がほしいんだよな。
何とかして効率的に集められないかな?
考えながら作ってると、思いの他早く作れるな。200個に1刻か。余裕を見て1細刻で3個ってところか。俺も作るの早くなったな。【生産者の指】と慣れのおかげかな?
あっ。俺は広場で初心者回復薬や初心者魔力薬で金と素材が貰えたことを思い出した。
そうか、出張薬剤師として、向こうで作ればいいんじゃね?足りない草類は物々交換で。
【錬金】だと効率が悪いから、手作り最強説で。
そう考えて、離れにある薬剤作成キットをインベントリに入れる。
後は、財布の入った大袋に、念のため料理セットの大袋。作業風景を見られたくないからテントも持って。投擲武器系は置いていこう。少しでもインベントリ枠を空けないと。
レシピや【錬金】は秘密にしたいから、持つのは初心者回復薬(中)、初心者魔力薬(中)。初心者魔力薬(中)は175全部をインベントリへ。残った場所に入れるために後は薬草200と魔力草を100枚持てば良いか。袋は全部大袋で。金は1000Gも持てば十分かな。
よし!ダッシュで行こう。
「初心者回復薬(中)、初心者魔力薬(中)いりませんか?値段は回復が街売り額の5割増し、魔力が倍値です。
値段相当の素材やドロップで交換しますよ。ただ、ギルド買値で計算させてもらいますが」
広場で休むパーティーに声をかけると大抵は購入してくれた。
おかげで一人5個までの購入制限をかけたくらいだ。
「その倍出すからもっと売ってくれよ」
「申し訳ない。他のパーティーもいますんで」
料金は、転売者もそこそこの利益が得られるように設定。
これがスタンダードになっても、他プレイヤーに損はさせないだろ。
良心的な値段だと評判になり、在庫は30細刻も持たなかった。
テントを張ってすぐに作成に移る。
聞いて廻っている間に噂が流れたのか、テントの中で作り始めたとたん、素材を持ったお客様がやってくるようになった。取引画面に基準価格を表示・計算できるオプションが付いてて助かった。手計算じゃやってらんないぞ。
それにしても数が多いな。邪魔にならないような小さな素材は無理にインベントリに入れるんじゃなくて、まとめてからにしよう。それまでは、地面に直置きにするかな。
……瓶の持ち込みに限定したのに、作るそばから売れていくからそろそろ薬草も魔力草もなくなりそうだ。
持ってきた素材も終了し、インベントリどころか、素材代わりに貰ったリュック(プレイヤー作)も一杯になってしまった。
それどころか、テントの中は足の踏み場もないくらいに素材が積まれている。途中からお金にしてもらったのに、これだ。
……どうしよう。持って帰れねぇぞ、これ。
「もう終了かい?素材は沢山あるんだが」
そう声をかけてきたのは、前会ったブレッドだった。確か、『から~ず』の親切な斥候だったはず。
「あ、昨灯ぶり」
「昨灯ぶり」
「でもごめんよ。インベントリも一杯なんだ。つーか、持ち帰れなくて困ってるレベル」
「金ならどうだい?」
「既に物がないし。
生産職だから金より素材なんだけど、持ちきれないから困るよ。
腹減ったし、ダッシュで街まで行って仕入れてくるから、2刻もすれば戻ってこれるよ」
ブレッドは肩をすくめた。
「腹減っただけなら料理すれば何とかなるけど、インベントリはどうにもならないよね」
あ、その手があったか!
「そうか、料理か。たき火して鍋にすればインベントリに余裕ができるな」
貰った魚や野菜をどうしようかと思ってたんだ。それに、大量の木材を木片にできるし、荷物圧縮には失敗前提の【錬金】もありだ。
鍋はこの間購入したセットに入っていたはず。
「石が10もあれば竈ができるよ。作ろうか?」
それくらいなら、すぐに拾えるぞ。
「お願いできる?そうすれば、貰った素材で料理を作るから」
「いつもはたき火で焼くぐらいしかしないから助かるよ。欲しがる人もいるんじゃないかな?」
塩もあるし、食用キノコも野菜もある。ホントは醤油か味噌がほしいけどね。
じゃあ、浜鍋ならぬダンジョン鍋だ!主食は魚と肉の塩焼きだけど。
「ほい。できた。火も付けといたから」
ちゃちゃっと竈を作ってくれたな、ブレッド。
聞くと、リアルでキャンプとかが大好きらしい。作り方を聞きながら、薪代わりの木片(中)を入れる。
木片(中)は木材からできた物だ。
木材は値段が高いけど袋には少ししか入らないちょっと困った素材だと思っていた。
しかし、“簡易錬金”で木片化すると、木片(微)~(大)ができた。レシピは1つなので、たぶんランダム。 まあいくら【錬金】でも、大きな木材から小さな木片1つしかできないんじゃクレームがすごいからだろうな。
どれかにはひっかかることが多いから、成功率は他の素材に比べると4倍近い。
途中でMPが枯渇しそうだったので、貰った素材に紛れていた魔力草10を(中)に変えて飲みながら木片化する。
木も食材も今回の料理で全部使おうか。
本日の料理は、焼き魚20、コッコステーキ5、目玉焼き5、ウサギステーキ5、焼きキノコ60、後は残った野菜と肉、魚、キノコ(干し2、食用20、毒抜きキノコ16)で作った鍋20(卵とじ)。鍋類を貸してくれた休憩中の冒険者には感謝しかない。
デザートは、果実50と、干し果実16。
……うん。作りすぎました。
こりゃ、他の人も誘うか。
「ブレッド。知り合いがいたら呼んでくれ。こりゃ食い切れない」
「……そうだな」
う~ん。100人分くらいは賄えそうだな。