表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生産だって冒険だよね  作者: ネルシュ
13章素晴らしき世界
227/236

14-13

 さて。

 今回の参加が、このイベント最後の参加になりそうだな。時計で時間を確認して、少しばかり寂しく思う。

 供給元の思惑とは違うかもしれないけれど、作成時間がいくらあっても足りない生産職にとって、今回の体感間時間さらに7倍イベントは、当初の広場から出なければ夜襲までなら一切接敵しないこともあって、神イベント扱いだった。俺だって、ミル達やグリフ達との参加時間中でどれだけレベルが上がったかわからん。

 短時間のソロ参加2回目を挟み、本日最後で、週末最後でもある参加がこれから企画されている。まあ、『名無し』に以前のお礼も兼ねて、時間が空いてるならどう?って声かけただけなんだが。

 クロとシロは参加してくれるってことだから、魔力草をはじめとした各種薬草と、レベル上げしたいスキル用の素材を大量に持ち込もう。二人のために、魔力草は多めに。

 いやぁ~こうやっていろんな人と参加するようになると、俺も交流してるなって、MMOだなって気になるが……わかってる。ただの気のせいだろう。第一陣の割には付き合いのあるプレイヤーが少ないのは理解している。でも、ほら。やりたいことが明確で、しかも、それがソロでさほど問題なくできるなら、付き合いは狭くなるだろ?リアルだってそうじゃん。


「相変わらず、ギースト殿は百面相であるな」

「本当に、持ち込みアイテムは素材で良いんですか?しかも、全部そちらで用意って」

「逆に、必要な物はないんですか?せっかくの機会だからスキルとかのレベルアップしましょうよ」

「我らは魔力回復薬が潤沢にあれば特に問題ないのである」

「生産も戦闘も二の次でやってますからね」

「まあ、他のメンバーへの気遣いは……まあ、不要だな。美味い飯があれば問題あるまい。ちなみに、最近我はギルド近くの串焼き屋を贔屓にしている」

「ダメージらしいダメージ受けてるシーン、ここのところ見てませんし、ほとんどのスキルが戦闘系だからレベルアップさせるための素材も不要ですし」

「まあ、我の【言語】を育成するために最近は模写をしておる。書き写すための一式は余裕をもって用意してあるがな」

「ミラの【罠設置】などは、現地の地形を利用して、そこにあるもので作ると良い経験値になるので、そちらも不要なんですよ。念のためにロープやらの素材は持ち込みますが、それほどかさばりません。空いたスペースにギーストさん用の素材を詰め込んでも何の問題もないんですよ」

「なら、お言葉に甘えて」


 今回は、『名無し』の面々もスキルアップに専念するそうだ。なので、単純に敵を倒すのではなく、わざと集めて多対一にしたり、スキルを切って試してみるんだとか。

 スキルを切る?そんなことができるのかと思ったら、スキルによるオートアシストを要らないって強く念じるだけで特定のスキルを切ることができるそうな。ちなみに、メニュー画面を使っても可能。

 そうでもなければ、先にスキルを取った場合、技術が覚えられないでしょう?そう言われて、腑に落ちた。スキルを外せるためには、少なくともスキルと技術がなくちゃいけないってのは聞いてる。つまりは、先にスキルを覚えたヤツが技術を覚えることができないとダメなわけだ。そりゃ、効果を切ることができなくちゃ話にならない。

 ……ちなみに、結構初期からその機能は知られていたらしい。あまり使われてなかったそうだけど。


「相変わらずであるな。ネット上で情報を調べない質とは言え、もう少し他のプレイヤーと交流していれば普通に知っているであろうに」

「そこがギーストさんの良い所でしょう。

 我が道を行くのは私達も同じですし」

「……それについては、反論できぬな。これほどまでに集まることがないチームも珍しかろう

 さて、三人は来ているかな?」

「あ、ミラとジンはいますね」

「お疲れー。これで揃ったわね」

「久々だなギースト。今回、木が必要ならいくらでも言ってくれ。新しいアーツも試したいからな、いくらでも伐るぞ」

「……」

「三人とも、久しぶり」


 大柄な『両断』ジンの陰に隠れて見えなかったが、『名無し』リーダーの『廃神様』ジーンもいた。三人とも、以前とは装備が違っている。どこにでも売ってそうな革鎧に身を包んでいた姿が記憶にあるが、今回は、ところどころ金属っぽいのや鱗っぽいのが使われていた

 大柄なジンは金属多め。重そうだけど、持ってる斧自体がでかいからなぁ。重さに振り回されないためにも、本体にもある程度の重量が必要らしい。

 動き回ることが多いジーンは重要部分だけ金属で守り、ところどころに鱗を付けた革鎧。ミラは心臓などの重要部分だけに鱗を付けていた。


「今回のイベントに向けて鎧を新調したんだが、正直ほとんど使ってないんだ。これなら、斧を新しくすべきだったな」

「まあまあ。これが終わったら十二分に活躍してくれるわよ。武器はどうしても消耗品だから、また次回、新しくしましょ。

 あ、ギースト聞いて聞いて。この鱗、なんの鱗だと思う?」

「鱗があるモンスターっていうとドラゴンが思いつくけど、そんなんまだ手に入らないだろうから……リザード系かな?スケイルリザードなんてのがいたら、そんな大きさの鱗を持ってそうだよね。

 あとは……大穴として、魚とか?」

「うーん、良いとこついてる。実はこれ、ポイントスケイルバッファローって牛系のモンスターなのよね。この間、みんなで狩りに行ったとき、数匹良い感じに倒せたから、気合を入れて解体したわ」

「テツエンはさすが商都と呼ばれるだけのことはあるのである。名人と呼ばれる者が何人もいたである」

「普通だと鱗は鱗、皮は皮で使うんですが、それだと強さもそこそこなんですよね。でも、上手に処理すると一体的に鎧にできるんですよ。どうやっているのかは全くわかりませんし、教えてもらえませんでしたが、まあ、かかったお金以上の価値がありますね」

「そりゃ、活躍してもらえそうだな。さ、行こうぜ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ