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生産だって冒険だよね  作者: ネルシュ
13章素晴らしき世界
204/236

13-14

「いやぁ~大量だったね。最初の時もそうだけど、見たことない敵ばっかで。このドロップが持って帰れないのが残念」

「探している時間がそれなりにかかったから、そこまで倒してないけどね」

「そりゃゴブリンと比べたら少ないけどさ。あ、ギースト。使えるんなら使って。スキルレベル上げになるでしょ。

 ミルもね。ゴブリンが落としたこん棒と組み合わせれば【木工】でもなんとかなるんじゃない?」

「みんなは?」

「ここで作業できるような生産系は持ってないわ。次来るときは針でも持ってきましょ」


 蜘蛛の糸を持ちながらソフィーが言う。ちょっとした刺繍や、小さな穴をあける道具を持ってくれば昆虫の奇麗な羽などを組み合わせた作品が作れるらしい。普通なら雑貨として販売することで小銭稼ぎができるんだけど、ここだとポイントになる。素材よりもポイントアップになることが多いので、問題ないらしい。だから、ゴブリン系のドロップで肥料でも作れば良いって言ってたのね。

 しびれ薬とかの薬剤系はできるけど、ドロップだと活用できるのは加工できる皮くらいかな?カマキリの鎌とか爪系なんかは武器に使えそうなんだけど、【鍛冶】でなんとかなるのか?小さいものは【細工】?あー、持ち帰りたいなぁ。イベント終わったら街で手に入らないかな?

 炉とかあれば、ゴブリンが落としたぼろい武器防具もインゴットにできるんだろうけど、今の状況じゃあねぇ。持ち運び用の簡易炉なんてそうそう手に入らんだろうし。かといって、スキルで取りたいとも思わん。外れるとはいえ……いや、それもありか?


「……なあ、スキルって既に技術で持っている場合は取っても意味あるのか?逆にデメリットとかあるか?」

「意味はあるよ。スキルアーツが使えるじゃん。もちろん、スキル付けてる時しかダメだし、スキルレベルに縛られるからあれだけど、普通じゃできないこともできるから便利だよ。技術であるなら必要ないときは外せばいいだけだし。

 それに、スキルで作ったことがあると技術でも成功しやすいって聞くよ」

「デメリットは、技術の方が良い物ができるし、工夫もしやすいので、結局こだわる人には向かないですね。あと、こまめに変えるとなると付け外しが面倒ですかね」

「あ、スキルポイントはどちらかでしか貯まりませんよ、師匠。それと、スキル補正が結構あるみたいです」

「スキル補正?あれか?スキルを持っていると技術で作りやすくなるのか?」

「あーっと。ちょっと違います。

 私の【木工】だと、斧を使った【伐採】の効果が高くなります。具体的には、ほんのちょっと品質が上がります。それと、斧での攻撃もほんの少しプラスです。

 たぶん、ハンマーでも似た効果があると思います」

「ほほう。スキルに関連した動きにボーナスが付く感じか。技術と違ってオリジナルが作り辛い分、そんなところでバランスを取ってるんだな。

 そう考えると、あっても悪くないな」

「スキルと技術の両方を伸ばそうとすると時間がかかりますけどね」

「それもあるか~。ありがと。考えてみるわ」


 技術でもスキルでも進化させたり、派生させたりにはスキルポイントがかかる。だから、技術と同じようにスキルを成長させるなら、いずれポイントが足らなくなる。そこも問題とのこと。まあ、それでも技術と同じスキルを持っている人が大半だとか。

 正確には、スキルと同じ技術を持つ、なんだが。スキルが主で、技術はスキルを外して付け替える用ってことのようだ。一部の生産特化の方々とか、剣をこよなく愛する方とか、なんと言うか、まあ特殊な方々が技術をメインに、規格品の大量生産などのためにスキルを取っているそうな。

 ん?ああ、スキルなんてどうでも良いってプレイヤーも一部にはいるし、あまり気にしていない、俺タイプも結構いるとのこと。普通じゃ覚えられないことをスキルで取って、普通に覚えられることは技術ってのが理想だと思うんだけどなぁ。

 てなことを言いながらも、ドロップアイテムや持ち物の整理は進む。他のメンバーがアンデッド対策用のアイテム振り分けに悩んでいる時間には、ちゃちゃっと追加で魔力回復薬を作成できるくらいには余裕がある。ま、俺はある程度の回復系アイテムを持って行くだけだし。


「おーい。そんなに悩んだって、使えるアイテムはほとんどないだろ?アマの“ブレス”が必要なんだから魔力回復薬と念のための回復薬に抗毒薬。疫病対策は現状どうにもならないし、そこまでのが出てくるとも思えないし。聖水だのアンデッド特攻装備はそもそもないから、ドロップ用にインベントリ空けたら行こうよ」

「……大丈夫だと思うんだけど、念のため、予備の装備を着ていこうかな?ほら、臭いが」

「それなら、こっちのこん棒も。エキスが付いたらやだもん」

「私が“浄化”を使えればよかったのですが」

「そこへ至るための今回だもん。がんばろ!」

「“ブレス”があれば、アンデッドには割増しでダメージがいきますからね。今回より次回、次回よりその次って簡単になりますよ。頑張ってスキルレベル上げます!」


 臭いかぁ。盲点だったな。でも、地面に撒かれた血だって倒しきると消えるんだから、大丈夫だと思うけど。念のため、往路ではハーブ系を採取しましょう。“鑑定”すればわかるだろ。

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