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生産だって冒険だよね  作者: ネルシュ
いい加減街から出よう?
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9-3 雑談

「暇だったのである。それと、明日の打ち合わせをするである。

 前は、当分セックには行かないってことだったが、何かあったであるか?」

「あ、そういうことか。いや別に何もないさ。ただ、最近【皮革】にも手を出し始めたんで、牧畜をしているところまで行ってみようかなって」

「そうであるか。スキル枠が欲しくなったのかと思ったのである」

「スキル枠?セックと何か関係があるのか?」

「……セックに行くこと。それで枠が1つ解放されるである。公式にも載っている情報であるぞ。

 まだセックに行ってないギーストのスキル枠は多くても9のはずである」


 そういや、そんなこともあったっけ。【錬金】以外のスキルなんて意識して使ってないから忘れてた。今は……おや?既に9枠で、【鑑定】【錬金】【水魔術】【採取】【言語】【魔力増加】【魔力操作】で2枠余りか。ログを見れば、最近は依頼の大量達成で枠を獲得したんだな。

 今のところ、現実でできることは技術で獲得してるから、俺の中では特に問題になってないんだよな。みんなの話を聞いていると、入れ替えができないって問題があるから急いでとる必要性も感じないし。変な仕様だな。……いや、後発組が得するんだから、バランス調整の面ではアリ、か。その分、ミスったユーザーからの突き上げは厳しいだろうけど。

 ま、俺には関係ないな。


「そういや、そんなのもあったな。今のところスキルよりも技術の方が面白いから忘れてたよ」

「……技術の方が色々工夫できるが、面白いとまで言うプレイヤーは少数である。何せ、面倒であるから。

 まあ、かく言う我もその部類に入りそうだが」


 思いのほか、【言語】を成長させるのにはまったらしい。なんと、スキルレベルが40になり、発展先として、【解析】や【魔言語】、【暗号】がでてきたとのこと。うーん。通常の成長先は【解析】なのかな?よくわからんぞ。まだ成長先を迷っているので、お預け状態だとか。

 お互いの近況を説明しつつ、情報交換をしているとなかなか勉強になる。色々と忘れているだけだって?ごもっともです。


「お。全部出そろったである」

「何が?」

「ああ、明日の参加者である。ふーむ……ギーストには申し訳ないが、ちょっと戦闘でも協力してもらうかもしれないである。

 残念ながら、『両断』が不参加である。ま、『目抜き』『廃神』『戦乙女』に我がいるから火力は問題ないと思うが、タンクがいないのが心配ではあるなぁ」

「シロも参加してくれるんだろ?それなら、即死しなけりゃ大丈夫じゃないのか?」

「……さすがに、それは無茶である。

 まあ、死なない程度に逃げ回っていてくれれば大丈夫ではあるが。ミラが基本そばにいるである」


 弓を使って遊撃を担当する『目抜き』のミラは前線には出ずに後方からの攻撃になるから、守られるべき依頼者(俺)のそばってのは間違ってないな。護衛だから守られるとかじゃなくて、そもそも俺は戦闘要員になってない。トラウマチックなことは事前に話してあるから。何せ、相手が相手だ。自分のことだけど、どう考えても使い物にはなりそうもない。

 男としてのプライドがないわけじゃないけど、そんなことよりも結果がほしい。セックに行って、いろんな素材を手に入れたいのだ。ちゃんと処理した皮と自分でやったやつの違いも分かるといいな。本を読んだ限りではそんなに間違ってないとは思うんだが、成果品の質からすると結構差があるんだ。


「そりゃ助かる。何せ、レベルが上がったとはいえ、戦闘には自信がない。特にウルフ系なら敗北一直線だな。最初の戦闘がトラウマレベルできつかった。正直、まともに戦える自信がない」

「嫌な自覚である。……辞めようとは思わないのであるか?」

「このゲームか?

 そうだな。特に考えもしなかったな。別に戦いメインでやってるわけじゃなし。別に、ウルフと戦わなくたって、楽しめるだろ?そんなに了見の狭いゲームじゃないはずだ。

 それに、ほかのゲームだって、ミニゲームばかりやりこんでるような人間だって多いだろ」

「そう言われると、その通りとしか答えようがないである。

 ……本当は、恩返しがてら苦手意識を克服する手伝いができればいいのであるが……」

「ま、そこは追々。慣れるしかないのはわかってるから。今回のイベントでだいぶ落ち着いたし」


 戦いが本職じゃないから、別に守られることにはこだわりもなければ、強敵に挑みたいとも思わない。

 何せ、ハイウルフって、通常のよりもいかつく、大型なんだろ?そんなのはお断りだ。


「通常の護衛だと、1パーティーと依頼者になるので、パーティーを分けるのである。そうするとウルフ系は分断しようとするので、動きが予測しやすく倒しやすいのである」

「ははぁ。すげぇな。そんなことまでわかってるんだ。

 狙いがわかってれば対処しやすいな」

「だから、セックへ初めて行くプレイヤーの護衛は、基本フルパーティー以上の7、8人が付くのである」

「良い値段しそうだな。それだけ必要なら」

「ボスと戦えるから、運が良ければレアドロップも手に入るし、経験値もなかなか。何よりも、戦闘訓練にはもってこいである。供給過多なので最低ラインはあるものの、安くはなるである」

「そういや、一人1,000Gって話だっけ?追加効果付きの装備を買うよりも安いか」

「スキル枠が増えたほうが価値が高いである。だから、新人はこぞってお金を貯めてセックへ行ってるである。

 そうでなければ、もっと街が混んでるである」


 あんまり外に出ないもんで。申し訳ない。

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