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生産だって冒険だよね  作者: ネルシュ
アタックナンバーワン?
109/236

8-1 ダンジョンアタック

更新です。まだ8章は書きあがっていませんが、いつも通り毎日更新で章終わりまで連載予定です。

なお、毎度のごとく、タイトルは適当です

 弟子との関係は、正直手探りである。つーか、社会人にもなると、高校生なんかと顔を合わせることなんてほぼないので、どう接していいのやら。ましてや、異性ともなれば。

 まあ、難しいことを考えずにゲームをしたいので、単なる師匠と弟子、というか、ただの協力者かな。そもそも教えられることなんてほとんどないし。場所と素材を提供するパトロン的な?関係かも。

 まあ、サロには世話になったし、それくらいなら問題ない。話した範囲じゃ、素直ないい子みたいだし。

 なるようになるだろう。お世話になったサロの頼みだ。できることはしてやろう。


 んで、夜が明けて土曜日。朝の日課である生産活動。せっかくなので、【木工】と【細工】を中心に。

 昨晩作った台に模様をつけたり、新しい台を作ったり。飽きたらきれいに磨いて、ニスを……って、ニスはなかったな。うーん。こういったときに使えそうな草木があるかな?モンスタードロップではなさそうなんだけど。いや?森フィールドでこの先出てくるような敵からドロップするかも。それなら、セバンスに聞いてみてもいいか。

 たぶん、今日明日は彼女も来ない。記念イベントについて友達との約束があるようだし、接続には時間制限があるからな。その代り、平日の朝は来るようなことを言っていたけど。あまり頻繁でもこっちの迷惑になるだろうからと遠慮しているらしい。実際の家ならともかく、こっちならそんなに気にする必要ないのに。

 なんだったら、この作業小屋にログインしてくれば、とも思ったが、それは言ってない。もう少し、人となりを確認してからだな。

 今週末のイベントはダンジョンアタック。昨日の時点では名称以外は謎だったけど、そろそろ現実では8時。一度ログアウトしようか。10時には始まるだろうし。


 改めて食事やら何やらをして、再度ダイブイン。インベントリの中を整理しながら、作業小屋も整理。ミル・クレープがいつ来ても良いように、簡単な台を置いた作業スペースを確保しておく。

 うーん。急にイベントスペースに強制移動されるような部類じゃないだろうから、そこまでインベントリを戦闘用に整理する必要もないし。そもそも、戦闘メインなら参加するつもりもあんまりなぁ。

 ……そうだ!酒場で情報収集!いかにも冒険者っぽいからやりだかったんだよね。やっぱ現実感のあるVRなら、ネット掲示板じゃなくて酒場や街の人だよな。……最初はそうしてたけど、最近はセバンスに頼りきりだったし。

 ゲームイベントのことなら、酒場でプレイヤーの噂話を集めるのが筋だろう。それか、冒険者ギルド。小一時間もそこにいれば、なんとなくわかるはず。攻略を気にしなければ、こんなやりかたが一番楽しい。参加している気分になれるし、現実に冒険している感じがするしな。

 そう決めると、さっそくに準備だ。


 意気揚々と準備をし、冒険者ギルドへ。酒場?場所を覚えてねぇよ。時間がもったいないから、ギルドで聞こう。

 さすがに土曜日。道中も人でいっぱい。生産ギルドもちょっと覗いたけど、そっちもかなりの人数がいた。あれじゃあ、入る気にはなれない。

 生産ギルドに比べるともっと混んでる冒険者ギルドだが、入るだけではなく出ていく人数もけた違い。依頼を受けて街の外にでも出るつもりなんだろう。グループでいなくなるから、空くときは空く。ま、その程度の空きスペースなんか一瞬で埋まるんだが。

 それでもなんとか隙間を見つけて中に入り、食事スペースの空いてる席に収まる。……視界の端に何か見覚えのある……あ、ガーディ達か。ボディーガードは良いのに。


 勉強がてら席代としておすすめ定食と飲み物に薬草茶を注文。来たのはコッコ焼きと、これは、緑茶?ちょっと苦味が強いけど、飲みなれた味と言えなくもない。こいつは嬉しいな。

 周りを見ると、お茶を飲んでまったりとしている人も結構いる。もしかしなくてもプレイヤーだろうな。薬草茶でまったりする理由がわからんし。

 食事を待つ間、食べてる間に聞こえてくる周りの会話は、ただそれだけで十分な情報源となる。

 今回は、前回のような式典があるわけでもなく、ひっそりと始まったようだ。公式ページをきちんと確認すれば良いんだろうけ

「何だお前、メール確認してないのかよ」

「フレメッセは見るけど、公式はなぁ」

「イベント前くらいは見ろよ。載ってるぜ」

「あ、ほんとだ。えーと」

「色々書いてあるけど、まとめりゃ、難易度分けしたダンジョンに挑戦して、成績上位を表彰ってこった」

「げぇー。二陣の俺らじゃ無理ジャン」

「だから読めって。ただのタイムアタックじゃねぇぞ。行動評価によるポイント制。

 難易度によっては、低レベルボーナスとかペナがあるんだよ」

「あ、採取度やマップ埋め度とかいろんな評価があるって載ってる」

「掲示板でもいろいろ出てるぞ」

 うんほら。必要な情報がすぐに集まった。ご都合主義っぽく感じるけど、さすがに今やってるイベントだ。そこかしこで同じような会話が繰り広げられている。あとは、実際参加した感想とか。

 つーか、ダンジョンも最初は隠されてるんじゃ……そうですか。前回と同じ場所ですか。ちょっとしたクエストがあったけど、それを超えれば誰でも使えるようになったと。


 うーん。聞いてる限りじゃ、生産系で活躍できるのは採取伐採系統だけかな?獲得品を鑑定することでポイントが変わる可能性はあるけど、検証できないだろうし。まあ、パーティー参加推奨なイベントか。これなら別に参加しなくていいか。

 かなりの人数がダンジョン入口で商売しているみたいだし、そっちもパス。この週末は、スキルレベルを上げることにしよう。向こうはスキルで俺は技術だからすぐに超えられるとはいえ、最初っから弟子よりもレベルが低いのはな。

 生産素材が安く大量に流通するのは助かるから、時にはこういったイベントもありがたいけど、生産オンリー系のプレイヤーでも楽しめて参加できると良いんだけど。

 倒すのにアイテムが必要系な敵が出てくるとか。持ち込み禁止の転移系イベントとか。まあ、そっちはこの先人数が増えてからか。第二陣の導入だって急きょなんだし、イベントなんて間に合わないよな。

 戦いが嫌なのは自覚したけど、それの克服は追々。今急いでやらなきゃってほどのイベントだとは思わない。今は【木工】の練習が先かな。まあ、一人だから言えることだけど。

 そんなことを考えながら、聞くとはなしに周囲の会話から情報を集めていると声をかけられた。


「やあ、久しぶり。ここいいかい」

活動報告でも書きましたが、モーニングスター大賞の2次突破しました。

これもひとえに、読んでくださる皆様のおかげです。

更新ペースは遅いですが、書き続けていきたいと思います。

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