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生産だって冒険だよね  作者: ネルシュ
探検ぼくのまち
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1-8 冒険者ギルド

1月31日修正

「そうそう、ついでに紙束2つととペン1つをいただけますか?」

「はい。少々お待ちください」


 司書さんが用意しているうちに、メニューからスキル設定を呼び出す。もちろん、【言語】を取得だ。これで残りSPは1。

 さっきまで読めなかった初心者テキストをみると、基本文字は基本文字としか表示されないが、単語は日本語表記が浮かんでくる。街、食事、魔物、水。それぞれに関連性はないが、必ず知っておくべき単語が並んでいた。


「12Gですね」


 そう言われて、紙束やペンと12Gを引き替える。

 急にためらいもなくページをめくりだした俺を見て、司書さんが軽く目を見開いた。


「もしかして、祝福の冒険者様ですか?」

「あ、そうです。今読めるようにしてみました。やっぱり読めると便利ですね」

「そうでしたか。噂によると、祝福の冒険者様は言語スキルと呼ぶそうですね。最初の頃は難しい本は読めないそうですが、慣れてくると魔法書ですら読めるようになるとか。

 あ、そうだ」


 急に紙束を取り出して何か書き始めた。

 おーい。置いてけぼりは止めてくれ。

 ……うん。そんなことは言わないよ。集中している美人さんを眺める良い機会だもの。

 わかってくれよ。ゲームとはいえ、美人とこの距離で会うことなんてそうないんだよ。司書さんはどう見ても人間としか思えない完成度だし。


「お待たせしました。こちらをどうぞ。

 読んでいただければわかりますが、こちらにはこの街の基本情報が書かれています。お店や屋台の営業時間や裏面は先ほどした図書館の注意事項とかですね。

 こっちにはペルさんが紹介したであろうお店と人を書いておきました」

「よろしいんですか?そこまでしていただいても」

「ええ。先ほどふざけたお詫びだと思ってください」


 書いてくれたメモを見ると、人物名の中に司書ユーキとあった。あ、そうだ。ユーキさんだ。


「ありがとうございます、ユーキさん」


 心遣いが嬉しくて、つい深々と頭を下げてしまった。


「ペルさんがここを紹介するなんて、そうそうありませんから。

 これからもよろしくお願いしますね」


 図書館利用のことだろうけど、美人からそう言われるとなんかこそばゆいね。


「ではまた改めてお邪魔します」


 次は日の高い内に来よう。錬金用の初心者本は読んでおきたいし、薬草大全や魔物大全の類いは読んで損はないだろうから。



【英雄歴263年春3月6日16:01(6月4日19:40)】

 三十分ほどいたんだな。外はまだ明るいや。

 日没まで2時間ないってことだから、そろそろ日が暮れるだろうけど。

 そうだ。混む前に冒険者ギルドで登録するか。明日にしようと思っていたけど、まだログアウトまでに余裕がある。明日は図書館に籠もりたいし、空き時間を有効に使おう。

 スキルがないから魔法ギルドは駄目だろうけど、冒険者ギルドなら大丈夫だろう。空いた時間でどんな依頼があるかチェックしよう。

 無駄にはならないだろう。

 あ、その前にっと。

 ユーキ司書さんが書き込んだ紙に、トルーク小隊長の名前と露天(9時~18時)や屋台(9時~20時)もメモしてから収納する。

 いやーこんなに便利だと、現実に戻ったときがつらそうだな。

 さて、冒険者ギルドへしゅっぱーつ。



 冒険者ギルドのある噴水広場はまだまだ人が少なかった。

 今頃、狩り場から街へと戻りはじめた頃かな。まだ夜を外で過ごすプレーヤーは少ないんじゃないかな。

 建物に入ると、一階には食事処と総合案内に報告所が。二階は依頼受付、相談と貸し会議室。

 看板の文字が読めるって素晴らしい!

 冒険を早めに切り上げたのか、すでに飲み始めている3人組がいるだけで、ちょっと閑散としている。

 早速に登録しよう。


「冒険者登録をしたいんですが」

「初期登録は10G、再発行は100Gかかりますのでご注意ください。準備しますので少々お待ちください」


 総合案内に声をかけると、受付嬢がそう言ってしゃがみ込んだ。


「おぅルーキーかい」


 後ろから声がかかったが、振り向く前に受付嬢が立ち上がった。悪いことしたな。


「お待たせしました」


 そう言って出してきたのは頭に水晶が組み込まれた小さな箱と腕輪。

 その横に、今取り出した10Gを置く。


「こちらの腕輪に血液を……はい大丈夫です。

 ではこちらの水晶に手を載せてください」


 針でちょっと指を突いて血を出す。嬉しいことに痛みはない。痛覚軽減でもされてるのかな。いや、不快な感覚全てか。ゲームでよかった。

 血を垂らした腕輪を箱に収めたら、受付嬢から言われるままに水晶に手を載せる。


「では確認のためにお名前をどうぞ」

「ギーストです」

「はいギースト様ですね。こちらには名前の他にも称号やスキルが、うーん。戦闘系がありませんが、大丈夫ですか?非戦闘系ばかりですと報酬も安く、あまり上までいけませんよ?」


 あちら側に表示されて俺のスキルを読んだのか、受付嬢から忠告をいただきました。

 まあ、ここは冒険者ギルドだもんな。


「おいおい。生産職なんて止めておけ。すぐに行き詰るぜ。今からキャラを作り直した方がよっぽど良いぜ」


 さすがの俺でもカチンとくる。ゲームの中で位、好きにさせろよ。俺はモノづくりがしたいんだ!

 こんな奴らに対応するのも馬鹿らしい。


「このままでは登録できませんか?」


 他の人に聞かれるほどの声の大きさだったことに気付いて、自分の口を押さえている受付嬢に聞いてみたが、キョロキョロと目を動かしているだけで動こうとしない。

 こりゃパニクってるな、この娘。対応してくれないとトラブルになるんだけど、どうしたもんかな。

テンプレ来たー(棒

自分で書くと難しいですね

※1月31日修正

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