仲間探しも鬼畜暴君 ②
扉に手をかけ チャリンチャリン と鈴の音と共に扉が開いた
「うわっ…」
『あはっ 人がいっぱいだね〜』
「酔うわ…」
圭は中にいる人混みをみてさっそく問題点が出来た
「帰っていいですか?」
『あはっ だ〜め』
「いやいや、だって前みろよ?あのでか男とチビ男絶対俺に突っかかってくるからな?」
『あはっ 正解』
そう言うとクロが背中を押して中へと入れた
「っとと」
中にいるほとんどの人が圭をいっせいに見ている
「おうおう。お嬢ちゃん」
(よかった、俺に来てるわけじゃないのか、このままなにもなければいいが)
「おい、無視すんなよ」
(さて、最初に何処へ行くべきか。あのカウンターにいる猫耳娘に聞いてみるか)
「へい!このくそ女!兄貴を無視するんじゃない!」
(うるせぇな)
『あはっ 多分圭に言ってるんだよ』
「あ?俺に?」
「そうだよ!てめぇだよ!」
「舐めやがって!俺様が誰か知ってるか?あぁ?」
「ほらぁ〜やっぱり来たじゃん。テンプレ通りじゃん」
予想してた事が的中し めんどくさい感情とめんどくさい感情、それにめんどくさい感情が芽生える
「おい!聞いてんのか?あ?お前みたいなオチビちゃんがくるような所じゃないんだよ、あ?」
(どの世界もこういう奴はいるもんだな)
『あはっ どうする?殺しちゃう?』
(こういう奴は能力を使わなくても面白い事が出来る)
「てめぇ、また無視しやがって…」
「いやぁ、体でかいですよね」
「あ?俺か?当然だろ!この筋肉は俺の全てだからな!」
体格の話を出すや否や嬉しそうに筋肉を自慢しポーズをとっている
「えぇ、本当に大きいですよ。これならモンスターと見間違えるくらい大きいです」
「よ!さすが兄貴!」
「はっはっは!」
圭はこう言っているが内心では相当見下している
「ほんと大きすぎて 邪魔 なんですよね、え?なんでこんな所にモンスターいるんですか?あ、モンスターじゃなかった早速間違いちゃいましたね。」
騒ついていた周りが沈黙する
「てんめぇ!!?!?!」
怒りが爆発したでか男が圭に殴りかかる
(よし)
(3)
(2)
(1)
「待って」
そういった誰かがでか男の拳を片手で受け止める
「あぁ!?」
「このようないたいけな少女に拳を振るおうとするとわ」
(へぇ、以外だ)
『なにが?』
(まさか、女が出てくるとわな。)
『あはっ、それじゃあ圭が誰か来るように仕向けたみたいだね』
(そうなるように仕向けたんだよ、ここは冒険者?が集まる所なんだろ?こんな奴もいればバカみたいに正義感だけで動いてる奴もいる)
『能力も使ってないんだよね?どうして誰かが助けに来るってわかったの?』
(ここに入った時に何人か目を付けてた。なんでわかったかは、瞳をみればわかる、反吐が出るほど気持ち悪い 希望に満ち溢れた瞳だよ)
『ふ〜ん』
クロは改めて圭の才能に興味を持った
(まっ、幸いにも俺のことを女と勘違いしてくれてたのも誰かが来る確信になった)
「大丈夫ですか?」
「うん 大丈夫大丈夫」
圭は適当に反応する
「どけ!くそ女がぁ!そいつをぶん殴る!」
「はしたない言葉… 」
「へい!?お前がこいつの代わりに兄貴の相手するか!?」
「いいでしょう、私が相手になります。そのかわり勝ったらこの少女に手を出さないと誓ってください」
「はっはっは、いいぜ誓ってやるよ!こちらも条件だ、てめぇが負けたらその少女とお前は俺様の物だ」
(え〜、なんで俺も入ってんのさ)
『あはっ もとは圭じゃん』
(俺が入ってなかったら、わざと負けさせて面白くしようと思ったのに)
『あはっ それはみたいかも』
周りの冒険者達がテーブルを移動させ端っこへと移動する
「このコインが落ちたら試合開始だ?いいな?」
「えぇ、もちろんです。
ごめんね?すぐ終わらせるからね」
「あー はいはい」
あくびをしながらまたもや適当にあしらう
(あー、その瞳まじで鬱陶しい。ほんと壊したくなる)
「それじゃあ、投げるぞ」
でか男がコインを指におき弾こうとする が
「ままま待ってにゃ!!」
「あぁ!?」
「ひぃっ…こ!ここはギルド支部のなかにゃ!争い事はやめてほしいにゃ!」
ここで飛びだして来たのは 先ほどまでカウンターで猫耳だけを見せ、隠れていた猫耳娘だ
「ミールちゃんよぉ?これは俺たちの闘いなんだよなぁ、邪魔しないでくんねぇかな!!」
「み、ミールも出来れば関わりなくないにゃ じゃなかった見過ごせないにゃ!」
「本音でてたぞ」
圭がそういうと、顔お真っ赤にして
「うううううるさいにゃ!わかったら早急に喧嘩を辞めるか!ここからでて行ってもらうにゃ!」
「ふぅ… それもそうですね。ミールさんごめんなさい」
彼女はそう言うと腰についているレイピアから手を離した
「くそ!」
「あのー 猫耳娘さん 冒険者登録したいですけど」
やっと落ち着いたかとか闘いにならなくて良かったとかいろいろ聞こえてるなか、彼らを怒らせた本人が私事を唐突に振った。
「お、お嬢ちゃんなかなか肝が据わってるにぁ… …」
あー、百歩譲って鬼畜はあったとしても 暴君要素がなにもない気がする…