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第00刻 呪唄
我はかつて空にあり
遥かな高みより全ての命在る者を見下ろす
この世の絶対なる支配神だった
少女は踊る。
ぴちゃ。
ぴちゃ。
少女の細く白い素足が血溜まりを踏む。
喪服のような黒い服。
死体を悼んでいるようにも見える。
黒い衣服から覗く真白い足。
少女の細く白い素足が血溜まりを踏む。
周りにはおびただしい数の死体。
死体が作る血溜まりのなか少女は踊る。
その唇に笑みを浮かべ。
「これは始まり」
そう。
まだこれはほんの始まり。
さあ、復讐の始まりだ。
少女の細い手が何かを掴むように空に伸ばされる。
「…そこから引き摺り下ろして―」
「生きたまま喰ってやる」
少女が自らの赤く熟れた唇を舐める。