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黒天物語  作者: L
1/7

第00刻 呪唄

我はかつて空にあり


遥かな高みより全ての命在る者を見下ろす


この世の絶対なる支配神だった






少女は踊る。


ぴちゃ。

ぴちゃ。


少女の細く白い素足が血溜まりを踏む。

喪服のような黒い服。

死体を悼んでいるようにも見える。

黒い衣服から覗く真白い足。

少女の細く白い素足が血溜まりを踏む。

周りにはおびただしい数の死体。

死体が作る血溜まりのなか少女は踊る。

その唇に笑みを浮かべ。


「これは始まり」


そう。

まだこれはほんの始まり。


さあ、復讐の始まりだ。


少女の細い手が何かを掴むように空に伸ばされる。


「…そこから引き摺り下ろして―」






「生きたまま喰ってやる」






少女が自らの赤く熟れた唇を舐める。



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