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一人百物語 2

繋がった先は

作者: 犬猫夜行
掲載日:2026/07/20


同じ職場で働いていた篠崎さんの話。

仕事の合間に、篠崎さんは所属派遣会社の営業担当者に携帯電話で連絡を入れた。

電話をしたのは派遣会社の事務所ではなく、営業担当者の携帯電話だった。

何度かコールされた後、繋がった。

とたんに、男が何かわめいている声と、犬がギャンギャンと悲鳴をあげている声が耳元で炸裂し、ブツリと切れた。

電話番号を間違ったのかと思った。しかしかけたのは携帯電話のアドレス帳に登録している、いつも連絡に使っている番号だった。

もう一度かけた。

電話が繋がるや、何かドンドコドンドコという太鼓の様な音と、誰かが低い声でブツブツ言っている声が聞こえてきた。

また切れた。

なんだかもう電話をかけるのが怖くなっていたが、しばらくしてからまたかけてみた。

今度は担当者が出た。

しかしそのとたん、

「あーっ!」

という男の叫び声とともにまたブツリと切れた。

驚いていると、担当者の方からすぐに連絡が入った。

「もしもし。いやすいません、途中で切れまして」

と言うので、大丈夫ですか?何か叫び声がしましたけど、と篠崎さんがいうと

「え?叫び声?いえ、こっちは別に……いやすいません、この電話、時々変なんですよねぇ、会社の電話なんですけど。すいません」

と担当者は言うばかりだった。


それから数日後、担当者から、前の携帯電話が壊れたので電話番号がかわった、と連絡があった。





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