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王族のお言葉は、そんなに軽いものではございませんわよね?

作者: 小林翼
掲載日:2026/04/18

 煌々と輝くシャンデリアの光が、大理石の床に複雑な影を落としていた。


 王立学園の卒業記念パーティー。王宮大広間には、今年巣立つ貴族子息令嬢たちが一堂に会し、楽団の奏でる優雅な旋律の中で談笑を交わしている。


 私、リディア・ヴァレンティアは、会場の中央付近で一人、婚約者の到着を待っていた。


 銀の髪を丁寧に結い上げ、淡い紫の夜会服に身を包んだ私の姿に、周囲の令嬢たちが物言いたげな視線を寄越す。その視線の色が、ここ数ヶ月でずいぶんと変わったことに、私は気づいていた。


 かつては畏敬の混じった羨望。今は——蔑みと、嘲笑。


 理由はわかっている。私の婚約者である第二王子ジュリアン殿下が、聖女認定された子爵令嬢ミレーヌ・ロシェットと、目に余るほど親密にしているからだ。


 扇の陰で囁かれる噂。廊下で交わされる嘲り。私はそれら全てを、公爵家の娘として毅然と受け流してきた。


 けれど、今夜の空気は、どこか違う。


 誰もが、何かを期待するような目で私を見ている。


「リディア・ヴァレンティア公爵令嬢」


 壇上から響いた声に、私は顔を上げた。


 楽団の演奏が、合図を受けたように止まる。


 大広間の中央、一段高くなった壇上に、ジュリアン殿下が立っていた。金の髪に青い瞳、王族らしい華やかな美貌。けれど今夜の彼の表情は、見たこともないほど冷ややかだった。


 そしてその腰に、か細い腕が絡みついている。


 ミレーヌ・ロシェット。栗色の髪をふわりと垂らし、潤んだ瞳で殿下を見上げる少女。聖女の証である白い礼服を身にまとい、まるで物語の挿絵のように殿下に寄り添っている。


 私は静かに裾を持ち上げ、壇の前へと歩み出た。背筋を伸ばし、表情を崩さぬまま、礼をとる。


「——殿下。御用でしょうか」


 私の声は、大広間の隅々まで澄んで響いた。


 周囲の貴族たちが、息を呑んで成り行きを見守っている。楽団員たちも、給仕たちも、皆が動きを止めていた。


 ジュリアン殿下は、私を見下ろし、大きく息を吸い込んだ。


「リディア・ヴァレンティア。貴様との婚約を、今この場で破棄する」


 会場がざわめいた。


 けれど、私は驚かなかった。この瞬間がいつか来ることを、私は数ヶ月前から予感していた。予感していたからこそ、取り乱さずに済んだ。


「理由を、お聞かせいただけますか」


 私が静かに問うと、ジュリアン殿下の顔が歪んだ。まるで、私が泣き叫ばなかったことが不満だと言わんばかりに。


「白々しい。貴様が、ここにいるミレーヌに、どれほど非道な振る舞いをしてきたか——知らぬとは言わせぬぞ」


 殿下は声を張り上げ、私の「罪状」を読み上げ始めた。


「聖女ミレーヌを階段から突き落とし、怪我を負わせたこと」


「彼女の教科書を破り、授業を妨害したこと」


「取り巻きを使って彼女の私物を盗ませたこと」


「王宮の神殿で、彼女の祈りの邪魔をしたこと」


 読み上げられる罪状の、その一つとして私には身に覚えがなかった。


 ミレーヌ・ロシェットとは、そもそも会話を交わしたこともほとんどない。彼女が聖女認定を受けて以降、殿下が彼女に入れ込んでいることは知っていたが、だからこそ私は彼女に近づくことすら避けてきたのだ。


 けれど——。


「証人もいる。皆、前へ」


 殿下の声に応じて、貴族子息たちが次々と壇前に進み出た。侯爵家の嫡男、伯爵家の三男、騎士団長の息子——いずれもジュリアン殿下の取り巻きとして知られる面々。


 彼らは口々に「見た」と証言した。リディア嬢が、聖女を突き落とすところを。教科書を破るところを。


 私は、ゆっくりと目を閉じた。


 理解する。


 これは、仕組まれた断罪劇なのだ。


 けれど——理解したからといって、無様に泣き崩れるつもりはない。私は公爵家の娘、ヴァレンティアの名を背負う者。


「恐れながら殿下」


 私は目を開け、まっすぐに殿下を見上げた。


「それらの証言を裏付ける、物的証拠はございますの?」


「聖女の言葉こそが、何よりの証拠だ!」


 殿下は吠えるように叫んだ。ミレーヌは殿下の腕に縋り、涙を流して頷いている。


 私は、そっと息を吐いた。


 この状況で何を言っても、覆ることはないだろう。取り巻きたちの証言、聖女の涙、そして激昂する王子——役者は全て揃っている。


 ならば。


「——承知いたしました」


 私は深く頭を下げた。


「殿下のご判断に、甘んじて従いましょう。公爵家の娘として、いかなる処分も受ける覚悟でございます」


 私の言葉に、殿下が一瞬、鼻白んだ表情を浮かべた。泣き叫ぶ姿を見たかったのだろう。惨めに縋る姿を、衆目の前で晒させたかったのだろう。


 その期待に応えるつもりは、毛頭ない。


 私は頭を下げたまま、静かに次の言葉を待った。ミレーヌのすすり泣きと、殿下の荒い息遣いだけが、広間に響いている。


 ——その時だった。


 大広間の両開きの扉が、轟音と共に吹き飛んだ。



 悲鳴が上がった。


 分厚い樫の扉が木っ端微塵に砕け、破片が床を滑っていく。警備の兵士たちが剣を抜く暇もなく、吹き飛ばされた。


 私は顔を上げた。


 舞い上がる埃の向こうから、一人の男が歩み出てきた。


 漆黒の軍服。銀糸で縁取られた襟と袖。胸元には、双頭の鷲が翼を広げた紋章——


 ガルダニア帝国。


 その紋章を身につけることを許されているのは、皇家の直系のみ。


 長身の男だった。艶やかな黒髪、彫りの深い端正な顔立ち。そして、射抜くような蒼氷の瞳。


 彼の背後には、同じく漆黒の軍装を纏った騎士たちが二十名ほど従っていた。全員が抜き身の剣を手にし、王宮警備兵を完全に制圧している。


 大広間にいた誰もが、動けなかった。あまりの異常事態に、思考が追いつかない。


 ジュリアン殿下が、かろうじて声を絞り出した。


「な、なんだ、貴様らは! ここが、どこだと心得て——!」


 男は殿下の声を、完全に無視した。


 その蒼氷の瞳は、ただ一点——私だけを見つめていた。


 迷いのない歩調で、男は真っ直ぐに私に向かって歩いてくる。騎士たちもそれに続く。貴族たちは悲鳴を上げて道を開け、壁際まで後退する。


 男が、私の目の前で足を止めた。


 間近で見上げた彼の瞳は、冬の湖面のように冷たく、けれど奥深くに、激しい何かを宿していた。


 私は動けなかった。


 なぜか、この瞳を、私は——知っている気がした。


 男が口を開いた。低く、通る声だった。


「遅くなった」


 その声は、大広間の全員に向けられたものではなかった。ただ、私一人に向けて告げられた、言葉。


 そして彼は、私の肩を抱き寄せるように一歩踏み出し、壇上のジュリアン殿下を冷ややかに見据えた。


「この女は」


 一拍の間。


「十年前から、私の婚約者だ」


 時が、止まったようだった。


 大広間の誰もが、彼の言葉を理解しかねて沈黙している。ジュリアン殿下ですら、口を半開きにしたまま固まっていた。


 沈黙を破ったのは、会場の隅から上がった、誰かの震える声だった。


「ま、まさか——氷血帝……?」


 その囁きが、さざ波のように広がっていく。


「ガルダニア皇帝、アレクシス・フォン・ガルダニア……」


「なぜ、皇帝自らが王国に……?」


 氷血帝。


 大陸東方の大国ガルダニア帝国の若き皇帝。即位からわずか三年で政敵を粛清し尽くし、帝国の権力を完全に掌握した冷酷な統治者。その冷徹さから、誰言うともなく「氷血帝」と呼ばれるようになった男。


 ——その人物が、なぜ。


 ジュリアン殿下が、ようやく我に返って叫んだ。


「戯言を申すな! リディアは私の婚約者だ! いや、たった今、私が婚約破棄を——」


「婚約破棄、結構」


 アレクシスと呼ばれた皇帝は、殿下を一瞥もせずに答えた。


「お前たち王国が勝手に結んだ婚約だ。破棄するも結ぶも、好きにすればいい。——だが」


 蒼氷の瞳が、初めて殿下を射抜いた。


 その瞬間、ジュリアン殿下の顔から血の気が引いた。


「私の婚約者を、衆目の前で貶めた罪は——別の話だ」


 皇帝は懐から、一枚の羊皮紙を取り出した。


 金糸で縁取られた、見るからに格式の高い書類。広げられたそれには、ガルダニア帝国皇帝の直筆と皇家の封蝋、そして——私の父、ヴァレンティア公爵の署名と、公爵家の封蝋が押されていた。


 日付は、十年前。


「婚約誓約書だ。十年前、ヴァレンティア公爵と私との間で交わされたもの」


 皇帝は書類を、壇上の殿下に向けて掲げて見せた。


「この女——リディア・ヴァレンティアは、十年前から私の婚約者だ。王国が王子との婚約を発表したのは七年前だったか? 後出しは、そちらのほうだ」


 ジュリアン殿下が、崩れるように壇上に膝をついた。


 私は——呆然と、皇帝の横顔を見上げていた。


 婚約誓約書。十年前。父の署名。


 何一つ、私は聞かされていない。


 けれど、十年前という日付が、私の記憶の奥底に眠っていた何かを、呼び覚ましていた。


 十歳の冬。父の領地、北の森。


 雪に埋もれるようにして倒れていた、黒髪の少年。


 ——あの少年の瞳の色が。


 今、目の前にいる皇帝の瞳と、同じ色だった気がする。



 皇帝アレクシスは、呆然と立ち尽くすジュリアン殿下を、もはや見てもいなかった。


 彼はゆっくりと振り返り、蒼氷の瞳を壇の脇——聖女ミレーヌ・ロシェットへと向けた。


 ミレーヌは、先ほどまでの涙を忘れたように、青ざめた顔で後ずさっていた。殿下の腕からも離れ、壁際の柱に身を寄せている。


「ついでだ」


 アレクシスは、淡々と告げた。


「この『聖女』とやらの身辺も、少々調べさせてもらった。——なかなかに、興味深い品を所持しているようだな」


 彼が軽く手を上げると、背後の騎士の一人が進み出た。騎士の手には、黒檀で作られた小箱。


 騎士は壇前に進み、小箱の蓋を開けて中を掲げて見せた。


 大広間の貴族たちが、息を呑んだ。


 小箱の中に収められていたのは——銀の鎖に、血のように赤い石をあしらった首飾り。石の中心には、見たこともない複雑な呪印が刻まれている。


「隷属の首飾り」


 誰かが、掠れた声で呟いた。


「黒百合教団の——禁術の触媒……」


 ざわめきが、広間全体に広がっていく。


 黒百合教団。大陸北方に潜伏する、禁じられた魔術を用いる秘密結社。人の心を操り、国家を内側から崩壊させることを目的とする危険な組織。帝国でも王国でも、その構成員は発見次第処刑される定めだった。


 ミレーヌの顔から、完全に血の気が引いた。


「ち、違います! そのようなもの、わたくしは存じ上げません!」


 彼女は震える声で叫んだが、アレクシスは冷笑した。


「ほう。では、お前の私室の床下から発見されたこの品は、誰のものだと?」


「で、でたらめです! そんな、皇帝陛下が、帝国の皇帝が、王国の、聖女の部屋を——調べる権利など——!」


「権利?」


 アレクシスの声が、さらに冷たくなった。


「お前は、私の婚約者を断罪する茶番の中心にいた。私には、お前を徹底的に調べ上げる権利が、十二分にある」


 彼は視線を会場全体に巡らせた。


「ガルダニア帝国の宮廷魔術師を呼べ。この広間で、解呪の儀を執り行う」


 命令は即座に実行された。騎士の列の後方から、深紫のローブを纏った初老の魔術師が進み出る。帝国でも指折りの賢者と名高い、宮廷魔術長その人だった。


 魔術長は懐から小さな水晶玉を取り出し、詠唱を始める。水晶玉が淡い光を放ち始めると、会場にいた数名の貴族子息たちが、突然頭を抱えてうずくまった。


 ジュリアン殿下の取り巻き——先ほど壇前で「証言」した者たちだった。


 彼らは苦しげに呻き、数秒の後に、力なく床に突っ伏した。そして、ゆっくりと顔を上げた彼らの目は——先ほどまでの熱に浮かされたような光を失い、正気の色を取り戻していた。


「——こ、ここは……?」


「私は、何を……」


 彼らは互いに顔を見合わせ、そして自分たちが先ほど口にした証言を思い出したのか、一斉に顔色を失った。


 侯爵家の嫡男が、震えながら壇前に這い出た。


「リ、リディア嬢——! 申し訳ございません! 私は、私は、なぜあのような、ありもしないことを……!」


「私もです! 頭の中に、靄がかかったように……聖女の言葉だけが、真実に思えて……!」


 次々と謝罪の声が上がる。


 そして、最後に——壇上のジュリアン殿下自身が、ふらりと立ち上がり、顔面蒼白になって私を見た。


「リ、リディア……俺は、俺は何を……」


 殿下の瞳からも、憑き物が落ちていた。洗脳が解けたのだ。


 彼の顔に浮かんだのは、恐怖だった。自分が何をしでかしたか、ようやく理解した者の表情。


「リディア、違うんだ、俺は、お前を——」


 殿下は壇を降り、私に駆け寄ろうとした。


 その瞬間、私は初めて、表情を動かした。


 私は、振り向かなかった。


 代わりに、アレクシスの隣で、口元にほんのりと微笑みを浮かべた。そして、殿下に背を向けたまま、澄んだ声で告げた。


「——殿下」


 殿下の足が止まる。


「私、つい先ほど、殿下から言い渡された婚約破棄を、確かにお受けいたしましたわ」


 一拍の間。


「王族のお言葉は、そんなに軽いものではございませんわよね? まさか、撤回なさるおつもり——ではございませんわよね?」


 私の声は、氷のように澄んでいた。


 ジュリアン殿下の顔が、絶望に歪んだ。


 衆目の前で、洗脳されていたとはいえ、私を断罪し婚約破棄を宣言したのは殿下ご自身。証人は、この場にいる全貴族。もはや、撤回など許される段階ではなかった。


「そ、そんな、リディア、俺は——!」


「わたくしの婚約者は」


 私は、ゆっくりと隣のアレクシスを見上げた。


「もう、こちらにおられますもの」


 ジュリアン殿下が、再び膝から崩れ落ちた。


 私は彼にはもう一瞥もくれず、アレクシスに向かって、静かに一礼した。


「——皇帝陛下。お見苦しいところを、お見せいたしました」


 アレクシスの蒼氷の瞳が、わずかに和らいだ。


「見苦しくなどない。——よくぞ、耐えた」


 彼の大きな手が、私の肩にそっと触れた。


 その時、大広間の扉——正しくは、扉のあった場所——から、息を切らせた老紳士が駆け込んできた。


「リディア!」


 その声に、私は初めて、平静を失いそうになった。


「お父様……!」


 ヴァレンティア公爵、私の父だった。銀髪に紫の瞳、娘の私によく似た面差しを、今は苦渋に歪めている。


 父は会場の惨状と、アレクシスの姿と、崩れ落ちたジュリアン殿下を一瞥し——全てを瞬時に理解したようだった。


 父は私の前に進み出ると、深く頭を下げた。


「リディア。——お前に、謝らねばならぬことがある」


 父の声は、震えていた。


「十年前、お前が十歳の冬。領地の北の森で、お前が一人の少年を助けたことを、覚えているか」


「……はい。凍え死にかけていた、黒髪の、私と同じ年頃の少年でしたわ」


「その少年こそが」


 父は、アレクシスを見上げた。


「当時、帝位継承争いを逃れて身を隠していた、ガルダニア帝国第三皇子——アレクシス・フォン・ガルダニア殿下であらせられる」


 会場が、再びどよめいた。


 父は続けた。


「皇子は帰国後、お前との婚約を強く望まれた。そして私は——それを受け入れた」


「では、なぜ」


「王家からの婚約の打診があったのは、その三年後だった」


 父の声が、苦く沈んだ。


「私は断ろうとした。だが、当時の王はお前を第二王子の妃にすると決めて譲らなかった。もし断れば、ヴァレンティア家は——いや、お前自身が、どのような目に遭うか分からなかった」


 父は深く、深く頭を下げた。


「アレクシス陛下は、当時まだ第三皇子。帝位が約束された身ではなかった。私は、お前を守るために——二つの婚約を、秘密裏に並行させる道を選んだ。陛下が帝位を得られるまで、表向きには王家の婚約に従う、と」


 私は、父の震える肩を見つめていた。


 怒りは、湧かなかった。


 父は父なりに、私を守ろうとしてくれたのだ。あの時代、公爵家でさえ、王命には逆らえなかった。父が下したのは、苦渋の選択——けれど、確かに娘の命を守るための選択だった。


「お父様。——顔を、上げてくださいませ」


 私は、父の手を取った。


「私は、お父様を恨んではおりません。ただ、——できれば、もう少し早く、教えていただきたかったですわ」


 父の瞳から、涙が一筋こぼれた。


 その様子を、アレクシスは静かに見守っていた。



 騒ぎが一段落した後、私はアレクシスに連れられて、大広間に面したバルコニーに出ていた。


 冬の夜気が頬を刺す。眼下には王都の夜景が広がり、星々が凍った空に瞬いている。


 広間の喧騒は、今は遠い。


 アレクシスは、手すりに寄りかかって夜空を見上げていた。彼の横顔を、月光が淡く照らしている。


「——お前を迎えに行くまでに」


 彼は、独り言のように呟いた。


「十年、かかった」


 私は、息を詰めた。


「皇位を手にし、政敵を残らず排し、お前に誰も手出しできぬ力を得るまで——長く、待たせた」


 冷徹な「氷血帝」と呼ばれる男の声に、今はわずかな震えがあった。


「すまなかった、リディア」


 彼が、私の名を呼んだ。


 その瞬間、私の瞳から、今夜初めての涙が溢れた。


 断罪されても、嘲笑されても、濡れ衣を着せられても、私は泣かなかった。泣いてはならないと、自分に誓っていた。


 けれど——この男の、たった一言の謝罪で、私の堤防は崩れた。


 十年。


 名も知らぬ他国の少女のために、一人の男が費やした、十年。


「陛下」


 私は、震える声で問うた。


「なぜ——私だったのですか。私は、あなたに、何もして差し上げてなどいないのに」


 アレクシスはゆっくりと振り返り、私を見つめた。


 蒼氷の瞳の奥に、雪解けの水のような、柔らかな光が揺れていた。


「そのことは、いずれ、ゆっくりと話そう」


 彼の大きな手が、私の頬に触れ、涙を拭った。


「今夜は、もう休め。——明日からは、世界が変わる」


 世界が、変わる。


 その言葉の重みを、私はまだ、知らなかった。



 翌朝、王国は地獄に突き落とされた。


 ガルダニア帝国から、正式な抗議文が国王宛てに届けられたのは、夜が明けて間もなくのことだった。


 その内容は、王国の枢密院を震撼させるものだった。


 一つ。帝国皇帝アレクシス・フォン・ガルダニアの婚約者たるリディア・ヴァレンティア公爵令嬢に対し、王国第二王子ジュリアンが衆目の前で行った侮辱行為に、帝国は強い遺憾の意を表明する。


 二つ。右の件につき、両国の国交を一時停止する。


 三つ。帝国産の魔導具、希少鉱石、および各種特効薬の王国への輸出を、即時全面停止する。


 四つ。王国産穀物の帝国への輸入関税を、従来の十倍に引き上げる。


 五つ。以上の措置は、王国側より誠意ある対応が示されるまで、解除されない。


 抗議文が読み上げられた枢密院は、阿鼻叫喚の様相を呈した。


 ガルダニア帝国産の魔導具は、王国の軍備の根幹を成している。希少鉱石の輸入が止まれば、王国の鍛冶産業は数ヶ月で崩壊する。特効薬の停止は、王国内で流行の兆しを見せる疫病への対策を、根こそぎ奪う。


 そして何より——穀物。


 王国は農業国であり、収穫された穀物の四割を、帝国へ輸出することで国庫を潤していた。その輸入関税が十倍になれば、王国の穀物は帝国市場で競争力を完全に失う。農村は瞬く間に困窮し、税収は激減する。


 たった一晩で、王国の経済は麻痺した。


 そして、貴族たちの怒りの矛先は、全員、同じ方向を向いた。


「ジュリアン殿下を、廃嫡せよ!」


 議会は荒れた。


 古参の貴族たちが、次々と立ち上がり、王家を糾弾した。ヴァレンティア公爵家を巻き込み、帝国皇帝の怒りを買い、国を危機に陥れた——その責任は、第二王子にある、と。


 国王は三日三晩の議論の末、ついに決断を下した。


 ジュリアン・ラ・ソレイユ王子の王位継承権を剥奪。廃嫡の上、王国北端の修道院へ、無期限の幽閉。


 かつて第二王子として華やかな日々を送っていた青年は、粗末な馬車に押し込められ、雪に閉ざされた北の修道院へと送られていった。


 その馬車を見送る貴族は、一人もいなかった。



 聖女ミレーヌ・ロシェットの末路は、さらに悲惨だった。


 黒百合教団の工作員として正体を暴かれた彼女は、帝国へと引き渡された。帝国の取り調べは容赦なく、数日のうちに、彼女の背後にいた反帝国派の貴族たちが芋づる式に摘発された。


 王国と帝国の両方で、粛清の嵐が吹き荒れた。


 ミレーヌを聖女として祭り上げた神殿の司祭たちも、黒百合教団と通じていた証拠が発見され、次々と処刑台へと送られた。彼女に媚びへつらい、リディアを嘲笑した令嬢たちの多くは、その家門の格を落とされ、社交界から姿を消した。


 ジュリアン殿下の取り巻きとして壇前で「証言」した貴族子息たちは、洗脳されていたとはいえ、公爵令嬢を衆目の前で貶めた責任を免れなかった。それぞれの家門が領地の一部を没収され、子息本人は王宮への出入りを禁じられた。



 そして——ヴァレンティア公爵家。


 公爵家は、帝国皇帝の義父にして、王国屈指の名門という、二重の威光を手にした。王国内における公爵家の地位は、もはや王家に次ぐものとなった。


 いや、実質的には——王家を凌駕していた。


 断罪の夜から十日後。


 国王自らが、ヴァレンティア公爵邸を訪れた。


 広間に通された国王は、私の前に進み出ると——自らの頭を、深く、深く下げた。


 王国の歴史上、国王が臣下の邸で頭を下げた例は、ほとんどない。


「リディア嬢。——此度の件、王家を代表し、心より詫びる」


 かつて私を「第二王子の妃」と定めたその人が、今は膝を屈するように頭を下げている。


 私は、ゆっくりと裾を持ち上げ、最上級の礼を返した。


「——もったいなきお言葉にございます、陛下」


 穏やかな声で、私は微笑んだ。


「過ぎたことでございます。どうぞ、お顔をお上げくださいませ」


 国王は顔を上げ——そして、私の微笑みを見て、かすかに震えた。


 私の微笑みは、穏やかだった。穏やかで、そして——冷たかった。


 国王は、その時ようやく悟ったのだ。


 自分たちが失ったのは、ただの公爵令嬢ではない。大国の皇妃となる女を、自分たちは踏みにじり、そして失ったのだ、と。



 社交界の潮目は、一夜にして変わった。


 かつて扇の陰で私を嘲笑した令嬢たちが、今度は必死の形相で公爵邸を訪れ、面会を申し込んでくる。帝国皇妃となる私に、少しでも縁を結ぼうと、贈り物と追従の言葉を携えて。


 私は、それらを全て優雅に受け流した。


 一人の令嬢が、涙ながらに「あの時は、本当に申し訳ありませんでした」と縋ってきた時、私は扇を広げ、ゆっくりと微笑んだ。


「——まあ、お気になさらないで」


「リ、リディア様……!」


「わたくしはもう、じきにこの王国の人間ではなくなりますの。あなた方のことも、すぐに忘れてしまいますわ」


 その一言で、令嬢は青ざめた。


 忘れる。


 それは、「覚えておく価値もない」という、最も冷ややかな宣告だった。


 私はもはや、この王国の社交界の住人ではない。彼女たちの謝罪も、媚も、贈り物も、私の未来には、何の価値も持たない。


 ——断罪の夜から、半月。


 世界は、確かに変わった。


 そして私は、自分が思っていた以上に、この「変化」を受け入れている自分に気づいていた。



 断罪の夜から、半年が過ぎた。


 春が来て、夏が過ぎ、そして——秋の終わりに、私がガルダニア帝国へ旅立つ日が、ついに訪れた。


 ヴァレンティア公爵邸の前には、黒塗りに金の装飾を施された豪奢な馬車が停まっていた。双頭の鷲の紋章が、朝日を受けて鈍く輝いている。護衛の帝国騎士が二列に並び、静かに主を待っていた。


 そして——馬車の前に、一人の男が立っていた。


 漆黒のマントに身を包んだ、アレクシス・フォン・ガルダニア皇帝。


 皇妃となる者を迎えに、皇帝自らが再び王国を訪れたのだ。この行為そのものが、帝国から王国への、揺るぎない政治的メッセージとなっていた。


 私は、純白のドレスに、淡い青のマントを羽織って邸の階段を降りた。髪には、アレクシスから贈られた銀の髪飾りが、朝露のように煌めいていた。


 階段の下で、父が待っていた。


 ヴァレンティア公爵——私の父。半年前のあの夜から、父はずいぶんと老けた気がする。銀髪に混じる白が増え、紫の瞳には、深い翳りが宿っていた。


 私は父の前で足を止めた。


 父は、口を開こうとして、開けなかった。何かを言いかけて、結局、言葉を飲み込んだ。


 代わりに、父は両腕を広げた。


 私は——子供の頃のように、父の胸に飛び込んだ。


「お父様」


 父の腕が、私をきつく抱きしめた。


「リディア。——幸せに、なりなさい」


 父の声は、震えていた。


「お前は、私の誇りだ。どこに嫁いでも、お前はヴァレンティアの娘であり——そして、一人の、強い女性だ」


「お父様……」


 私は、父の肩に顔を埋めて泣いた。


 十八年間、公爵令嬢として、完璧であろうと努めてきた。王妃教育に耐え、社交界の針の筵に耐え、婚約破棄の屈辱に耐えた。一度も、父の前で弱音を吐かなかった。


 けれど、今——旅立ちの朝、私は幼子のように泣いた。


 父は何も言わず、ただ私の背を、ゆっくりと撫で続けていた。


 やがて、私は体を離し、目元を拭った。


 振り返ると、アレクシスが少し離れた場所で、静かに待っていた。邪魔をしないように、父娘の時間を尊重するように。


 私は、彼のもとへ歩み寄った。


 アレクシスは手を差し出し、私の手を取った。大きく、温かな手だった。


「——参ります、お父様」


 私は、振り返って微笑んだ。


「どうか、お身体を大切に」


 父は、深く頷いた。その瞳に、また涙が滲んだ。



 馬車が動き出した。


 窓の外を、見慣れた王都の景色が流れていく。幼い頃に通った公園、社交界デビューを飾った劇場、学園の尖塔——全てが、次第に遠ざかっていく。


 私は、もう振り返らなかった。


 馬車の中は、アレクシスと私、二人きりだった。護衛の騎士たちは、外で馬を駆けさせている。向かい合って座る彼と、私の膝が、わずかに触れそうなほどの距離。


 沈黙が、心地よかった。


 けれど、半年の間、ずっと私の胸に引っかかっていた問いを——今、ここで、尋ねたかった。


「陛下」


 私は、窓の外から視線を戻した。


「一つ、お伺いしてもよろしいでしょうか」


 アレクシスは、静かに頷いた。


「なぜ——私だったのですか」


 私は、膝の上で手を組んだ。


「あの夜、あなたが『十年待った』と仰ったこと。今も、信じられずにおります。私は、あなたに、何をして差し上げたというのでしょう。ただ——凍えていた子供に、外套を一枚かけただけ。それだけの女に、皇位を目指す年月を費やすほどの価値など、あろうはずがございません」


 アレクシスは、しばらく答えなかった。


 彼は窓の外に視線を移し、流れ去る景色を見つめていた。蒼氷の瞳が、柔らかな光を宿していた。


 やがて、彼は静かに語り始めた。


「——あの冬」


 低く、深い声だった。


「私は、九歳だった。帝位継承争いの渦中にあり、異母兄たちから命を狙われていた。私を守っていた乳母が殺され、家庭教師が毒殺され、最後の護衛もろとも、私は王都から逃がされた」


 私は、息を詰めて聞いていた。


「行き先は、帝国と友好関係にあった、王国ヴァレンティア公爵領。そこで身を隠し、ほとぼりが冷めるのを待つ手筈だった。——だが、国境を越える手前で、我々は追手に襲われた。護衛は全員、私を逃がすために命を落とした。私は一人、北の森に逃げ込んだ」


 彼の声が、かすかに掠れた。


「九歳の子供が、真冬の森で、一人。食料もなく、防寒具も破れていた。——三日、さまよった。雪の中で、何度も気を失った。ああ、このまま死ぬのだろうと、子供心に諦めた」


 私は、目を閉じた。


 記憶の底から、あの冬の光景が甦ってくる。父の留守中、乳母の目を盗んで一人で森へ遊びに行った、十歳の私。雪原の真ん中で、動かなくなっていた、黒髪の少年。


「気がついた時、お前の外套が、私にかけられていた」


 アレクシスの声は、穏やかだった。


「私の上に、一人の少女が屈み込んでいた。銀の髪、紫の瞳。——小さな手が、私の冷え切った頬に触れて、『生きて』と、そう言った」


「……私、そんなことを、申しましたか」


「ああ。はっきりと、覚えている」


 彼は、私を見つめた。


「『生きて。絶対、生きて』——そう、お前は言った」


 私は、覚えていなかった。


 ただ、雪の中で倒れていた少年を見つけて、何とか助けねばと必死になったことだけを、微かに記憶していた。自分の外套をかけ、ありったけのパンを口に含ませ、そして領地の狩人を呼びに戻った——それだけのことしか、私には、思い出せない。


 けれど——アレクシスにとっては、あの瞬間が、全てだったのだ。


「私はあの夜、生まれて初めて」


 彼の声が、柔らかく震えた。


「『温かい』というものを、知った」


 外套の温もりではない。パンの味でもない。


 名も知らぬ他国の少女が、見ず知らずの子供のために差し伸べた、小さな手の温もり。


 見返りを求めず、ただ「生きて」と願ってくれた、その声。


「それから私の世界は」


 アレクシスは、私の手を取った。


「お前を中心に、回るようになった」


 私の瞳から、また、涙が溢れた。


 自分では覚えてもいなかった、小さな善意。十歳の少女の、当たり前の行動。それが——一人の皇子の、魂の支えになっていた。


 そして、九歳の少年は誓ったのだ。必ず、皇位を得る。必ず、あの少女を迎えに行く。誰にも、彼女に手出しできない力を得るまで、自分は戦い続ける、と。


 十年。


 途方もない、十年。


「陛下……」


 私は、彼の手を、強く握り返した。


「——アレクシス、と」


 彼が、静かに言った。


「二人きりの時は、名で呼んでくれ」


 私は、小さく頷いた。


「……アレクシス」


 私が彼の名を呼んだ瞬間、彼の蒼氷の瞳が、初めて——本当に初めて、子供のように綻んだ。



 馬車は、三日をかけて国境を越え、さらに五日をかけて、ガルダニア帝国の帝都へと到着した。


 帝都「白銀のアルヴェルン」。


 大陸東方の大帝国の中心地。雪に覆われた荘厳な石造りの都。天を衝くような尖塔と、凍った湖のように輝く大通り。


 帝都の城門の前には——驚くべき光景が広がっていた。


 城門から皇城までの大通りの両側に、帝国貴族たちが正装で並び、その背後に、数え切れないほどの民衆が集まっていた。誰もが、皇帝の馬車の帰還を、そして——新しい皇妃となる私を、一目見ようと待ち構えていた。


 馬車が城門をくぐると、歓呼の声が上がった。


「皇帝陛下、万歳!」


「新しき皇妃殿下、ようこそガルダニアへ!」


 紙吹雪のように、白い花びらが空から舞い降りてくる。帝国の民たちが、祝福の花を撒いているのだった。


 私は、馬車の窓越しに民衆の笑顔を見た。


 帝国に来れば、異国の者として冷たく迎えられるかもしれないと、覚悟していた。けれど——目の前の光景は、私の想像とは、正反対だった。


「民は、お前を待っていた」


 隣のアレクシスが、静かに言った。


「私は三年前の即位以来、一度も、后を娶らなかった。民は長年、私に皇妃が迎えられる日を待ち望んでいた。——そして、私がどれほどお前を待っていたかを、民もまた、知っているのだ」


 私は、アレクシスを見上げた。彼の横顔は、穏やかだった。


 この男は、皇位を得てからの三年間、ずっと、ただ私を迎えるためだけの準備をしてきたのだ。政敵を排し、国内を安定させ、そして——私が安心して嫁いでこられる日を、一日一日、積み上げてきた。


 私は、そっとアレクシスの手に、自分の手を重ねた。



 そして、ついにその日が訪れた。


 帝都の大聖堂。天井の高い、荘厳な石造りの空間。ステンドグラスから差し込む光が、無数の色の粒となって、白い大理石の床に降り注いでいる。


 私は純白のウェディングドレスに身を包み、長いヴェールを引いて、祭壇への通路を歩んでいた。


 参列する帝国貴族たち、各国からの祝使——その視線の全てを受けながら、私はただ、祭壇の前に立つ一人の男だけを見つめていた。


 アレクシス・フォン・ガルダニア。


 帝国の正装に身を包んだ彼は、いつにも増して神々しく、けれど今は——優しく微笑んでいた。


 祭壇の前で、私は彼の隣に立った。


 大司教が厳かに誓いの言葉を述べる。二人は、病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も——。


 けれど、私の耳には、大司教の言葉は、もう半分も入ってこなかった。


 ただ、隣に立つ男の、微かに震える指先だけが、愛おしかった。


「——では、誓いの口づけを」


 大司教の言葉に、アレクシスが、私に向き直った。


 彼の大きな手が、そっと私のヴェールを持ち上げた。蒼氷の瞳が、間近から、私を見つめている。


 そして、口づけの前に——彼は、私にだけ聞こえる声で、囁いた。


「もう、離さない」


 私は、微笑んだ。


 十歳の冬、雪の中で震えていた少年に、今度は私の方から、誓いを返す。


「ええ。——私も、あなたを離しません」


 一拍の間。


「陛下」


 アレクシスの瞳が、わずかに揺れた。


 そして、彼の唇が、私の唇に重ねられた。


 大聖堂の鐘が、高らかに鳴り響いた。ステンドグラス越しの光が、私たちを包み込む。外では、民衆の歓声が、地鳴りのように響いている。


 窓の外、帝都の空から——その日初めての雪が、静かに舞い降り始めていた。



 断罪の夜から、半年。


 蔑まれ、衆目の前で婚約破棄を言い渡された少女は——大陸最強の帝国の皇妃として、新たな物語を歩み始めた。


 あの夜、全てを失ったと思った。


 けれど、実は——私は、全てを手に入れたのだ。


 本当に愛してくれる人を。


 本当に必要とされる場所を。


 そして——十年前の、小さな善意を覚えていてくれた、一人の男の、長い長い片想いの、その答えを。


 ——雪が、降っている。


 十年前のあの日と、同じ雪だ。


 けれど、今はもう、私は一人ではない。


 隣には、生涯を共にする、愛する人がいる。


「——アレクシス」


 私は、そっと彼の名を呼んだ。


 彼は、優しく微笑んで、私の手を握り返した。




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― 新着の感想 ―
その王国は必要かい? 国王からして無能だからもう公爵パパが新しい国王になってもええんちゃうかな?w
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