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迷宮戦闘(ダンジョンバトル)  作者: 轟号剛


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4/32

準備終了

一回戦の開始までにプレイヤーに与えられた準備時間はゲームの世界に入ってから15分。


準備時間が終わると先程、ゴーレム達を生み出した部屋にあるゲートが対戦相手のダンジョンのゲートと繋がる。


しかし、準備時間中は相手のダンジョンに転送されることは無く別空間で待機する事になる。


試合開始とともにに一斉に相手のダンジョンに転送されるのだ。


ちなみにこの相手陣地への初期転送はプレイヤーとユニークモンスターは行うことができない仕様となっている。


相手ダンジョンに最初に送り出す魔物と自分のダンジョンの防衛へ回す魔物。


まずはその配分を決めなければならない。


既に5分の時間が経過しているため、賢は残りの10分間で魔物達の特性を活かした作戦を考えなければならない。


「よし、やるか」


賢は置いてあった椅子に座ると両手を組んで目を閉じる。


それが賢が一番頭を働かせやすい態勢なのだ。


-


5分後、賢はゆっくりと目を開ける。


そしてホワイトマジシャン達の元へと行くと涼しげな顔で三体の魔物の猛攻を避け続けているホワイトマジシャンがいた。


「お帰りなさいませ、マスター」


いつの間にか自身の隣に現れるホワイトマジシャンにため息を吐く賢であったが、三体の魔物達は賢の命令通りまだホワイトマジシャンに襲いかかろうとこちらに走って来ていた。


「もういい。やめろ」


賢のその一言を聞いて3体の魔物はその場で立ち止まった。


「良い台本は書けましたか?」


ホワイトマジシャンは賢の顔を覗き込みながら問いかける。


「あぁ、時間もねぇ。

 パッパと作戦を伝えるぞ」


賢はホワイトマジシャンに作戦の全容を伝えた。


それを聞いたホワイトマジシャンは初めて驚いた顔を見せた。


「ほぉ、、

 完全に武闘派なタイプだと思っていましたが、、」


ホワイトマジシャンは初めて賢に関心した態度を取る。


「間違ってねぇよ。

 座学だって得意ってわけじゃねぇ」


賢は口ではそう言いながらも学校ではどの科目の成績も上位に入る程秀才であった。


「ウルフゴーレム。

 今回の試合の鍵はお前だ」


先程ホワイトマジシャンを襲わせたように魔物達は人語を理解し、命令すればその通りの行動を取れる。


賢はウルフゴーレムにある指示を伝えた。


"ピピピ

間も無く一回戦を開始致します。

対戦プレイヤーのダンジョンに送る魔物を選択下さい"


頭の中に電子音が響くと目の前に光の文字が現れる。


賢は迷いのない操作で魔物達の配分を決定する。


スライム 100体

ウォーウルフ 50体

ゴーレム 25体

ウルフスライム 1体

ゴーレムスライム 1体


上記が賢が決定した相手プレイヤーへ転送させる自分の魔物である。


融合体以外の魔物は均等に半分を送り、残りの半分にウルフゴーレムとホワイトマジシャンは自分のダンジョンへ残すよう設定した。


更に相手のダンジョンにどのような配置で出現させるかも選べるため、ウルフ、スライム、ゴーレム、ウルフスライム、ゴーレムスライムの順に配置をした。


俊敏性の高いウルフに最初盤面を掻き回してもらい、後続の魔物達に続かせるというのが趣旨な配置である。


また、転送される対象にプレイヤーは含まれないため、開幕早々に賢が相手プレイヤーのダンジョンに入る事は出来ない。


それはつまり全勢力を送り込んだ場合、自分のダンジョンにはプレイヤーの一人だけが残されてしまう事を意味する。


"両プレイヤーの設定終了を確認。

3分後、試合を開始致します"


再度頭に電子音が響くと、転送対象に選択した魔物達が目の前から消え去った。


「よし、お前ら配置を伝える」


賢はスライム、ウルフ、ゴーレム、ウルフゴーレムの順にゲートの前で整列させた。


スライムで敵の動きを様子見させた後、後衛の魔物達で一気に畳み掛けるような配置である。


そしてホワイトマジシャンもウルフゴーレムの横へと移動するとウルフゴーレムを優しく撫でる。


それを見届けた賢は満足そうに奥の部屋へと戻っていった。


「絶対優勝してやり直すんだ」


賢は小さく決意を口にすると熱い闘志を目に浮かべた。

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