14 自己主張
『もうすぐゲーム終わるな』
『だね』
『さーて、最下位はどっちかな』
『言い方に悪意あるなぁ』
❤︎6は昔から自己主張ということが苦手だった。
自分の意見はおかしいのではないか、周りは自分の話を聞いてくれるのだろうか。
そんな不安が脳裏をよぎり、なかなか意見をいえなかったのだ。
そして、それは今も例外ではない。
世界を渡った彼女を待ち受けていたのは♣︎6。
彼女は無理やり❤︎6を襲い、消えるために身体を密接させるが、❤︎6はそれを拒むことができなかった。
相手を傷つけないかという不安と、自己主張に慣れていないという理由からだ。
……いや、なのに……
そう思うが、もちろんそれは伝わるはずもない。
「拒まないってことは、そういうことだよね?」
「……」
「ふふ、可愛いなぁ」
むしろ、本来の思考とは的外れなことが伝わってしまっている。
……もし、自分に自信があったら、♠︎6に……
❤︎6は自分の想い人のことを考えながら、溶けて消えていった。
『お前もあと一枚かよ』
『ふふふ、俺は運がいいのさ』
『3位以下確定なのに?』
『それをいうな』
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Aの世界 0枚
Bの世界 3枚
♦︎A ♠︎5 joker
Cの世界 1枚
❤︎A
Dの世界 1枚
❤︎5
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物語のヒント
溶けている間、少女たちは今まで感じたないくらいの幸せを感じるらしい。
しかし、それは本当の幸せなのだろうか。