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10 世界の破滅

『流れ変わってないじゃん』

『……こっち見ないで……』

『安心しろ、お前の代わりに俺が流れを変える』

『え、それ流行ってるの?』


 ❤︎5もまた、想い人を探して世界を渡るようだ。

 彼女は世界を渡るということに強い不安を抱いていた。

 今まで体験したことがないことだから、当然といえば当然だ。

 しかし、今までたくさんの少女たちが世界を渡って行ったり、渡ってきたりしている様子をみて恐怖心がマヒしてしまったようだ。

 不安よりも、もしかしたら想い人がいるかもしれないという希望の方が勝っている。

 彼女は希望を持って世界を渡った。

 その世界に5は1人もいないのだが。


『流れを変えるとは?』

『く……殺せ……』

『どうでもいいから次引くよ』

『何気に残り1枚じゃん……はい、好きなカードどうぞ』


「今度こそは、消える……」 


 そう言って❤︎Qは世界を渡る。

 彼女が世界を渡るのは2回目。世界を渡るということは決して楽な行為ではない。

 しかし、消えるためならばどんなこともする。

 それが❤︎Qという少女だ。

 そして、2回も世界を渡るという努力は、報われるようだ。

 ❤︎Qが次に降り立った世界に、同じくQという数字をもつ者である♣︎Qがいたのだ。

 

「ハートちゃん……きてくれたんだ」

「そうね。だからさっさと消えましょう」

「もちろん。ハートちゃんが望むなら」


 そういうとお互いはお互いの身体を求めて、身体を密接にする。

 腕が溶け落ち、顔はもう原型を留めていない状態になってもなお、お互いを求めることをやめない。

 彼女たちは意識が消えるその瞬間までお互いを求め続けた。

 そして、醜い泥の塊のような姿になり、消えていった。


 そのとき世界に変化が起きた。

 何もない空間にヒビが入り、そこから世界が音を立てて崩れ始めた。

 この世界の破滅は止まるということを知らず、むしろ加速していく。

 

 ……数分後、もともと世界はなかったかのように、消え去った。


 これが少女たちが1人もいなくなってしまった世界に起こる破滅だ。


『よし、1番抜け!』

『はやっ! もう上がったのかよ』

『流れが変わった……』

『俺はもうツッコミ入れないからな?』



ーーーーーー


Aの世界 0枚


Bの世界 3枚

♦︎A ♠︎5 ❤︎6


Cの世界 5枚

❤︎8 ♣︎J ♦︎10 ❤︎A joker


Dの世界 5枚

♣︎6 ♠︎8 ♦︎J ♠︎10 ❤︎5


ーーーーーー

 物語のヒント

2人目のjokerはどこにいるのだろうか?

そもそも存在しているのだろうか?

ここまで読んでいただきありがとうございました!

次回もお楽しみに!

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