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第二十九歩 女たらし

元号が変わって最初の更新です!

令和も頑張っていきましょう!

「そ、れ、で、どこの、誰の、どんな、どれくらいかわいい子と遊んでたんですか!」


 なんでそんなに気になるのかわからないがとりあえず引きずり出す。


「別に遊んでたわけじゃないよ。何者かに襲われてる子がいたから助けてあげただけ」

「それでその子のどこが良かったんですか?」

「血を被っちゃってたから宿屋のシャワー使って」

「やっぱり顔ですか、顔が可愛かったんですか!」

「うるせぇな! どんだけ気になんだよ。なんだ? 異世界に来たせいでさらに人外に近づいたのか? 話が噛み合わねぇー!」


 首しか出ていないのでさらし首みたいになってるアオイの前で頭を抱えながら空を見上げる、頭は人間、体は化け物のライトくん。


「聖女様ー、どこにいらっしゃるのですかー」

「う。やばやば」


 遠くからメイドの声が聞こえてきて、アオイが驚いた顔をしながら植木の中に入り込む。


「あ、ライト様。この辺で聖女様を見かけませんでした?」

「聖女ってもしかしなくてもアオイのことだよな」

「はい、不治の病を治し、悩める人々に手を差し伸べてくれる聖女様です」


 完全に神や何やの類になってしまった天使アオイ。


「(これって教えても大丈夫なのか?)」

「(大丈夫じゃないから隠れてるんですよ!)」


 すごく一瞬ライトの顔が悪い顔になる。

 さっき色々と言われたからその仕返しをしようと考えるが、


「聖女様は私たちの救いです。私たちが道を外れないようにあの方が導いて下さるから魔王に支配されたこの国も暴動もなく、幸せを保っていられるのです」


 キッラキラした目でアオイを思い出しながら語る。


「(ナイナ以外に信者を増やしたってぇのか。というかこの国自体がアオイを崇めているのかもな)」

「どうかされましたか?」

「いや、なんでもない」


 少々の前でいつも使っていた笑顔を顔に貼り付ける。


「この辺では見てねぇな。魔王のところに向かったんじゃねぇの?」

「魔王のところに……、ありがとうございます。私は聖女様の安全を確認しに行きます」

「おお、行ってらっしゃい」


 メイドがスタスタと急いで歩いていく。魔王の居場所がわかるあたり、レンは魔王城ではなくこちらに来ているのかもしれない、


「これでいいのか?」

「ありがとうございます。あの人たちの期待、ちょっと重いんですよね」


 と、話すアオイの首は近くの部屋の前に飾ってある花瓶の上だ。


「そろそろその仕組み教えて貰ってもいいか?」

「これですか?」


 と、明らかに自分より小さい花瓶から体を引っ張り出す。


「色々と読んでたらですね、水面をこの世界と神の世界の境界と見立て、神様を召喚する魔法があったんですよ」

「ふむふむ」

「その理論を応用して水面を使った移動方法を作ってもらったんです」

「レンに?」

「レンくんに」


 ライトが植木を確認してみると先程水やりされたばかりなのか葉っぱの器に直径10センチほどの水溜まりが出来ていた。


「1回教えて貰えればそれからはずっと使えますからね」

「ほんと何なんだろうなその頭は」

「さぁ、私もよく分からないので」


 と、ちょっと考えたせいかアオイが頭の中に余計なものを見つける。


「そうでした! 助けた女の子とはあの後どうなったんですか?」

「それはそれでどうしてそこまで気になるんだろうな」

「だってライトはダンタリオンといい雰囲気だったじゃないですか」

「どこをどう見てどう考えたらその結論に至るのかわからないんだが」

「だって」


 と、アオイが1冊の本を取り出す。


「私とレンくんは1つの本にまとめられているのにライトだけ別冊ですよ」


 と、ペラペラめくっている本にはライトの名前が題名として書かれており、そこにはライトの黒歴史が


「まぁ黒歴史になりそうなものは何もねぇからいいけど、なんか恥ずかしいな」


 どうやらデフォでかっこいい言葉と共に女性を救えるタイプの馬鹿のようで、少しだけ照れながらアオイの感想を待つ。

 アオイは少しペラペラやっただけで本を閉じる。


「相変わらず、最低のクソ野郎ですね」

「は、え?突然何?」

「いや、まさかあっていない2年の間に2桁以上も助けてその後も色々と話してるとは」

「え、だってメールとか送ってくるし」


 さらにアオイの目の温度が下がっていく。


「二人きりでご飯食べに行ったりもしてますよね」

「そりゃ、誘われた時に予定がなかったら普通行くだろ」

「特定の1人ではなくたくさんの人と」

「平等だろ?」


 なんかもうアオイの眼光だけでアイスが作れそうなくらい冷えてきた。


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