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エピローグ:ハジメの独白

 あのとき、私はなんでアルの手を握ったのか。自分が、彼が生き返ることを信じていたとは思えない。単に、そうしてあげないと――レイジがしていたことを見守ってあげないと、彼も諦めきれないと思っただけかも知れない。


 ある人は今回のことを奇跡と言った。


 奇跡ってなんだろう。合理的に考えることをずっと教えられてきた私にとっては、それは単なる偶然と同じもの。本当に低い、ごく僅かな確率の結果が、たまたま現れただけ……。


 だけど、今はそんな事はどうでも良いと思う。レイジのお陰でアルは助かった。後遺症も残らなかった。それを奇跡と呼ぼうが、偶然と呼ぼうが結果は変わらないし、起こり得た悪い結果のことなんか今は考えなくて良い――。


 そういえば、あの後私たちは警察にこっぴどく怒られた。手出し無用の注意喚起が出ている現場に、勝手に乗り込んだのだから仕方ないだろう。一応私は、『任務に集中しすぎていて注意喚起に気が付かなかった』という言い訳をしたが、それはそれで問題だと、あまり効果はなかった。


 それでも探偵の仕事を数週間停止するだけで処分は済んだ。理由は簡単だ。過程はどうであれ、私たちは事件を最高の結果で解決した。警察からすると、子ども達を全員無事で保護し、スパイたちも全員生きたまま確保できたわけだ。


 多少の問題はあっても優秀な結果を残す人材が仕事をできなくなってしまうのは非合理的だから。


 そんな理屈をレイジに伝えると、彼は『未来も悪くないな』と笑った。

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最後までお読み頂き誠にありがとうございました。

SFっぽいけどライトな 、ディストピアっぽいけど前向きな、理屈っぽいけど勢いのある

そんな作品を目指して書きました。


底辺作家として悩んでいます。

「こうしたらもっと面白くなる」そんなアドバイスを頂けますと幸いです。

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