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平民の黒魔術師  作者: Rin
第一章 修行
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謙り

『力を欲するか……悪魔の力を欲するか』


 いつしか聞いたような厳かな声が頭の中を木霊する。

 今は眠いのに、静かにしていてほしいものだ。


『汝よ、力を……』


 だからよぉ、うるせえっつてんだろ。

 失せろよ。


『話くらいは聞いてもらわないと、その……なんというかこちらの都合もありまして……』


 急に謙りやがった。

 そっちの都合なんてどうでもいいんだよ。

 まあいい、話せ。


『分かりました。あなた、悪魔を宿す素質がありまして、なので声をかけているんです』


 で?


『それで、私と契約致しませんか? というものです』


 契約しなかったら、ずっと囁き続けるのか? 人の睡眠中に。


『恐れ多くも、はい』


 分かった。契約したら、体が不自由になるとか無いよな?


『はい、むしろあなたにとって都合のいいことばかりだと思います』


 分かった。契約しよう。


『ありがとうございます』


 あ、もう契約終わった感じ?


『はい』


 嬉しそうに返事をするなぁ。

 んじゃ、とりあえず、朝5時30分に起こしてくれ。


『承りました』


 

 次の日の朝、僕は悪魔の囁きで起きた。

 なんとも心地が悪い。

 それはどうでもいいか、まずは師匠に挨拶だ。


「おはよう、師匠」

「珍しいな、自分で起きるなんて」

「まあな」

 

 僕は、ささっと準備を済ませ、ギルドに赴く。



 僕にできそうな依頼は無いか探す。

 今日の依頼は……。


 鍛冶師手伝い

 誰でも歓迎。


 これに決めた。

 僕は受付に歩いていき、この依頼を受注する。

 さくっと受注し終えると、目的の鍛冶師のもとに歩いていく。

 場所は大通りの武器屋の隣だ。

 そんなに遠くない。

 やがて到着し、声をかける。


「すみません、ギルドの依頼を受けたものです」


 しばらくして出迎えたのは、見るからに頑固一徹の鍛冶師という風貌の男だ。

 

「おう、頼む」

「あ、僕、午前中に仕事を終えて帰ります」

「そうか、分かった」

「それで、何をすればよろしいですか」

「そうだなぁ、じゃあ材料となる鋼を運んでくれ」

「はい」


 僕は、せっせと鋼を運んでいく。

 少しの間休憩し、また作業を再開する。

 今度は完成した製品の整理。

 これは数が少ないからすぐに終わったな。

 僕は黙々と作業を続けた。

 

そして12時


「あ、僕帰らなければいけないんで、ありがとうございました」

「おう、いい仕事をしてくれた。ありがとう」


 ここの親父は悪い人ではなさそうだ。

 何か必要なとき、頼ってみるのもいいかもしれない。

 その後ギルドに戻り報酬を受け取り、師匠の下に帰る。


 結局、魔力刃の生成はできなかった。


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