9話 ストーカー 3
「殺す殺す殺す殺す殺す殺すぅ!!」
「おっ、と。あっぶね」
俺はストーカーのナイフ攻撃をただ避け続けた。
「クソ、うぜえ! 死んどけ!」
ナイフ野郎は、俺に当てようと血眼になりながらも襲ってくる。
「くっ……」
避けるのに成功したが、制服にかすってしまい、少し破れた。
「何で当たらない!?」
そりゃあ俺はアニメや漫画やラノベやゲームで敵の攻撃を避けるシーンを見てきたからな。そのおかげで避けられた。真似することは大事だぜ?
さて、こっちも覚悟決めて仕掛けるか。
そう思った瞬間、俺はストーカーに向かって走る。
ストーカーはナイフを振るってくるが、避ける。そしてそのまま、ストーカー野郎の腹を殴る。
「ぐ!?」
「結構痛いだろ?」
俺はオタクでありながらも、女子にモテるために体を鍛えていた。なので筋肉はある方だと思う。
まあ結局モテずに女子に引かれていったがな。
だからもう無意味と思い筋トレは止めた。
「もう止めろや」
「うるさい!! あああああ!!」
まだ俺を殺そうとナイフを振るう。
「流石にしつこい」
俺はナイフを持つ手を掴み、空いた手で顔を殴る。
「がっ!?」
かなりのダメージだと思う。
ストーカー倒れたし。気絶したな。
「よし、これで一件落着」
こいつを連れて警察へGOだ。
「優雅君!!」
「え?」
俺が振り替えると同時に、胸に誰かが飛び込んで来た。
「え、優理!?」
「もう! 心配したんだから!」
「え? 何でお前ここにいるの?」
「スマホ!」
そう言い画面を見せてくる。
画面には通話中という文字が。
「あ……」
俺通話したままだったな
「ストーカー来なかったからスマホで連絡しようとしたら、殺すとか聞こえて、それで優雅君を探し回って、やっと見つけたと思ったらなんかナイフ持ってる人の顔殴るのが見えたから……」
「ああ、こいつがストーカー確定だ。俺を殺すって言ったぐらいだし」
「そっか…それで、今からどうするの?」
「警察行ってこいつプレゼントする」
「私も行っていい?」
「ああ」
それから俺と優理で警察署へ行き、ストーカーをプレゼントした。
ストーカーの名は吉田と言うらしい。
優理が好きすぎてやばいやつだったとか。
正直ナイフ野郎相手に勝てたのは奇跡だ。ほんと危なかったぜ、てへ☆
そして今はと言うと
「~♪」
俺の腕にしがみついている優理さん
「あの優理さん、随分機嫌良いですね?」
「そりゃあ大好きな人が私のために頑張ってくれたから」
大好きな人……
めちゃ嬉しいわ。この言葉の為に頑張った甲斐があったと思う。
「それにしてもよく勝てたね」
「まぐれだ」
「二度とこんなことしないでね? 危なかったらすぐ警察呼んでね? もし優雅君が死んだら私……」
「心配かけてごめんな、優理」
「ほんとそうだよ!」
おいおいそこは、もう大丈夫。とかでしょ~。
まあそんなとこも好きだけどな。
「オタクもやるねってことが分かったよ!」
ニヤニヤして言う優理。
そんな彼女に、俺はドヤ顔で言ってやった。
「オタク舐めんな!」