表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

8話 ストーカー 2


「………」


今の私は顔が死んでいることだろう。

あんなことがあれば………

写真と手紙は鞄の中だ。家に帰って捨てるつもり。



「はぁ……」

一人で校門を通る。






「お疲れ様」

「え?」

突然声をかけられた。



「優雅君……」

そこには、帰ったはずの優雅君がいた。

彼の顔を見ると、自然と笑顔になれる。


「帰ったんじゃなかったの?」

「優理を待っていた」

 

嬉しい。委員会がそんなに長くなかったとはいえ、待っててくれたんだ。


「ありがとう。帰ろっか」

「ああ」



彼にこの事を相談していいのかな。誰がしているかも分からないこのストーカーのことを。



二人並んで歩いていると、突然優雅君が止まる。

「優理」

「何?」

隣を見ると、真剣な顔をした彼がいる。


「何かあったのか?」


ドクン。私の心臓が跳ねた。




「どうしてそう思ったの?」 


微笑んで聞く。

  









「いつものお前らしくないからだ」


ああ、本当に優雅君は私をよく見てるんだなって思う。



「まだ付き合って2週間ちょいなのに、私のこと全てを見られてるみたい」

「そんなことはないよ。ただ、何か悩んでいるのなら俺に相談してほしい。力になれるかは別として、俺はお前のことが好きだから、好きな子が困ってるなら助けたい。」

「優雅君………」


もう、そんなこと言われたら………









「実はね。テストが終わってから……ストーカーされてるの」

「ストーカーか。誰にされているか分からないよな?」

「うん。それでね、さっき靴箱にこれが………」

そう言い私は写真と手紙を見せる。


「なるほど。こいつはお前のことをよく監視してるらしいな。しかも住所まで知ってるのか」


俺の見ている写真には、優理の家の近くの風景が写されている。

ということは、こいつは優理の家の近くまでわざわざ来ているのだ。


「朝視線を感じるの。見られているような……」

「なるほど……もしかして今の会話も聞かれてる?」

「それはないと思う。もう帰ったんじゃないかな」 

「俺みたいに待っている可能性は?」

「どうだろう……」

俺は小声で言う。

「俺が言いたいのは、もしストーカーが同じクラスなら、優理が委員長ってのを知ってるはずだから、俺のように待ってる可能性が高いってことだ」 

「違うクラスでも待ってる可能性は?」

「あるかもしれないが、ほとんど無いと思う。おそらく自分より早く帰ったと思うだろうな」

「じゃあ、今も私たちのこと……見てる?」

「同じクラスなら、可能性はある。とにかく今はキョロキョロせずまっすぐ帰ってくれ。スマホを電話状態にして、スピーカーオンにしてポケットに入れてくれ」

「分かった」


俺と別れた後、もしかしたらストーカーが現れる可能性があるからな。 



優理は俺の言った通りにスマホで電話をかけた。

俺は電話にでて、ポケットに入れた。 






「じゃあ、また明日ね」

「ああ。じゃあな」

 

いつもの別れ道で、俺たちは別れる。

さあ、来るかな?








「………」



優雅君の作戦は私も分かった。

彼、学力は真ん中だけど知性は高いな。

とっさに思いついたし。


とにかくまっすぐ帰ろう










「何も聞こえないな」


俺は優理と別れた後、スマホを耳に近づけたまま帰っている。






「桐生優雅」

「っ!?」




突然名前を呼ばれ、驚いた。

振り返るとそこには、俺と同じ制服を着て、帽子とマスクを付けている男がいた。



なるほど、俺狙いか。



「お前誰?」

とりあえず聞いてみる。

「聞かれて答えると思うか?」

「いや、思わない」


流石に答えないよな。顔面完全に誰か分からないようにしてるしさ。




「それで、俺に何の用?」

「お前を殺す。僕の嫁を誑かしやがって!」


誑かすって。普通に付き合ってるんだけどな……

てか、嫁発言ワロタ。


「ともかく、殺す!」

そう言い、ポケットからナイフを取り出し、俺に向かって走って来た。



やれやれ、面倒くさいな。




次回 VSストーカー!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ