オオカミしょうじょ♡
初めまして。メンタイコです。
これは冬の童話祭2018に投稿しようと考えている作品です。(感想をどしどしお待ちしております。)
これは「もしもオオカミ少年の主人公が傲慢な美少女なら」というお話です。
ここは、草木の生い茂る草原が広がる小さな村。
「キャハハはは」
私に学校の女子トイレの天井から水をかけて楽しむ女子生徒の笑い声だ。
「何この女...少し可愛いからって調子にるんじゃない!」
まぁ、確かに私は可愛い。この村一番の美人と言っても過言ではないだろ
「水をかけられてているのに何も言い返せないなんて、とんだチキンね」
言い返せないのではない。言い返さないのだ。
『シーン』
いつの間にか私の入っていたトイレの前は静かになっていた。私が何も反応しなかったので、女子生徒達はいつの間にかいなくなっていた。
このような事は私が学校に来る度におこる...もう、日常の一部だ。いちいち相手にしていると限りがないので相手にするのをやめた。
だがしかし、私とて人間だ。このような事されて何も思わない訳がない。けれども私の抱えたストレスを発散させる方法は、女子生徒へのやり返し等ではない。そもそも、そのような事をする必要が無いのだ。別に学校の先生や親にチクる訳でもない。なぜなら私には最高の趣味があるからだ。それは...。
「オオカミが来たぞー!羊を襲いに来たぞー!!」
私は大きな声で叫ぶ。村中に響き渡る様な大きな声で。
すると、村人達は事態の収集に勤しむために、家から大慌てで何人もぞろぞろ出てくる。
「オオカミだって!?どこだ嬢ちゃん?!」
「ごめんなさい。また、私の勘違いだったみたい...おじ様たちの羊が食べられては大変だと思っていつも言っているのだけど...こんなに何度も勘違いをしてしまってたら逆に仕事を増やしているようなもの...いつも迷惑をかけてしまってごめんなさい!」
私は涙を浮かべながら、申し訳なさそうに謝った。
「なんだ、そうだったのか...良いんだよ。俺達のことを思ってやってくれている事なのだから」
「許してくれて、ありがとう。おじ様たち♡」
私はニコッと笑い、その場を後にした。
ちょろい。少しカワイイ子ぶるだけでこんな感じだ。
それに、オオカミが来たなんて嘘に決まっているじゃない... 私は嘘が好きだ。
それもただ好きなのではない。大好きなのだ。私に騙されて、踊らされている村人の姿は堪らない!...この楽しみさへあれば私はいい。
それに、私は可愛い。黒い髪に黒い瞳をしている私は日本人形のように美しく、村人の男性は全員私に虜なのだ。
だから、もし仮に私がわざと騒ぎを起こしていることがバレたとしても、私を攻める男性はいない。
この村の男性はそれぞれの家計を支える大黒柱。そのような者達を攻めるものは誰もいないのだ。
なので、私の本性に気づいているであろう女性達も口を出せないのだ...笑える。
私は次の日も嘘をついた。
「オオカミが来たぞー!羊を襲いに来たぞー!!」
今日も昨日と同じように村人は私の嘘に無様に踊らされている。でも、何かが昨日とは違う。
私を見ている1人の少年の姿が合ったのだ。
次の日もまた、次の日も私が嘘をつく時間になると少年の姿があった。
私は耐えかねて少年に話しかけることにした。
「ねぇねぇ、私に何か用?」
「...」
少年は何も答えない。
私は耐えかねて、怒鳴るようにもう一度訪ねた。すると...。
「もう、嘘をつくのはこれ以上やめといた方がいいよ」
私は驚いた。まさかこの少年に私のことがバレているなんて...私は必死に惚けた。
「な、何言ってるの?嘘?そんなの私が言うわけないじゃない。馬鹿じゃないの?」
すると少年は消えるようにその場を後にした。
「何なのあの子!...」
私は気分が悪くなったのでその日は早めに帰宅することにした。
次の日の朝、学校に行くとクラスの女子達がコソコソと内緒話をしていた。恐らく、私のことだろう...私の方をチラチラと見ながら話しているのだから。
けれど私は相手にしない。底辺の人間なんかに構っている余裕などないからだ。私は可愛く容姿端麗。何をとっても完璧なのだから。
私は今日も嘘をつく。私を見ている少年のことなどいつからか気にしなくなり、毎日、毎日、いつも通りに嘘をついた。嘘をつくのは最高だ!
だが、ある日。いつも通りに嘘をついていると、少年の方から声をかけてきた。あの日とは逆だ。
私の傍に駆け寄りまたあの言葉を口にする。
「もう、嘘をつくのはこれ以上やめといた方がいいよ」
また、それか...と、思ったが続けて少年は口を開いた。
「僕は以前この村で貴方のように嘘をついて遊んでいた。...でも、僕は最後村人のみんなから信用を失い...」
少年は途中で喋るのをやめた。それは、何か嫌なことを思い出したとか、そういう訳ではなく、村人の女性の1人がこちらへ歩いて来たからだ。
「ねぇ、ちょっと貴方...着いてきてくれる?」
私は首を縦に振らず、横に振った。この女性に着いていく道理などどこにもないからだ。私はわたしを呼び止めようとする女性を無視し、帰宅した。どこへかいつの間にか消えた少年を気にしながら。
次の日も私は学校に行くとクラスの女子たちが私の方を見ながらなにか内緒話をしているのを目撃する。
「ちょっと、何か私に言いたいことがあるなら直接言いなさいよ!」
流石の私も我慢の限界だ。
すると女子達は『ニタ』と不敵な笑みをこぼして何も言わず去って行った。うっとおしい。
その日の夕方。私の前に現れたのは例の少年ではなく、数人の村の女性達だった。
「今日は一緒に来てもらうわよ?」
口を開いたのは、昨日、私を呼び止めようとした女性だった。
...今回は前回と違い、1人ではなく数人の女性を連れている。私は女性達に着いていくことにした。仕方なく...だ。
女性達に連れて行かされた先には多くの村人の女性達が待っていた。恐らく村人の女性全員だろう。
「貴方、私達が気づいていないと思ってるの?わざとオオカミが来たなどと嘘をつくことによって、村の男性達を集めてはその度に色気をつかって男達を誘惑し、味方につけていると言うことが!」
「は?なんのこと?何言ってるのか分からないのだけれど」
「とぼけないで!私達が貴方の本性を伝えようとしても、全く聞く耳をもたないのだから!」
私は内心焦っていた。実際、少し私が嘘をつく同期からは少し外れているだけれども。女の勘というものなのだろうか少し当たってる。
...まぁ、分かっていた。わざと嘘をついて騒ぎを起こしていることがバレているのではないか?ということは何となく分かっていた。分かっていたのだが...。
ここは素直に謝るべきなのだろう...でも、私は謝らない。私はこのような貧相な村人共とは違うのだから。
「この村から出て行ってくれない?出て行かないて言うなら...」
それを言いながら刃物をチラつかせたのは何を隠そう、私の母親だ。いつもニコニコしていた母の面影はなく、母は今までに見たことのないような顔をしていた。今にも産まなければ良かった等と言い出しそうな勢いだ。
私は............逃げた。
村人の男性を味方につけている私には何もできない筈だが...私は逃げた。アイツらの頭はどうにかしてる!いくら私が疎ましいからて...。
私は走った。ひたすら走った先は村の端にある沼地だった。そこには...。
例の少年がいた。少年は前に見た姿とは異なっていた。頭部を半分。体の左腕、左足周辺を何かに噛みちぎられた様な姿をしていた。
「つっ...」
私は言葉を失った。
「だから言ったのに...これ以上嘘をつくのはやめといた方がいいて」
少年は何かを知っているこのような反応をした...私はずっと疑問に思っていた事を少年に問いた。
「あなたは何者なの?」
すると少年はこう答えた。
「僕は20年前にこの村で、『オオカミが来たぞー!羊を襲いに来たぞー!!』と嘘をつき、本当にオオカミが来た時には村人からの信用を完全に失い、羊と共に食べられたひつじ使いだよ」
私はまたまた言葉を失った。なぜなら少年の姿はどっからどう見ても10代前半なのだから。30代なんて年齢には見えない。それに、その体はどう見ても。。。
「幽霊なの?」
私のその問に、ひつじ使いの少年は首を横に振りこう続けた。
「僕は君を迎えにきた、悪霊だ。僕も君みたいに嘘をつくのが『だーいすきなんだ!』始めはほんの少しの興味本位だったのだけれど、君を見てると段々君が欲しくなったてきた。さぁ、一緒においで。僕達は友達になれる。さぁ」
少年は少しづつ私の方へ近づいてくる。
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」
私はただひたすら叫んだ。しかし、こんな村の端にある沼になんて誰もいるはずもなく、誰も助けには来ない。
ひつじ使いの少年は笑みをこぼし、こう言った。
「お迎えの時間だ」
そこには数匹のオオカミの姿があった。
私はまた逃げた。こう叫びながら...「オオカミが来たぞー!羊を襲いに来たぞー!!」
「オオカミが来たぞー!羊を襲いに来たぞー!!...誰か助けて。」
『ガブ』
どうだったでしょうか?少女は最後村の女性達から疎まれていたのは、嘘をついたからではありません。なら、何故でしょう...。あ、後、読みずらい箇所があれば指摘してください。そうして頂けると光栄です。
現在執筆中オリジナル作品をより良く書くための糧にさせていただきます。σ(´ω`*)