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「とりあえず、ここだと話しにくいだろ。こっちへ来い」
その人は、私にそう言うと歩き始めた。
私もその人の後に続くように後をおった。
何分か薄暗い森を歩くと、大きな門が現れ自動で開いた。
(うわぁー…何ここのお屋敷みたいな所…)
見たこともない門の大きさにびっくりしていると、突然後ろから激痛が走る。
「いたっ!?」
思わず後ろを振り向くと大きなカラスみたいな真っ黒い鳥がいた。
「おい!そいつはお前のエサじゃない」
赤髪の男の人がそう言うと、大きな鳥が人間の形へとなっていく。
「と、と、と、鳥が!?」
突然の出来事に背中の痛みを忘れて見入ってしまう。
そこには、漆黒という言葉がまさに当てはまるような男の人が現れた。
真っ黒の長い髪に健康的ではない青白い肌が見える顔はあまり見えないが
私を見ているのかニタリと笑うと、そのままふらふらと門に向かって歩き始めた。
「…今の人…って…」
「…とりあえず中に入ってから説明する」
そう赤髪の男の人は言うとまたスタスタと歩いって行った。