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「おい…てめぇら何サボってんだ?」
突然背後から聞こえた声に私はさらに固まる。
さっきまで私を好き放題に触っていた小鬼たちも動きを止める。
(その反応を見ると、ボス的なやつがきたのか!?)
「お頭!サボってないですよ!なんかここに人形が置いてあるので、みんなで相談していたんですよ!」
「あ?嘘つけどこが人形だぁ?」
そう言うと、私の頭をがっちりと掴むと力を込めた。
「ひぃ?!痛い痛い!!!!」
突然の事に叫んでしまった私は、口に手を当てた。
「ほぉら、生きてる、さぁお前たちは散れ!」
パッと手を離すと小鬼達は残念そうにその場を去っていく。
助けてくれたのかと思い、その人にお礼を言おうとし振り返ると
あまりにも現実離れしている容姿にびっくりし声が喉の途中でとまってしまった。
真っ赤な赤髪がサラサラ風になびき、前髪が少し長いが目は少し切れ目でいて、相手を怯ませる瞳をしていいが凄く整っている容姿だ。
こんな人が彼氏だったら自慢した過ぎる。
そんな呑気なことを考えていると、耳に突然の指が入ってきて身震いした。
「あんた…なにもの?
もしかしてーまたあっちの世界から来たやつ?」
え?あっちの世界からって私がこっちの世界の人ではない事に気付いてる?!