Episode 01
自分でかいておきながらよくわからない文になっています。
日本語文章をもうちょっと勉強したほうがよさそうですね。
妹が死んでから4年の月日が経っていた。
この4年間、俺はずっと抜け殻のような毎日を過ごしている。
2年前に入学したこの城ヶ峰学園も留年、2度目の高校1年生も夏をもうじき迎えようとしていた。
窓際の席、いつも見慣れた校庭の風景。
授業中にもかかわらず俺は席を立って屋上へと向かった。
最初の頃は先生も止めていたが最近は何も言われない。
先生が諦めるのも無理のない話だ。なにせ2年目にこんなことを続けているやつに情なんて湧くはずもない。
非常階段を上がり、屋上への扉を開くと同時に胸ポケットのタバコに手を染める。
セブンスター、俺の愛煙しているタバコだ。
トントンとパッケージの縁を叩き、出てきたタバコを口にくわえライターの火をつける。
月曜2限のこの時間はどこの学年も体育がない。
聞こえるのはセミの鳴き声と風の音だけ。
まるでこの世界にたった一人、放り出されたような感覚。
この感覚だ。いまの俺にお似合いのこの空間。
そんな空間にこそ今の俺にふさわしかった。
少し蒸し暑い屋上に吹き抜けるそよ風。
短髪とも、長髪ともいえないボサボサの黒髪をなでるようなこの風がタバコの煙とともに吹き抜けるこの感覚は嫌いではなかった。
いつものようにタバコを靴で消し、非常階段を下って何気ない顔で教室へと戻る。
それが俺のやり方。過ごし方。いつものこと。
だが今日の1年4組の教室は少し違っていた。
正確には教室ではない。
教室の外、扉の前に見慣れない少女が立っていた。
なにやら扉に手をつけては下げてを繰り返している。
「4組に何か用か?」
「あっ、いや……」
少女は俺の顔をみるとさっと手を下げた。
制服、カバン共に新しくどうやら転入生のようだ。
俺の顔を見つめるだけでだんまりだった。
「転入生か?」
「あ、はい……本当ならもっと早く来るはずだったんですけど……」
「初日から遅刻して入りにくいわけか」
少女はうつむき気味に小さく頷いた。
不器用な子だなと俺は思いつつ頭をゴシゴシとかき回し、少女を遮って教室の扉を開けた。
「華原くん、扉はそっと開けなさいね……」
思いの外強く扉を開けてしまったためガン!と言う音で教室中のやつらから注目を浴びてしまった。
「この子が教室の前に立ってたんですよ」
「あぁ、転校生の……そういえば今日からね」
俺は入りにくそうにしている少女の背を押して中へと入れると廊下側の隙間から窓際後ろのマイプレイスへとそそくさと戻っていった。
「ええと、雛菊さんだったかしら? とりあえず自己紹介してくれる?」
「あ、はい……」
先生が教卓にあるクラス名簿に目を通しながら少女……雛菊の名前を授業中の黒板にカッカッと大きく書き始める。
「雛菊 葵です……県外の高校に通っていたんですけど両親の都合で祖父の家が近い城ヶ峰学園にやってきました」
「大遅刻の言い訳は初めての電車通学に慣れなかったからといったところかしらね?」
先生の意地の悪そうな言い方に雛菊は少し赤面しながら小さく頷くとクラスの連中はクスクスと笑い始めた。
「まぁ明日からは気をつけてね。 席は……」
クラス全体を見渡すと特に空いている席はなかった。
先生は少し困った顔をしながら雛菊へと視線を移す。
「空いている席がないから、とりあえず後ろにあるあの机で我慢してくれる? もうすぐ授業も終わるし」
「あ、わかりました……」
雛菊は端っこの方から来て、俺の横にあるオンボロ机にカバンを置いて席に着いた。
先生のゆう通りあと5分もすれば授業も終わる。
「あの……」
「ん?」
眠そうにする俺の顔を雛菊は、怯えた子犬が飼い主を見つけたような瞳で俺を見つめていた。
「さっきはありがとう……」
感謝……感謝の言葉?
なんか俺したか?
……あぁなるほど。
「あぁ……いや、まぁ……気にしなくていい」
そんな瞳で見つめられるのは少し困る。
俺は不意に目線をそらしてそっけない返答をしてしまったが、こうやって感謝されるのは嫌いではない。
嫌いではないが……困る。反応に。
「ト、トイレに行ってくる」
「あれ? さっきもトイレだったんじゃ……」
「2度目だ!」
俺は本日2度目の退室をかまして男子トイレへ向かう。
その足取りはなぜか逃げるようにそそくさとしていた。
(何で逃げてんだ俺? 相手は年下だ……なにも臆することはないだろ……)
用を足しながらそんなことを考えていた。
あの時、俺はなぜ声をかけたのか。
いつもならそのままなにも考えずに後ろ側の扉から入ってマイプレイスへと戻っていたはずだ。
本当に気まぐれだった。何となく声をかけた、それだけのことだ。
なのに、そのことが俺は気に食わなかった。
用を足すと同時にチャイムが鳴り響く。
なんてタイミングだ。なんか俺の小便とリンクしているかのようなタイミングで気持ち悪い。
いや今はそんなことどうでもいい。
とにかくなに食わぬ顔で教室へと戻りマイプレイスへと素早くついていつものようにドリ天(ドリフト天国)をカバンから取り出し周りのことなど頭に入らないような顔で熟読する。今はこれに専念せねばなるまい。
俺は手をさっと洗って教室の扉をガラガラと開けた。
「雛菊さんどこの高校からきたのー?」
「彼氏とかいるの? かわいいよねー」
「ほんとほんと! あれ、A○Bのあの子に似てるよね! 化粧とかしないの?」
雛菊は質問攻めにあっていた。
転校生あるある、といった感じか。
まぁ雛菊の動きを封じてくれるのなら何でもいい。
雛菊の席の後ろを息を殺して暗殺者のような足取りでマイプレイスへと戻ろうとした時だった。
「……ッ!?」
「か、華原くん……」
なんてやつだ、俺の存在にいち早く気づいて俺の動きを封じ込めに来たのか服の裾をガッチリと掴まれた。
またあの、捨てられた子犬のような瞳で俺の眠そうな顔を見つめてくる。
「た、助けて……」
「……はぁ」
俺は小さなため息をついた。
どうやら面倒ごとに足を突っ込んでしまったみたいだ。




