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なろう酒場シリーズ

なろう酒場(760文字)

作者: 竹井閑山

もしも貨幣経済が崩壊して

世の中に電子マネーしか流通しないようになれば

なろうのポイントは1ポイント100円で換金されるだろう

そして私はここ、なろう酒場で

声を張りあげ詩を売り歩くのだ

詩 詩 詩はいかがですか

時事詩 諷刺詩 生活詩

あなたの悩みも思いのまま

詩の言葉にしてさしあげます

おい おっさん 恋愛の詩はないのかよ

はい てまえは もう 下半身が役立たず

恋のおうたは歌えません

酒場は朝も大盛況

けれど私は素寒貧

向こうのテーブルは特に盛りあがってる

よかったよ

勉強になったよ

また読ませてね

私はひそかに舌を出す

18歳~22歳の白拍子は

ほっといても客が付くだろう

詩 詩 詩はいかがですか

抒情詩 機会詩 散文詩

あなたの望みを託してみては

詩と賦に変えてさしあげます

うっせえ こちとらファンタジーが読みてぇんだ

場所間違えてんじゃねえか

とっとと退会しろ

奇妙な人ですよ

殺気だった客に畏れをなし

酒場の隅へ逃げこむと

その場にうずくまり低声で

呪いの詩句をつぶやいた

Å◆Θ※Ψ∞Ж%

そのとき私ははっとした

これぞかつてない前衛詩

世界を凍らすに足る言葉

そこへ肩を叩く者があり

ふりかえってみると黒服の男が語りかける

なろう運営です

という予定調和のオチから醒めてみて

なろうにおける詩の役割について考えてみた

歴史の趨勢は小説から詩である

ファンタジーはより神話性を帯びてくる

丸山健二の新作に

あっ「フランダースの犬」のラストと一緒

との感想を抱いたのはつい2年前である

あっ『トリカブトの花が咲く頃』のことね

100年先のサイト内は

詩であふれかえってることだろう

若き国王も女戦士も

詩の骨法を知らなければ

ポイントひとつ稼げないのだ

詩 詩 詩はいかがですか

ホラーもファンタジーも思いのまま

お金に換えてさしあげます

そんな嬉しい時代が来るまで

養命酒をちびちび飲りながら

たばこの煙はなくして

詩を詠み続けなければいけない


続篇も760文字にて執筆予定!?

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