98 お友達できちゃった!
「えいっ!」
わ~、ダブルアウトだ~!
はーちゃん凄い~!
「わあっ!?」
当たっちゃった~!?
はーちゃん……ええとええと~。ドンマイ~。
光です~。
お昼休みだからね~、クラスの人たちとドッチボールしてるの~。
前はこの時間寝てたのにね~、はーちゃんに連れてこられちゃったの~。
「高山っ! 取れ!」
「ほへ~?」
わわ~っ! いつの間にかボールがこっちに~!?
「えい~」
セーフ~、なんとか取れた~。
う~ん、何だかまだ外で遊ぶの不思議な感じするな~。
皆でいっぱいで遊ぶの、はーちゃん来てからだもん~。
はーちゃん~……にボール渡したいけど人いっぱいいるな~。
「佐紀ちゃん~」
「はーいっ! ありがとねん、ピカちゃん!」
何で私はピカちゃんなの~?
佐紀ちゃんいっつもこうなんだよ~。
皆に変わったニックネームつけるの~。
「ムー○ン覚悟!」
「俺は某カバそっくりの妖精じゃねえっ!」
ムー○ンの名前は睦月くんね~。
『む』しか合ってないよ~。
ありゃ~、取られちゃった~。
「よしっ」
「あっ! みよよん危なーい!」
みよよん~?
あ~、相手コート近くで本読んでる子かな~?
危ないってことは味方なんだよね~。
……ドッチボールしながらよく本読めるね~。
「え、村田いたのか!? 影うっすいなお前」
……佐紀ちゃ~ん~。バラしちゃってどうするの~。
みよよん逃げろ~!
「…………美代、こっち……だけど」
みよよんって美代ちゃんって言うんだ~。
「えっ? あれっ? だーもう! ややっこしいからアッチ投げる!」
え~!?こっち~!?
はわ~、逃げなきゃ~。
美代ちゃんのところに逃げたらわかりにくいかな~。
「美代ちゃ~ん~」
「……影うす横へ……よーこそ」
「ほへ~?」
影うす横~?
『影が薄い人の横』かな~?
さっきの傷ついてたのかな~。
「何読んでるの~?」
「……『知ってるようで知らないどうでもいい事』」
……不思議な題名だね~……。
美代ちゃんがまず不思議な子だけど~。
「ひーちゃん危ないっ! 後ろ後ろ!」
ほへ~?
わわ~っ! 真後ろ三十センチ以内に睦月くんが~!
……当たったんだね~。
そしてはーちゃんが入ったんだね~。
「あぅ~、当たっちゃった~」
「よっしゃ、入れる!」
一歩進んで~、はい外野~。
私命中率もスピードも低いから一遍出たら入れないんだよね~。
お姉ちゃんも言ってたよ~。ダーツの的には当たるのにドッチボールでは的が動いて当たらないって~。
だから美代ちゃんとお話ししてよ~っと。
「美代ちゃん~、今日遊ぼ~」
「今日? ……今日、ピアノ」
ありゃりゃ~、ピアノか~。
「明日は~?」
「……大丈夫。……家どこ?」
「水ヶ丘町~」
「それは……全員」
だよね~。
「う~んとね~、う~ん……学校で待ち合わせて行こ~」
「……うん」
もしかしたら私から誘って遊ぶ人って美代ちゃんが初めてかも~。
明日楽しみだな~♪