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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
五月だけど暴走中
97/410

97 鶴を折ろう

「それじゃ、折り紙配るのでとりあえず一羽ずつ折ってください」

 わ~、わ~、千羽鶴だ~。

 いや、だから何って訳でもないけど。

 忍です。

 修学旅行でね、長崎行くんだけどそれで千羽鶴を折ろうって事になった……らしい。

 聞いてなかったから分かんないや。

「篠~、折り紙変えて」

「いいけど……何で?」

「わたし黄色嫌い!」

 小学生みたいな理由だなー。

「あそ。はい、赤でいい?」

「うん、ありがと~」

 ……そー言えば。

 赤も黄色も千羽鶴で使っちゃいけないんじゃなかったっけ。

 よく見れば純兄黒だし、なっくん金だし、清銀だし。

 よく金銀取れたなぁ……。

 オマケにあたし白じゃん。

 使っちゃいけない色のオンパレードだっ!

 まぁ、たいして関係ないらしいし、いっか。

「……忍、鶴の折り方ってどんなだったっけ?」

 ありゃ、なっくん忘れたの?

「三角に半分折って、さらに半分折って……」

「あぁ、分かった、サンキュ」

 コレで分かるの!?

 最初の最初だけなのに!?

 まぁいいや。

 あたしもさっさとやろっと。



「…………篠」

「お前意外と不器用だったんだな」

「うっさい」

 言われないと鶴って分かんないんだけど……。

 羽がある事くらいしか。

「幼稚園の時はもっと酷かったぜ?」

 これ以上!?

「だって羽があるかも分からな……ぎゃっ!?」

「うっさい」

 しーちゃんが怒ったぁ!

「篠の怒りの鉄拳! 清君の後頭部にヒットしました~!」

「そーいや清のは?」

 あ、机の上にあった……って、

「テメェは折ってもねぇじゃねぇか」

「オレは十五秒あれば出来るからな!」

 早っ。

「じゃあやってみて~。よーい……」

 桜、その手の中にあるストップウォッチは何処から出した!?

「スタート!」

 1……2……3……

 早っ!?

 もう正方形に開いて潰すまで行っちゃった。

「……15!」

「セーフ」

 ……ぎりぎりで十五秒だったんだね。

「すげぇ!」

「何か凄い綺麗だし……」

 この才能の一部を数学に割けたら……。

 何も変わらない気がする。

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