95 雷ごろごろ
ピカァッ
…………
どーん! ごろごろごろごろごろ……
『きゃーっ!!』
雷怖ぇ!
いや、雷は怖くねーんだけどな?
雷鳴った時の女子の悲鳴が高くて高くて怖ぇ!
岳だ!
「怖いよォ! 学校に落ちちゃったらどーしよー!」
「避雷針あるから」
「それでも怖いよ!」
んと、何か叫んでるこいつは……里山璃々(さとやまりり)だったと思う。
「ところで修也は怖くねーのー?」
「はぁ? 何がだ?」
「いや、この流れ的に雷だろー?」
「まさか。お前は怖いのか、くく」
おーい、笑うなー! 誰が怖いと言った!?
「修也怒るぞ!」
「それは怒ってねぇのか」
怒っとる。
ところで。
なーんで話し中なのに攻撃されてるんだオレは!?
まぁ、いつもの事だけどー。
「岳ー」
「何だー? 最近出ても台詞一つしかない翔」
「……酷い。そのうち転ぶぞ?床湿ってんだから」
「もうとっくに転んだ!」
「いやそこ威張るなよ」
えへん。
別に転んでも痛かなかったけどなー。
あ、だだ床の木の臭いがきつかった。
ペカッごろごろごろ……
『きゃーっ!』
耳がいてー。
「ちょっと! 近くなかった今の!?」
「近いよォ! 近いよォ! 一秒も無かったよ!?」
学校ん中いたら大丈夫だろー?
避雷針あんだし。
「せーんせ、何食ってんの?」
「雷ビスケット」
何そのまんまな名前&形のビッケ。稲妻形って。
一枚いただき。
ぽりっ
ぱちぱちぱちぱちぱちぱちっ!
「んにゃっ!?」
口がー、舌がー、しーびーれーるー。
「ほら、雷ビスケットでしょ?」
んー、まだしびれる。
もう一枚いただき
「しゅーうーやっ」
「いらん」
そー言わずに、はい、口開けろー。
「と見せかけて、はい翔!」
「むぐ!? むむむむむむ」
うんうん、旨いかー。何かよーわからん声発してるけど。
「お、オレ今日はお菓子貰うのやめとこ……」
「あたしも……」
うん、正しい判断だと思うぞ。
ぴかっ
どーんごろごろごろごろごろ
『きゃーっ!』
そんなに叫んで疲れねーのかな。
オレの鼓膜は大分疲れてんだけどー。
と鼓膜の声が聞こえるような気が……しない。