92 よくある話?
「やれやれ、プラレールとはお子さまですねー」
いや、お前も子どもだろうが。
確か小三だったはず。
純だ。
「ここは、ろーやだから入っちゃダメよ!」
プラレールするんじゃなかったのか?
お袋と秋さんの友達が来てて……、で、その子供の相手をさせられてたりする。
頼まれたわけではなくて……何故か巻き込まれて。
光と岳と春はノリノリで遊んでるけど。
「ほらほら、日向子こっちこっちー」
あー……忍もだった。
「純ー、おぉ、何かよく分からんが凄いことになってるな」
「ん」
「あれ? なんでここ閉まって……「開けちゃダメー! ろーやなの!」牢屋……なんで?」
意外と子供って閉じ込められるの好きだよな……。
確か忍もやってたような。
トイレに閉じこもるもんだから大変だった。
「見て見てー、光ちゃん! びゅーん!」
「わ~! 凄いね~!」
高いところも好きだよな。
「忍ちゃん忍ちゃん! 高い高いして!」
「はゆたんはゆたん! ぐゆぐゆして!」
「ひかりちゃんだっこー!」
……遊具と化しているような気がもの凄くする。
「オレは!?」
『どんまい岳』
「にーちゃん達ひでぇ!」
じゃあ何を言えと。
夏、笑いすぎ。
「岳くんプラレール出来たよー」
『早っ!?』
……あ、脱線するであろう場所がぱっと見ただけでも数箇所。
ところで所々プラレールとは関係ないものが組み込まれているのは何故だ。
ビデオテープとかビデオテープとかビデオテープとか。
「子供らー! ピザ来たよー!」
「お寿司も~」
『わーい!!』
……一瞬にしていなくなった。
食い物ってすげぇ。
「やれやれー、ご飯に釣られるとはお子さまー」
「里奈、行きたいんでしょー、行こ」
「あぅ。うん!」
結局行くのかよ。
「おーい」
『…………』もぐもぐもぐもぐ
「……食い物ってすげぇな。こんなに静かになるって」
いや、声を発してないだけでかなり激しい争いが繰り広げられてるけど。
忍がマグロを取ろうとするだろ?
すると横から電光石火の早業で実由が取る。
……と、その繰返し。
「はーい、お兄ちゃん達の分ね。難を逃れた。つまり人気の無かったネタ」
『あ、どうも』
はっきり言うな、この人。
「ホタテにアジにネギトロにウナギって……人気ねぇのか? 本当に」
「少なくとも忍岳光は食べねぇな」
「……あ、違う、お菓子に行ったんだあいつ等」
……まだ一時なんだけど。
「ポテェトォ!」
『わー!』
なぜにわー?
「……あ、純純、あっち見ろよ」
オバサンもとい大人の方?
……何だかポテトよりは大分高そうなお菓子が数種類。
そしてちゃっかりそのお菓子を盗ってはパクつく忍。
「行くぞ夏」
「あ、やっぱり?」
当然だ。
「あ、純兄ー、なっくん。おいしいよこれ」
忍、その手に持ってるのは何個目だ。
「んじゃ俺も貰お……って。ねぇし」
「あーごめんねー夏君純君! 食べちゃった」
……まぁ、予想はしてたけど。