表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
五月だけど暴走中
89/410

89 霊ちゃんの苦手は

「あー、へーわだ」

 そして暇だー。

 どっすっかな。わざわざ修也ん家までからかいに行くのもあれだしなー。

 岳でーい。

『しくしくしくしくしくしくしくしく』

 三十六、三十六、三十六、三十六、三十六、三十六、三十六、三十六。

 って、え?

 今の九九じゃねーよな。泣き声だよな。

「どこだー?」

『しーくしくしく、しくしくしく』

 ……何かわざとらしく聞こえてきた。

 んー、植木鉢の陰に女の子居るけど、無視だ無視。

「へーいわだなー」

『ちょっと! 女の子が泣いてんのよ! 反応位しなさい!』

 何コイツ。

「はぁ~」

『えっ!? 嘘!? 見えてるの!』

「見えてねーよ」

『見えてるじゃない!』

 見えてねーもーん。

「見えてねー、見えてねー」

『いい加減に死なさい!』

 おーい、死じゃねー! しだ! ひらがなだ!

「はぁー。何だよー」

『うふふー、あ・の・ね!』

「聞くのやーめた」

『何でよ!』

 いやだって、うっとしかったんだもん。

『聞いてよ!』

「えー」

『聞きなさい!』

「命令形!?」

 まーったく、何だよコイツ。

『いーい! 耳の穴かっぽじって聞きなさい!』

「んー、やだ」

『聞きなさいってば!』

「わーったわーった」

 耳元で叫ばないでくれー。

『ふふ、あのねー』

 うわぁ。声がすっげー変わった。

『あれ? えっと……なんだったっけ……あれー?』

 おーい。

「はい、思い出せねーんなら聞けねーなー、残念残念」

『あっ! 思い出した!』

 あー……残念残念。

『あのね! プランターの端っこにね!』

 プランターの端っこー?

『でんでんむしちゃんが居たの!』

 …………。

「……で?」

『かーわいいでしょ! 見てよ!』

「見たら成仏すんのかー?」

『えー……うぅ、分かったわよぅ』

 あり? こんなあっさり行くとは思わなかった。

『ほらっ!こっちよ!』

「……って、これ……どっからどーみてもナメクジだろ?」

 殻ねーんだけど。

『ええええええー!? いやーっ!!ナメクジいやーっ!』

「え?」

 すげー、何かナメクジって分かった途端飛んでった。

 ……わっかんねーユーレイだったなー……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ