81 結局、六年二組とは
「くそっ! 逃げるな!」
「いやっ、とっ、逃げるなっつったってな……わぅっ、よっと」
凄いな……。
なんかよく分からないけど、とゆーより褒めていいのか分かんないけどとりあえず凄いなー。
翔です。
「おーい、二人ともー。程々にしとけよ」
『止めろよ!?』
まぁ、うちのクラスじゃお決まりと化してきた突っ込みはともかく。
何が凄いかとゆーとー。
まず修也から言うと、
1箒の攻撃がハンパなく早い。
それはもう、前世で槍使いでもやってたんじゃないか、と思うほど。
2なんだかんだで窓ガラスとかを割らない。
いや、割りそうにはなったことあるんだけど、スレスレで止めてんだよ。
続いて、岳
1もう絶対本気だろ、な修也の攻撃を全て避けてる。
しかも、教室内を飛び回って。前世で忍者でもやってたのかお前は。
2避けながら修也をからかう余裕っぷり。
前に机から落ちたことなんて綺麗サッパリ忘れてるだろ。
あー……、あと、ギャラリー(おれ含む)は
なんだかんだでそれを見て楽しんでいる、ってとこかな……。
古閑でさえ大人しく傍観してると言う慣れっぷり。
さらに、先生。
二人の格闘? 喧嘩? ……微笑ましい追いかけっこ? これはないか。をビデオでとっているとこ。
ビデオカメラ持ってないんじゃなかったのか。
そして取った奴は何処で使うんだ?
「せーんせー。ビデオカメラどーしたの?」
「買った」
『何のために!?』
「もちろんこの二人のビデオを取るために」
『必要あるのか!?』
ある意味、この先生は超人なのかもしれない。
……いや、変人かなぁ。
「岳お兄ちゃ~ん~」
「たっけるくん! おー、やってるね!」
「よーっ、どした?」
あー……岳の妹。そしてその友達。
ごくごくまれに来るんだよなぁ。
畜生、変わってくれ。おれもこんなかわえぇ妹が欲しかった。
修也との喧嘩? はしたくないけど。
「ん~っとね~、……あれ~? 何だったっけ~」
『おい』
突っ込みは忘れません。
これぞ六年二組。
「ほらっ! あれだよあれ!」
『あれって何だよ!?』
「あ~、あれね~」
『分かるのか!?』
すげー。
「とゆーわけでっ! 岳くん、かくかくしかじか」
『分かるか!?』
「おっけー」
『分かるのか!?』
こ、これで分かるって……んと、なんと呼べばいいんだろう。
「とりあえず、そのかくかくしかじかを日本語でもう一度」
『日本語だ!』『分かってなかったんかい!?』
おぉ、クラスの人数半分ずつで突っ込むとは。
……もしかして、六年二組は全員奇人変人だったりする?
いや、『日本語だ!!』の突っ込みがずれてるような気がしなくも無いけど。