8 調理終了! そのお味は?
「よ~し~、かんせ~!」
その満面の笑みが悪魔の笑みのように見えるのは俺だけか?
純だ。
今、カレーの入った鍋を光がコンロに置きに行ってんだけど……。
そのカレーはとてつもなく不味そうに思えてならねぇ。
何しろ最後の最後に冷蔵庫から発掘した、いつ開けられたかの分からない『開封後は10日以内にお食べ下さい』とか書いてあるピザソースも入れてたからな……。
さっき岳にそれを舐めさせてみたら「めちゃくちゃ不味い」って言ってたし……。
あれを最初に親父に食べさせて大丈夫なモノか確かめようと考えたまでは良いけどその親父もなかなか帰ってこねぇし……。
「……ねー、カレー、出来ちゃった。
誰で人体実験しよーか」
「オレはヤだぜ! さっきの激マズピザソースで充分だッ!」
「アレは岳がジャンケンに負けたからいけないの。
さ~、おとーさんはいつ帰って来るのカナ?」
「あ~~~~~!!」
『えっ!?』
「ご飯炊いてないよ~」
何だ。一瞬カレーを落としてこぼした、ということを期待したのに。
忍と岳も同じみてぇだな。
大げさすぎるほど肩落としてやがる。
いや、ショックで倒れた、って言った方が正しいか。
肩を落とした、のつもりかも知れねぇけど何も前のめりに倒れなくても。
「ただいま~」
『お帰りッ!!』
「ぅおっ!? びっくりした。
……お、今夜はカレーか?」
ちなみに出迎えたのは俺以外だからな。
米は忍が炊いた。
「ん。あたし達で作った」
「………………」
忍……親父で人体実験をするんじゃなかったのか?
「だいじょーぶ!光は抜きだから!」
「え~、私も……むぐ~!」
「父さん、早くっ」
「わ、わ、わ、引っ張らないで」
がちゃ
「お、純。ただいま」
「ヘイヘイ、おかーり」
「……純がひど「そんなことより、あれだよ!」これ?ちょっと食べても『いーよ!!』いただきまーす」
せめてスーツ脱げよ。
『ゴクリ……』
「あ、旨い!」
『うそぉっ!?』
「でしょ~? 私も作ったんだよ~」
「え、本当に? 普通に旨いよ。光も進歩したんだな~」
どういう意味の進歩だ?
まぁ、とりあえず、このカレーは大丈夫らしいと言うことが分かった。
「うっっっっわ!! 何これ!?」
ただし、途中で入れた異物が完全に溶け切っていたというわけではないらしく、色々と変なものが出てきた。
「え、これ山葵じゃねーの!? 何で摩り下ろされてねーの!?」
「……なんかあたしのからは摩り下ろされてないどころか切られてさえいないしょうが出て忌たんだけど」
「え~!? それって摩り下ろすものだったの~!?」
『はっ!?』
ってな感じで。
まぁ、俺のところには入ってなかったからよしとしよう。
本当に美味しいかどうかは分かりません。
試してみて不味くても責任は取りませんのでご了承下さい。
本当にやったら結果教えてくださいね♪
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