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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
四月でも暴走中
76/410

76 これでもクッキーを作っているのです

「待ちなさい。貴方達は一体何を作るつもり?」

『クッキーだよ(~)?』

 変ね。私の目がおかしくなったのかしら。

 秋よ。

 家で凛とお喋りしてたら妹二人がクッキーの作りかたを聞きに来たのね。

 それで、凛が『変なものを入れない』という条件付で何故か私まで教えることになったのだけど……。

 この子達のそろえた材料の中にどう見ても、

 ど う 見 て も おかしなものが入っているのだけど。

 この子達凛の言ってたこと聞いてたのかしら?

 からしでしょ、しょうがでしょ、ネギに蜂の子。

 え、蜂の子? 何処から持ってきたの?

 切りがないから切るけどコレのほかにも色々。

 ……よく集まったわね。

 そんなことより。

「凛、変なものを禁止したのは貴方じゃなかった?

 何便乗してるのよ」

「だって~」

 だってじゃないわよ。

「誰かを引っ掛けるためのハズレに使うって言うんだもの~。

 楽しそうだったから乗っちゃった~♪」

 単純……。

「大体誰かって誰よ」

「分からないよ! 無差別殺人だもん!!」

 春、殺さないでちょうだい。

「違うよ~。無差別引っ掛けだよ~」

「…………それならまぁ……楽しそうだし、いいわよ」

 止めるのはやめにするわ。

 だって、コレを始めたこの子達が引っかかる所を見てみたいもの。

 いっつも引っ掛けている方だから。

 ……ついでに、純もね。あの子見事に引っかからないもの。

「よ~し~! 型抜きしよう~!」

 え? もう?

 生地できてるし……。って、ちょっと待ちなさい。

「それ、ちゃんと寝かせた?」

「寝かせる? これに布団なんかかけたら、自分が寝るとき気持ち悪いよ!」

 そうじゃなくてね……。

「あ~! 忘れてた~! 秋ちゃんくっしょふ~」

 濁点が抜けてるわよ。『゛』が。あとカタカナね、それは。



 二時間後

「よ~し~! 今度こそ型抜き~!」

「肩たたき~?」

 どうやったらそう聞き間違えるのよ。

「あれ~、光やってくれるの~?」

「ウチもやるよ!」

 何がしたいの貴方達は。私もやってほしいけど。

「型抜きするんじゃなかったの?」

『あぁ(~)!』

『あぁ』じゃないわよ……。

「誰か、コレに挟むネギ等等切っといた方が効率的だよね!」

 それを言いながら私に視線を送るのは私に『やれ』と?

「口で言いなさいそういうことは」

「はーい。ねぎ切りお願いしまーす!」

 ……スーパーとかでは見かけないわね? このねぎ。

「それね~。いつか光たちがカレーを作ったときに発掘した、芽の生えた玉ねぎを庭で育てて取れたんだよ~」

 …………。何から突っ込めばいいのかしら。

 発掘したことについて? 庭で育てたことについて? コレが安全かということについて?

 ……まぁ、コレくらいの量なら、大丈夫よ、ね?

「見てみて! 季節外れ!」

 クリスマスツリーって……。ホント、季節外れもいいところね。

「こっちは季節ピッタリだよ~。ほら~、桜~!」

 もう殆ど散っちゃってるけれどね。

「ねぇひーちゃん、その桜ちょっといがんでないかな?」

「え~? 本当だ~! 何で~? 何で~?」

 まず、型がいがんでるのだけど。

「あ~、その型ね~。かなり前なんだけど床に落として踏んじゃったの~」

 凛……直そうとか言う気はなかったのかしら?

「よ~し! じゃあハズレを作っていこう!」

 丁度、ねぎも切れたしね。

 切ってから言うのも何だけど本当に大丈夫かしら、これ。

「え~っと~、これは岳お兄ちゃん用~」

「これ、お兄ちゃん用ね!」

 ……あら? 数十数行前に『無差別』と言ったわよね?

「さ~、皆よう~」

 ……あぁ、岳と夏はとりあえず絶対引っかかるようにしたかったのね……。

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