74 We aren’t 案内係! O.K.?
「あのー……」
「ん?」「あ?」
純兄、その返事の仕方はどうかと。
「え、ええと、部活の場所分からなかったんですけど……」
忍でーす。
そっか、今日から一年は部活見学なんだ。
「何部行きたいの?」
「テニス部です……」
「あれ? 外に居なかった?」
おっかしーなー。
今は晴れちゃ居ないけど雨降ってる訳でもないし……。
あ、今朝雨降ったんだったっけ?
「それが……三年生に聞いたら中って言われて、二年生に聞いたら外って……」
おい、テニ部・・・。
「外は見てみたのか?」
「あ、はい」
純兄、心当たりあるのー?
「……そこの廊下曲がった所は見たか? 後、三階の同じ場所」
「いえ、見てないです……ありがとうございます!」
行っちゃった。
あ、ちなみにここは二階ねー。
うちの学校、一年は四階で二年が三階、三年は二階なの。
「純兄なんで知ってるの?」
「雨の日に残ってたら、たまに見かけるからな」
ほー。……いつ残ってたんだろ?
「あのー」
……名札と上靴が黄色。また一年生。
「吹奏楽部って何処ですか?」
「いや音聞こえるでしょ!? 三階の音楽室だよ!」
今も聞こえてるよ!? ほら、あの某体は子ども頭脳は大人名探偵のテーマ曲!!
「あ、そー言えばそーですね。ありがとうございます」
そー言えばって……。気付かなかったんかい。
「あのー」
……またまたかい。
あれ? 上靴が緑だから三年?
「卓球部何処?」
あれ、この人見覚えが……。
「体育館か多目的室だろうが。会長兼卓球部部長」
あぁ! 生徒会長だ!
って、卓球部部長!? 自分の所わかんなくてどーすんの!?
「あ、そうそう! ありがとー」
え、まさか本当に忘れてた!?
「一年生が聞きに来たらそうやって答えてね♪」
『あたし(俺)等は案内係じゃない(ねぇ)!』
そもそも案内係居ないから!
あー、行っちゃった。
聞いてるのかなー。
「あのー」
またまたまた!?
今度はちゃんと一年だ。
「卓球部どこですか?」
「……今階段下りていった人見えた?」
「はい」
「その人について行ったら着くよ」
「はい。ありがとうございます!」
今のでいいんだ。
「あのー」
またまたまたまた!?
「オカルト部何処ですか?」
「んーと、オカルト部は……オカルトおかると……オカルト!?」
「え、はい」
そんな部活あったっけ?
「そんなのあったか?」
あぁ~、純兄も分からなかったのね。
「あれ? でもポスターが……」
「何処に!?」
「そこに」
んーと? 階段のところか。
『オカルト部部員募集!
ちょーっと不思議な雰囲気の
ちょーっと不思議な部活です
上下関係は無いに等しい!!
不思議な体験したい方、どうぞ入って見てください!!』
……はぁ……。
こんなのあったかなー?
「場所くらい書いとけよ……」
確かに。ポスター意味なし。
「あれ? でもさ、新歓の時なかったよね? この部活」
「だから余計気になって……」
ふーん……。
とにかく、
「それっぽい所を探せばいいよね?」
「……は?」
『は?』じゃなくて、探してみようよ!
あたしが気になるから!