72 最凶×3=教師の崩壊
「待てッ!!」
「待てと言われて待つ奴がいるものか」
「……同感」
逃ーげろーっ!
あー、楽し。
剣だ!
凶、訂正。今日も今日とてオレ達(オレ&天&斬)は学園内を走り回ってるぜ!
理由? 教師に追いかけられているから以外に何があると?
実はな、オレ達を追い掛け回すという(ある意味)度胸のある教師がこの学校には一人だけいるんだよ。
それが、我等が担任! 灯雷羅音(先生)!
オレ的に『い』が足りないと思う。
だってさ、『らいおん』の方が迫力あるじゃねーか。
「いー加減止まれ! おれを走り殺す気か!?」
「……らおんが止まればいい、それだけ」
「うん、斬の言うとおりだと思うな」
オレも。
あ、ちなみに、何で追いかけられてっかと言うとー……。
……あれ?なんでだったっけか?
「クソッ! さっさと答案用紙返せ!」
あ、そーそー。
成績に関わるとか言うだーいじなテストの答案用紙(採点前)を盗ったんだった。
実は、オレ等のクラスの奴、一部頭悪くてな、『やり直したい』という声が殺到。
だから! オレ等でそのテストのやり直しをさせるべく、答案用紙を消してしまおうと言うわけだ!
いやー、こういうことばっかりやるから教師には目の敵にされ、生徒には人気者にされ。
うんうん。ベストな状態! か?
「そういえば、剣」
「あん?」
「答案用紙、どう処分するんだ?」
…………。
「斬」
「……凍らしても何にもならない、と思う」
だよなー。
「とりあえず、教室に持ってくか!」
「OK」
目の前の曲がり角を右に曲がればー。
はい、とーちゃっく。
「皆のものー! 答案用紙を取り返してきたぞー!」
『でかした!』
褒められた!
ちなみに、一クラス10人程度しかいない。
だから対して混雑せずに答案用紙は皆の下へ。
よし! めでたしめでたし!
……って、あれ?
「こらッ! 今すぐ戻せ! ……はぁ、はぁ」
息切れしとる。
まだ若いのにー!
「それ行け! 斬!」
「……語呂悪い。後俺は空飛ぶアンパンじゃない」
あ、言った後で思った。
「はぁ、はぁ……でぇっ!?」
どかーん
あ、床に穴が。
「おいっ! これの修理は誰がすると思っている!?」
「誰がするんだ?」
天の言うとおり! オレも知らん。
「こーゆーところの修理は教師がさせられるんだよ! 覚えておけ!」
テストにでるのか?
「……そもそもらおんが避けなければ床に穴は開かない」
「うん。そうだな」
「だぁほっ! おれに風穴が開くわ!」
……えーっと、関西弁当?
違ったっけ。
「……大丈夫。穴が開いても氷で塞ぐから」
スケートリンクの出来上がりーってか?
「止めてくれ……」
あ、らおん顔色悪い。風邪か?
「らおん、医務室と病院どっちがいい?」
「……そうだな、できれば精神科の病院に行かせて欲しい。
お前等の担任をやってることが夢か、幻覚、幻聴だったら……」
おーい、遠い目をするなー。帰って来ーい。
夏休みに出すつもりが……。
何となく恋しくなって出しちゃいました。
らおん、頑張れ。
君の苦労はいずれきっと報われる……。
報われないかもしれないが(笑)