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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
四月でも暴走中
70/410

70 子供の相手とは大変なのである

「待てー!」

 ぴたっ

「わぁっ!」

 あれ?

 待てって言われたから止まったのに。

「急に止まるな!」

「待てって言われたから止まったのに!」

 忍でーす。

 いや~、あのね?

 近所の二年生の子が友達×5を連れて遊びに来たんだけどね?

 あたしは中学生虐待を受けてるのよ。

 なんで!?

 あたし一人で六人も相手にできるわけ……あるんだけど。

 って言うか現在進行形でやってるんだけど。

 ほら、小学校低学年の子が相手なんだよ? 蹴ったり殴ったり出来ないでしょ!?

 だから適当にこけさせるor逃げるしか方法が無いわけであって。

 あたしはまだ制服を着替えていないのであって。

 とてつもなくやりにくい。

「にいちゃん行くぞ!」

「誰がにいちゃんだ!? スカートはいてるでしょ!?」

 制服以外には持ってないけど。

「あ、じゃあオカマ?」

「何でそうなる訳!?」

 せめて着替えさせて欲しい。

 スカートって広がるから動きにくいんだよ!

 とりあえず部屋まで逃げ込めば後は何とかなる!



 ……と考えたあたしが馬鹿だった。

 あたしと光の部屋には鍵がない=勝手に入ってこれる。

 着替えられるじょーたいじゃないでしょーが!

 はぁ~。

 とりあえずブレザーとスカートだけ脱いどこ。

 スカートの下に体操服のズボンはいといてよかったよ。

「えいえいえいえいえいえいえいえい!」

 はぁ~。無防備な状態で何故こんなに殴られないといけないのだろうかー。

 ぬいぐるみで、なだけましだけど。

「こら、女の子が乱暴なんかしちゃいけません!

 ……とするとやってるあたしって?」

 どうしよう。自分で言っといてちょっと悲しくなった。

 女の子が一人混じってたんだよね。

「よー……って、なんだ。忍まだ着替えてねぇの? いや、どっちかっつーと着替え途中?」

 まぁたなっくん不法侵入してー。

 でも今は!

「なっくん、丁度良かった!」

「丁度悪い所に来たようだから俺帰るな」

「酷い!」

 しかも本当に帰っちゃうし! ベランダから。

「忍ー、無事か?」

「無事だけど手伝ってよ純兄!」

 すがり付いて来られるのって暑いんだよ!

 あと地味に殴られるの痛いし。

「必殺!」

 うん?

 空気入れポンプのホース?

 何で口に銜えてるの?

「ほーふこうれき(ホース攻撃)!」

 ふーっ

 ……………………終わり?

「何にもなってないから」

「てへっ☆」

 おーい。

 ……あー、のど渇いた。水飲みたい。

 となったら一階したに下りないと。

「あっ! 逃げたー!」

 ダッシュ!

「階段下りるの早っ!?」

 ふふふ、何しろ毎回駆け下りてるからね。慣れたのだ。

 皆は真似しないでねー。うちの階段急だからー。

 って、思うだけ。

 言ってる余裕無いんだもん!

 こっぷー。

「あ、あそこ!」

 ……二年生の皆さん、下りるの早いねー。

「水くらい飲まして?」

『ダメー!』

 何で!? 酷いよ!? 人権無視ですか!?

 ……二年生じゃまだ分からないかな?

「じゅーんにー! へるぷみぃ!」

「断る」

 酷いよ!

 しかもいつの間に一階したに!?

「もっかい言うよ? 水飲ませて」

『ダメー』

 残念ながらもう飲んでます。ごくごく。

 うん、のど乾いてる時が一番おいし。

「あっつー」

 しかし体温はすぐには下がらない。

「カッターのボタン開けろよ。第一(第一ボタン)まで閉めるから暑いんだろうが」

 あ、その手があったか。

「ありがと、純兄」

「どういたしまして。よく気付かなかったな」

 あ、何か今ものすごく馬鹿にされたような気がする。

「それーっ」

「のぁっ!?」

 また来たーっ!

「逃げるっ」

『逃げるなー!』

「逃げるっ! 大事なことなので二回言いました」

「何処がどう大事なことなのか五十文字以上で説明して欲しい」

 純兄が何か言ってるけど無視!

 今はとにかく身の安全をはかるのだーッ!

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