68 何でもバスケットー!
「んーと……昨日十二時代に寝た人!」
ばたばたがたがた……
あ、いるんだ。
忍でーす。
今日はね、昨日委員会とか係とか決めちゃってたからHRがやること無いんだ。
だからクラスのリーダー的な人の提案でなんでもバスケットやってんの。
『小学生かよ……』って呟いてた人も居たけどね。
純兄とか純兄とか純兄とか
「……またおれ……」
どんまい、水谷。
確か四回目だったね。
「……男子」
がたがたがたがた!
あたし、さっきからずっと動いてないんだけど。
だってね?
男子の前が昨日十二時代に寝た人で、前が漢字で名前が二文字の人、それより前が学ラン着てる人。
前に動いたのは七回前のなんでもバスケットだよ。
「えーっ……まさかのオレ!?」
「まさかも何も~」「三回目だし」
桜、しーちゃんナイス。
「清、早く言え」
「んー……アニメ、鉄道、銃器、何でもいいからオタク!」
しーん……。
「え、居ない!?」
らしいねー。
一部の人がわざわざ動く奴がいるか、な視線を清に送ってるけど。
「……じゃ、山口に住んだことがある人!」
そんなのあたしと純兄となっくんしかいないでしょ!?
……セーフ!
「えっ!? 夏お前山口住んだことあんの!?」
「え、言わなかったか?」
『聞いてねーよ』
ナイスシンクロ!
はい、座れなかったのはなっくんね。
「…………」
なっくん考え中……。
で、純兄の方を見たとたんにやって笑って。
「このクラス内にお……妹が居る奴」
なっくん、今弟って言おうとしたでしょ。
「俺だけだろ、どう考えても」
個人攻撃。見てる方は楽しいんだよ!
頑張れ純兄、止める者はいなーい!
「まだ生きたい奴」
全員でしょ!?
しかも何!? その地味に怖い質問!?
がたがたがたがた……
「イタッ!」
あ、誰か黒板のチョーク置く所に背中ぶつけた。
実はさっきから続出中なんだよ。
「うっそ、また!?」
このゲームを提案したお方。名前はまだ無い。
いや、覚えてないだけだけど。
「いやー、もぅ。じゃあねぇ……身長152センチの人!」
あ、あたし152。
「……あたしだけ!?」
「本とに居た!?」
居ると思って言ったんじゃないの!?
うぅ……んじゃーねぇ……。
「生まれたことがある人!」
『全員だろ!?』
なんで純兄には突っ込まないであたしには突っ込むの!?
「って言うか生まれてなかったら居ないし」
ごもっともであります。
でもまぁ、結構受けたみたいだからいいや。
「あぅ、なっちゃった~」
残ったのは桜ね。
「教師~」
考えもしなかったね。
「ナイス山内!」
えーっと、誰か分からないけどグッと親指を突きたてた人がいる。
あ、よく見たら皆嬉しそー。嫌われとりますな。柿の種。
「ふむぅん……じゃあ、A型とAB型っ!」
最初の『ふむぅん』って何。
って、落着いてる場合じゃなかった! あたしAB型!
「また……」
水谷……本と『また』だね。
「……しじみ」
「シジミじゃないよ! 紫波だよ!」
うぉっ、本当に居た。
って言うか、否定するなら動かないでおこうよ。
「あだ名はしじみ、つまりお前」
はい、『しじみ』もとい『紫波』が女の子だと思った方!
残念! れっきとした男子です。
ついでに言うと『紫波』って下の名前ね。
いや~、それにしても、水谷友達できたんだね。よかったよかった。
「酷いなぁ……んっとーあっ! 桜を見たことがある人!」
これも全員だよね!? 窓から見えるし!
…………あれ?
「何でまた僕なの!?」
しじみ……何で座れなかったのかが不思議だよ。