67 教師の自己紹介……って?
はぁ……。
っと、いきなり溜息なんかついて悪い。
今、学年集会中で……なんで教師の話は長いんだろうなと思って。
純だ。
「教師の話は長いって言うけどな?」
言ってはいない。思っただけで。
「教師の話が長いときには三つのパターンがある」
俺の勘違いでなければ今は担当教師の自己紹介だったと思うんだけど。
……何故そんな話になる。
いや、誰かは知ってるからいいけど。
学年主任の池中。一部の人間曰くツンデレ、らしい。
……ところで、ツンデレって何だ?
「その三つのパターンの一つ目は、話聴いてない奴が居るとき。こら坂本お前だ。こういうのがいるから、何回も言う羽目になる。
二つ目は、内容が難しくて噛み砕いて言わないと分からない場合な」
そんな事あったか?
「で、三番目は……お前等今ちゃんとこっち向いて聞いてるだろ? こういう時にもっと話したくなって長くなる場合」
……忍、目を逸らすな。
「こら、目を逸らすな」
忍だけじゃ無かった。
「ん、まぁこれで終わり」
唐突だな!?
1~4組の担任の教師の自己紹介はごくごく普通だったから割合。
「はい、次は美術科担当になった川岸先生、よろしくお願いします」
この教師は今年来たばかり。
見た目は……はっきり言って、はっきり言わなくても、教師に見えない。
はげた、訂正。そった頭に眼鏡が乗ってる。
「はい、川岸明憲と言います。しょっちゅう『美術の教師』と言うとびっくりされる」
だろうな。
「で、よく何に見間違えられるかと言うと……不動産屋、とか」
……何となく分かる気がする。
「後、ヤクザ」
ヤクザ!?
「趣味はスノボとか山登り……ただしゆっくり」
太ってるしな。
「スノボはたまにインストラクターをやってんの。『はいここをこ~曲がってはいよくできました~!』って。やってんの」
その台詞を言う時だけ妙に声が高くなったのは……別にいいか。
「……はい、こんなもんでよろしいでしょうか?」
「あぁはい、じゃあ次、魚有先生お願いします」
この教師もさっきのと同じく、今年来た教師。
「えぇと、さっきの川岸先生のような面白いことは言えませんので……」
それはいい。
「血液型はB型、趣味は因数分解」
どんな趣味だよ。
「えぇ~、最後にですね。さっきからずっと動いてますが」
あぁ、前に行ったり後ろに下がったり……。足を上げたりおろしたりその他諸々。
とにかくずっと動いてるな。
「じっとしてると落着かないんです。止まったら死んじゃいます」
鮪?