65 お花見! ただし花を見ているかは不明
『花見をしよう!』
っというお父さんとはーちゃん父の言葉で~……。
近所の公園にお花見に来ました~。
はーちゃん一家と私達一家と~、あと仙波家~。
合計十四人~!
光です~。
この公園ね~、桜の木がいっぱい植えてあるからお花見する人がいっぱいいるんだよ~。
でも見た感じではお花を見てる人は殆ど居ないけどね~。
「忍、何でわざわざ木に登る」
「だってこうしないと絶対花見れないもん」
見れないじゃなくて見ないの間違いじゃないのかな~?
「じゃあいっその事何処まで上れるかやってみろよ」
「おけー」
「夏、煽るな。本気でやるから」
時既に遅し~。お姉ちゃんは既にてっぺん近くまで上ったよ~。
「あ、こら神谷! オレの皿の上のおかず取るな!!」
「このおかずは神谷のだもん。たけるにいちゃんのは……消えた!」
神谷君のおなかの中にね~。
「はむはむ~、おいし~! 秋ちゃん最高~」
「……おだてても何も出ないわよ、凛」
「おだててないわよ~?」
秋ちゃんって言うのははーちゃんのお母さんね~。
凛って言うのはお母さんの名前~。
幼馴染らしいよ~、お母さん達も~。
「ひーちゃん、これ美味しいよ!」
……何故めざしが~!?
しかもいつかお兄ちゃんやお姉ちゃんの恐怖の対象になった真っ黒めざし~!
「苦くない~?」
「んむ? 苦いけど、それはそれでおいしーよ!」
結局苦いんだね~。
……ちょっと実験~。
美味しそうだったら食べよう~。
「お父さん~!」
「はーい?」
口の中に~……すぽ~っ!
「☆#●%$@〇★!?」
……いつかの真っ黒めざし食べたときと同じ反応~。
危険物確定~!
「はーちゃん~、やっぱり苦いみたい~」
「ありゃ、そお? じゃあお兄ちゃんにあげよっと!」
……数秒後~。
「さっきの人体実験見られてたみたい」
使えなかったらしい~。
「ひかりねえたん、たべゆ?」
……菜美ちゃんの小さいおててに乗っているのは桜の花びらなんだけど~……。
食べられません~。
「菜美ちゃん食べたの~?」
「ううん、じっけんなの」
何処で覚えたのかな~?
「えいったっとっ」「ていってぇっんっ」
「ひーちゃんひーちゃん! なんだかそーだいな戦いが!」
岳お兄ちゃんと神谷君~……。
煮物のこんにゃくをお箸で取り合っている最中です~。
箸が早くてまるでこんにゃくが浮いてるみたい~。
「ね~、秋ちゃん~。お父さん達何やってるのかな~」
お父さん達~?
…………向こうで草弄ってるけど~。
負のオーラを漂わせながら~。
「……ほっときなさい」
「分かった~。もしかしたら天ぷらのための野草採ってるのかもね~」
「どうやったらあれがそう見えるのかしら……」
秋さん~……遠い目をしないで~?
「しのぶねえたん! なみ、かあい?」
「うん、かわいーかわいー」
「きゃーっ!」
うわ~、嬉しそ~。
髪に桜の花挿してもらったんだね~。
「春ちゃん、光、これ食べない?」
あ~、名前は出たけど今まで登場はしてなかった奈津叔母さんことなっちゃん~。
手に持ってるのは~、レアチーズケーキ~!
『食べる(~)!』
「はい、どうぞ」
あむあむ……むぐむぐ……美味し~。
ガチンッ
…………!?
今の何~!? ガチンって言ったよ~!?
……スプーン発掘~!
何故ケーキの中にスプーンが~!?
「なっちゃん~、スプーン出てきたよ~?」
「あっ! 昨日無くしたスプーン! 何処に行ったのかと思ったら……ケーキの中に入ってたのね。ありがとう!」
……どうやったらケーキの中にスプーンが入るんだろ~。
「だだだだだだだだ!」「とととととととと!」
「両者一歩も譲らない! さて、さつま芋はどちらの手に……じゃなくて腹に収まるのか!」
あれ~、岳お兄ちゃんと神谷君がとりあってたのはこんにゃくじゃなかったっけ~。
後いつの間にはーちゃんは実況を~?
「さ、ひーちゃん食べよ!」
「いつの間にここへ~!?」
瞬間移動~!? テレポーテーション~!?
「ふっふっふ……実はあの二人の実況をする振りをして……さつま芋とリンゴの甘煮をくすねて来たのだ!」
レーズン入り~!
「はーちゃんでかした~! お主も悪よの~」
「失敬な。我輩を愚弄すむぐむぐ」
台詞最後まで言おまぐまぐ~。
おいし~♪
お花見の時にちゃんと桜を見るのは何人くらいだろう……。
最近浮かんだどうでもいい疑問です。