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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
二月で暴走中
6/410

6 調理開始! 切りましょう

「たーいまー」

「お帰りぃっ!! 待ってたぜねーちゃんっ!!」

「のわっ!?」

 忍です!

 あ~、びっくりした。

 いっつも出迎えてこない岳がロケット並みのスピードで走ってきたんだもん。

「どったの?」

「ひ……光が……光がカレーを作ろうとしてるんだッ!!」

 ………………。

「ウソッ!?」

「嘘ついてどーすんだホントだよッ!!」

 まずい……早く止めないと今日の夕飯が悲惨なことに!!



「光!」

「あ~、お帰り~、お姉ちゃん~」

 良かった……まだじゃがいもの皮剥いてるだけだった。

「帰ったか……」

 純兄もちょっと安心したって顔してるね。

 えーっと、確かカレーを作ろうとしてるって言ってたっけ?

 カレーくらいならレシピなくても多分大丈夫!

 ……多分!

 で、どんな変な材料を用意してんのかな、光は……。

 にんじん、玉ねぎ、じゃがいも、カレールー、離乳食……。

「離乳食!?」

「ほら~、疾風はやてくんの忘れ物だよ~」

 疾風っていうのはあたし達の従弟ね。

 去年の5月に生まれたからまだ0歳。

 正月の時に来てたからその時のかな、この離乳食は。

「にーちゃん……変なものは取り除いたんじゃ……?」

「大丈夫だろ、離乳食くらい」

「はいはい、役に立たない男子共は行った行った」

 とりあえず台所から追い出す。

 狭かったんだもん。

「ちょっ! 光は含まれねーの!? 何で!?」

「光は包丁使ったりは上手いもん」

「なるほど」

 納得するんだ?

「ちゃんと光見張っとけよ……」

「まかしとけー」

「あ~!」

「どったの光」

「お米とぐの忘れてた~!」

 なんだ。何かあったのかと思ってびっくりしちゃったじゃんか。

 何かあるっちゃあるけど。

「はいはい、あたしとぐよ。

光はそっちやってて」



「……にーちゃん」

「あ?」

「ねーちゃんに光の見張り頼んで大丈夫なのかっ!?」

「…………多分」

「………………。

オレたちも見張っとこーぜ?」

「そうだな……」



 とんとんとんとんとん……

「光、おじゃが切れた?」

「切れたよ~」

「ん、じゃぁ水にさらしといて」

「は~い」

 うん、今の所大丈夫。

「え~と~……お姉ちゃ~ん」

「何?」

「玉ねぎやって~」

 絶対ヤダ。

 というわけにもいかないんで、渡された玉ねぎを黙って冷蔵庫にしまっとく。

「ほら、にんじん先やろ」

「うん~」

 そんなこんなしている内に米とげた。

 えーと次は……あ、肉切っとかないと。

 ……って。

「なぜにミンチ!?」

「だってこれなら切る必要ないでしょ~」

 ……確かに?じゃ、これでいいか。



「……にーちゃん?」

「悪ぃ、全部は調べられなかった」



「……さて、玉ねぎ(敵)のとーじょーだ」

「わ~い!!」

「え、喜ぶ?」

「うぇぇ~ん~」

 泣けと言ってる訳じゃないんだけど。

 まぁとりあえず、一旦冷蔵庫に入れたから大丈夫でしょ、という思考で行こう。

 とん、とん、とん、

 ……やっぱしみるぅ~。

「お姉ちゃん~、貸して~」

「え?」

 後ろにはゴーグルをつけた光。

「んなもんあるなら最初っから出せよ!?」

「あはは~、忘れてた~」

 酷い。

「というわけで~、私やるね~」

「はいよ」

 ざくざくざくざくざくざくっ!

 おぉ、なかなかのスピード~。

 の前に、

「何そんなに細かくしてんの!?」

 みじん切りどころじゃないし!

 と、いうか家では(他のトコは知らない)玉ねぎはくし切りなんだけど?

 光……玉ねぎに何の恨みが!?

「だっていっつもはカレーの中の玉ねぎとけてるもん~。

だから出来るだけ細かくしてるのかな~って思ったんだけど~」

 ……ま、いいや。やっちゃったもんはしょーがない。

まだまだ先は長い、ね。

カレーの作りかたはうち流でやっております。


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