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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
四月でも暴走中
59/410

59 仕分け、中?

「ただいまー」

 ……親父か。

 確か野草採りに行ってたっけ。

 純だ。

「純ー、ちょっと仕分け手伝って」

「ヤだ」

 めんどくせぇ。

「そー言わないで。数多いんだし。どーせ暇だろ」

 断定?

 ま、事実暇だけど。

「分ぁったよ……」



「スギナはこっち。よもぎはこっちでカラシナはこっち、ノビルはこっちね」

「へいへい……」

 しっかし、量すげぇな。

 スーパーの袋四袋分位あるんじゃねぇか?

「えーっと、よもぎ餅の作りかたはー……んぎゃ!?」

「俺にやらせといて親父がやらねぇのはどういう事だ?」

「えー、よもぎ餅の作りかた調べてあげてるんじゃん」

 俺は頼んでねぇ。

「大体よもぎ餅が好きなのは親父だけだろ」

「いや、だってね? たまたま会った人に『よもぎそんなに摘んでどうするんですか』って聞かれて『乾燥させて一年分貯めておくんです』って答えたら……」

 貯めて、よもぎ茶にするんだろ?

 んな物殆ど誰も飲んでねぇじゃねぇか……。

「そしたら『あー、そっちですか。私は湯がいてよもぎ餅とかにしますねぇ』って。別れてしばらくしてから『……湯がいてって言ってたよなぁ……』って思って」

 よもぎ茶は煎じてるからな。

「あの人はお湯の方を捨てて、俺は葉っぱの方を捨てて……」

「どっちが不自然かと聞かれたら明らかに親父の方だな」

「でしょ? だからよもぎ餅の作りかたを調べておこうと思って」

 ……調べて、作るのが面倒だからって結局何もしないんじゃねぇか?

「……って、それを俺に仕分け押付ける理由にすんじゃねぇ」

 ばしっ

「親を殴るとはなんちゅー親不孝もんだ!」

「知った事か」

 押付けた親父が悪い。

「ちぇっ。忍と純はよもぎ餅嫌いだから口に押し込んでやろうと思ったのに」

「それが本音か」

「ななななぁ~んの事かな~あ?」

 全部口から出てた……気付いてなかったのか?

「あ、そうそうもぐらの巣があったよ」

 話思い切り変えやがった。

「で? もぐら掘ったのか?」

「ないない。おにぎり持って行って穴にころころ転がしてたらどうする?」

 おむすびころりん?

 あれで穴の中に居たのはもぐらじゃなくて鼠だろ。

「どうもしねぇよ。まず声が聞こえてくる訳ねぇだろ」

「声が聞こえてくるまでやってたらどうする?」

 はぁ?

「単なる馬鹿だろ」

「単なる馬鹿だったらどうする?」

 何がしたいんだか。

 ……とりあえず言い返して欲しいのか?

「単なる馬鹿だったら銀行員にはなれない」

「…………ちぃ」

 勝った。

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